「感情移入しました」矢部浩之、女子サッカーアニメで声優挑戦 自身の学生時代は“独りよがりでモテモテ(笑)”

「感情移入しました」矢部浩之、女子サッカーアニメで声優挑戦 自身の学生時代は“独りよがりでモテモテ(笑)”

 お笑いコンビ・ナインティナインの矢部浩之が、応援隊長を務めるアニメ映画『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』(公開中)で、原作に登場しないオリジナルキャラクター“矢部先生”役で声優にも挑戦した。男子サッカー部の中で苦闘する女子サッカー選手・恩田希の青春を描く本作の魅力について、自身が青春を捧げた学生時代のサッカー部の思い出を振り返りながら語ってもらった。



【動画】矢部浩之、声優初挑戦!ライバルは「漁港の肉子ちゃん」



■声優出演に「どういうこと?」 体格差で悩む主人公・恩田希に感情移入



――声優のオファーをもらったときの感想は?



【矢部】最初は応援隊長と聞いたので引受させていただいたのですが、自分も声優で出ると聞いて「えっ、どういうこと?」って(笑)。出演シーンもストーリーを邪魔することなくうまい感じで入れていただいたので、ぜひ最後までちゃんと見てください。エンドロールの途中で帰るタイプの人は、僕の存在に気づかないので(笑)。



――アフレコはいかがでしたか?



【矢部】過去にも『27時間テレビ』の企画で『サザエさん』とか『こち亀』とかに出たことがあって、どちらも本人役だったけどすごく難しいなと思ったんですよ。今回は初めてキャラクターの声優なので、かなり時間がかかるかなって思ったら、あっさり終わりました(笑)。最初はちょっと抑えめのテンションでやって、「もうちょっと明るいパターンもお願いします」って言われるかと思ったら、一発OKで。「あぁ、そうですか」という感じでした(笑)。



――作品全体の感想は?



【矢部】大好きなサッカーの話なのですごく楽しめました。のんちゃん(主人公・恩田希)は技術が男子よりも高いけど、中学生の男子は一気に体が成長するからどうしても当たり負けしてしまう。それが、自分の学生時代とすごく重なったんです。自分も高校2年の時、大阪選抜の候補に選ばれたんですけど「線が細くて体ができてない」って理由で落とされてしまったので、のんちゃんに感情移入しちゃいましたね。まぁ、のんちゃんはすごく努力家でしたけど、僕はボール扱いだけに自信があって、筋トレはせんでええ、なんやったら長距離走もサボったりって感じでしたけど(笑)。あと、男女平等とかのメッセージもあって、今の時代っぽさも表現していると思います。



■このアニメがもっと昔にあれば「僕の学生時代も変わっていたかもしれない」



――作品では居残り練習やメンバー発表など、部活動のリアルなシーンが多かったです。



【矢部】メンバー発表とかはドキドキしましたね。自分はいつも最初のほうの呼ばれてたんですけど(笑)、のんちゃんが呼ばれない悔しさも理解できます。男女の体格差という自分にはどうしようもない理由があるのに、それでも諦めずに練習を続けるのんちゃんを見てて、努力しないでフィジカルで負けて選抜落ちして腐ってた自分が恥ずかしくもなってきました。このアニメがもっと昔にあれば、僕の学生時代も変わっていたかもしれない、なんてことを考えながら見ることができました。



――矢部さんがグッときたシーンは?



【矢部】のんちゃんは一人でドリブルでもっていける技術はあるけど、個人技じゃなくてチームワークに徹した瞬間に、成長したなと思いました。ああいう瞬間でサッカー人生ってガラッと変わるんだなと。僕はちょっと上手いからずっと天狗で、最後までチームプレーができなかったので(笑)。トップ下でパスをウイングに出していたので、ボランチがボールを持ったら「とにかく俺に出せ!」って、もらったらすぐにヒデ(中田英寿)が出してた鋭いキラーパスみたいなのを蹴って。いま思えば独りよがりだったということを、この映画を見て痛感しました(笑)。



――作品ではマネージャーが重要なポジションとなっていますが、矢部さんのマネージャーとの思い出はありますか?



【矢部】これはもう自慢話になりますけど、高校時代は矢部目当てで入ってくる子がいたんですよ(笑)。相方(岡村隆史)は1学年上で、その年代にはマネージャーがいなかったんですけど、僕の同級生で2人が入って、僕が2年になったら1年下の子も2人が入って、みんな「矢部さん、矢部さん」って(笑)。相方も含めた先輩から文句言われていましたよ。「なんで、3年より2年のお前にレモンを渡すのか」とか。確かにおかしいんですけど、自分も「3年生から渡して」って言わなかったです(笑)。告白されたりもして、マネージャー同士でも僕をめぐって険悪な感じになってた時期もありました(笑)。



――矢部さんが学生の頃に比べて、女子サッカー選手も増えてきました。



【矢部】僕が現役だった頃は周りにほとんどいなかったし、「なんで女子なのにサッカーしているの?」っていう時代でしたね。今は7歳の長男がスクールに行っているんですけど、チームに女の子が4~5人いるんですよ。おもしろいのが、全員の髪型が澤穂希さんなんです(笑)。2011年になでしこJAPANがW杯で世界一になって、澤さんがバロンドールを取ったことがデカかったですよね。あれで一気に環境が変化したと思います。



■サッカー少年&少女へのアドバイスは「腐るな!」 気になる息子の評価は…?



――今回は「矢部先生」役でしたが、自分がサッカーチームを指導するなら、どんなチームにしたい?



【矢部】パス回して、人とボールを動かして、バルセロナのサッカーが面白いなと思うので理想はオフェンシブですけど、現実はディフェンス重視になると思いますね。点がいっぱい入ったほうが面白いですが、やっぱり守備あってこその攻撃ですから。日本代表もW杯で結果を残している時って超ディフェンシブなチームで、ベスト16になっているので。ただ、時代も変わってきたのでチャレンジはしたいです。長男のチームにめちゃくちゃうまい子がいるんですよ、僕らの時代では考えられないくらい。すごく小さい頃からやってるんだろうし、指導方法も進化してるんでしょうね。僕が小学校のころは学校の部活で顧問も学校の先生でしたけど、いまのクラブチームは大学までしっかり勉強している人や元Jリーガーがコーチをやってるので、全然違いますね。



――いまサッカーをやっている子どもたちにアドバイスするとしたら?



【矢部】自分が腐ってしまったので、「腐るな!」ですね(笑)。本当に腐ったら終わりなので。ホンマに歳を重ねてわかったのは、どこで一気に伸びるかわからないということ。僕は中学生のときは背が小さくて、中3まで相方とほぼ変わらない体型だったけど高校に入ったら身長も技術も全部が伸びましたし、長距離も短距離も早くなりました。成長期のタイミングは個人差があるけど、きっと指導者やコーチが見てくれていると思うので、今うまくいかないと思っても、あきらめないでほしいです。日本代表で今も中心の長友佑都選手なんて、アンダーで代表に呼ばれなかったけどプロに入って一気に伸びて、10年以上も世界のトップチームで活躍してますから。好きやったら、やり続けてほしいなと。



――サッカーをやっている長男と映画を見に行きますか?



【矢部】実は一足先に家で見させてもらったです。「なんだよ、パパの出方は」ってツッコまれましたけど(笑)、面白かったって言ってました。



――今後も声優の機会があればチャレンジしたい? 以前にラジオで役者としては「恋愛シーンNG」と話していましたが、声優ならOKに?



【矢部】もちろんです(笑)。「恋愛シーンはNG」は、ただ恥ずかしくて耐えられないのでお願いしてたのですが、今だったら言わないかな。ずっと前に篠原涼子さんとドラマで共演して、ラブシーンは「どうしたらいいかわからないので自分からは行けないけど、受け身で相手から来てくれるなら大丈夫」って言ったら、篠原さんに「アイドルか」ってイジられました(笑)。



■矢部浩之(やべ・ひろゆき)

1971年10月23日生まれ。大阪府吹田市出身。90年4月、大阪府立茨木西高サッカー部の先輩である岡村隆史を誘い、ナインティナインを結成。若手ユニット「吉本印天然素材」への参加を経て東京に進出。以降、バラエティーをはじめ、俳優として多数のドラマ、映画でも活躍する人気芸人。レギュラー番組は日本テレビ系『ぐるぐるナインティナイン』、フジテレビ系『アウト×デラックス』、ニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』、DAZN『FOOTBALL PROGRAM やべっちスタジアム』など。
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