『クレイジージャーニー』最多出演の丸山ゴンザレス「皆さんの価値観が揺さぶられたら」

『クレイジージャーニー』最多出演の丸山ゴンザレス「皆さんの価値観が揺さぶられたら」

 お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志、バナナマンの設楽統、女優の小池栄子がMCを務めるTBS系バラエティー番組『クレイジージャーニー』(19日放送 後9:00)。これまで、番組最多17回の出演を誇る丸山ゴンザレスがインタビューに応じた。



【動画】丸山ゴンザレスの取材旅に密着!2時間スペシャル予告動画



 丸山はスラム街やドラッグ、ギャングなどの実態を追い続けているが、今回、番組が同行取材したのは「大麻合法化の光と闇」。各国における娯楽用大麻の合法化は人々にどんな影響を及ぼしているのか。アメリカ・カリフォルニア州とカナダを訪ね、その最前線の現場にグイグイと迫っていく。まさに丸山の取材旅でなくては見ることのできない、生々しい映像の数々。取材は2019年8月に行われ、その後の現地の様子についても番組で紹介される。



――今はコロナ禍で海外取材が難しい状況ですが、どのように過ごしていますか?



取材に出たい気持ちはもちろんありますが、置かれた場所で最大のパフォーマンスを発揮するというのが僕のスタンス。なので、今の日本でできることとして、これまであまり深堀りしていなかった日本の裏社会を取材しています。YouTubeチャンネル「丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー」を開設し、発信するというのが、この1年数ヶ月の主な活動ですね。他にもいろいろやっているので、退屈しないというか、けっこう大変です。日本の裏社会も興味深くて、先々海外に出た時の深い取材につなげられたらと思っています。僕は物書きなので、いろいろな情報を集めて自分の中でつなげていくんです。人から聞いた話やツイッターに上がる断片的な情報なんかをつなげていくと、現象として仮説が立つんですね。その仮説を元に現地に確認に行くというのが僕の取材の進め方。今は仮説がいっぱいあって、早く確認したいです。



――今回の(海外での)大麻合法化に関する取材旅も衝撃的ですね?



長年フィールドワークにしてきた大麻ビジネスが中心です。一方で、大麻以外のハードドラッグを過剰摂取して死亡する人が多いという事実もあり、そんな違法薬物を摂取する場所をあえて設けることで死者を減らそうというハームリダクション(被害の軽減)の取り組みが北米で拡大しているので、それも取材しています。合法化によって進む大麻ビジネス、それに対してハードドラッグの扱いはどうなのか。そこを二項対立で取材しようと思いました。取材したのは2年近く前なので、すぐに出していたらもっとセンセーショナルだったろうなとは思います。それでも今、この内容がそんなに古いと感じないということは、言い方を変えれば、この問題に対して世の中が足踏みしてしまっているということでしょうね。カナダの薬物使用室なんかの衝撃的な映像もあって、きっと見た方それぞれの受けとめ方があると思います。僕は皆さんの価値観が揺さぶられたらいいなと思っています。



――久しぶりのスタジオ収録を終えての感想は?



MCの皆さんが前のめりに質問してくる感覚が久しぶりだなって。あの3人、特に松本さんの視点はちょっと普通じゃないし、3人ともやっぱり独自の見方があるから、自分が取材してきたものをどの角度から聞いてくるんだろうって、それがやや怖い。ビビってるって意味じゃないけど、怖いけどそれはそれで楽しみで。久しぶりに「ああ、この感じだな」って思いました。僕自身、裏社会の取材や物書きの活動で気をつけているのが、好奇心を枯らさないことです。年を重ねたり、いろんなことをしたりしていくなかで、どうしても好奇心って枯れやすいんですよね。でも、3人がすごい興味を持って前のめりになってくれるので、僕としても驚きと喜びがあります。



――番組が同行する取材旅はどのように行われるんですか?



基本的に、こちらが調べたり考えたりして仮説を立てた取材案件に、番組が同行しています。現地で何が撮れるかもわからないのに予算をつけて動く『クレイジージャーニー』ってすごいですよね。実際、収穫がイマイチでもそのまま放送してますから(笑)。たまに番組の同行取材が終わった後、僕だけ残ってひとりで取材を続けることもあります。そういう時も、そこで撮影した映像を後から提供することになりますけど…。そんな感じで何年か一緒にやってきましたが、一昨年に取材したものが今回放送できるのは本当に良かったです。



――ゴンザレスさんは、どんな現場でも溶け込み感が半端じゃないですね?



日本で起こっていることは海外でも起こっているし、僕らが考えていることは海外の人も考えている。どんなことも地続きだと僕は思っています。スラムに住んでいる人が特殊だとも思わない。向こうにしたら、僕が自分たちの日常にふらっと入り込んできた変なおっちゃんですから。フラットに接した方が向こうも構えないから、リアルな日常が垣間見られるんだと思います。取材に限らず、日頃からいろいろなことを特別視しないようにはしています。



――危険地帯の取材で、ここから先はヤバイ、ヤバくないの判断基準はあるんですか? 番組でもたまに走って逃げる映像がありますが。



走って逃げることはしょっちゅうあって、あれぐらいはトラブルのうちには入りません。「ヤバイの基準はありますか?」って聞かれて、明確に答えられるヤツがいたら、そいつこそ一番命を落としやすいんじゃないかな。どんな時も、その場その場の判断が絶対に必要だし、そうやって取材を続けて来て今こうして生きてるんだから、それが正解でしょ?ぐらいの気持ちです。こだわりを捨てること。こだわると死ぬと思ってます。



――これまで番組が同行した取材旅で、特に思い出深いものは?



バックヤードも含め、思い出深いものは多いですね。一番ヤバかったのはメキシコの麻薬戦争。ギャングたちの麻薬カルテルの取材です。僕的にもテレビ的にも限界だったと思うし、もう1回やれと言われても僕は無理!『クレイジージャーニー』がレギュラー放送になって1発目(2015年4月)にやったルーマニアのマンホールタウンも面白かったですね。その年の正月に初めて単発で番組が放送されて、スタッフから「これからレギュラーになるんで、どこか行く予定ありますか?」って聞かれて「ルーマニアに行こうと思ってます」って話をしたことを覚えています。ずいぶん前からマンホールタウンの存在は知ってたんだけど、海外のニュースサイトの1枚の写真を見て、行きたくてしょうがなくなっていた時期で。人間の暮らしって、食べて、寝て、友達と会話して、トイレ行って…、要素はみんな一緒なのに、住む場所が違うだけでこんなに興味をそそられるものになるんだって思いました。



――ところで、ゴンザレスさんはなぜ危険地帯を取材するんですか?



人の知らないことを知るのが面白いんです。表側には出てこない物事に対する単純な好奇心がベースですね。実は、自分の中では裏とか表とかあまり関係がなくて、そこにいる人はどんな暮らしをしていて、モノの品質や流通システムはどうなっているか、誰が儲けているのかといった仕組みを理解したいというのが一番。普通のビジネス取材なんかとあまり違わないんじゃないかな。だから、現地での質問も「在庫はどれぐらい?」「返品は?」「品質保証は?」みたいなことになっちゃう。違法なことをして稼いでいる人に「悪いと思わないんですか?」って聞いても、あまり意味はないしね。なんなら正義って一番厄介。もちろん僕の取材対象は、社会問題や環境問題、政治…いろいろな背景を抱えていますが、それをどうにかしようとか、使命感に燃えているわけでもなく、構造を知りたいんです。自分が興味を持ったことを取材して発信しているだけですが、今もこの番組を見た方からいろいろ言っていただけるので、皆さんに関心を持っていただけているんだなと思っています。

カテゴリ