声優・矢野正明、ポプテ出演の反響続く今 目指す“存在感ない声優”持論のデュエル

声優・矢野正明、ポプテ出演の反響続く今 目指す“存在感ない声優”持論のデュエル

 テレビ東京系列で放送中のアニメ『遊☆戯☆王SEVENS』(日曜 朝7:30~)の新キャラクター・ゴーハ兄弟のユウジーンが、7月4日の放送回で初デュエルをする。それに先駆け、ORICON NEWSではユウジーン役を務めている声優・矢野正明にインタビューを実施。海外ドラマ『刑事モース~オックスフォード事件簿~』主人公・エンデバー・モース役など、主に洋画の吹き替えをしている一方、2018年放送のアニメ『ポプテピピック』出演を機にアニメ・ゲーム関連の仕事が増え、当時は「平穏な生活に戻りたい」と語る一面も。「声優としては、自分ではなくキャラクターが輝いてくれれば満足」と語る彼に、その後の反響や人気アニメシリーズに出演している今の心境を聞いてみた。



【画像】デュエル!矢野正明が演じるキャラ



■男性声優の夢アニメ『遊☆戯☆王』シリーズ出演 現役デュエリストとして「俺のターン!」言えた喜び



――アニメ『遊☆戯☆王』シリーズは『週刊少年ジャンプ』で連載されていた漫画が原作で、『遊☆戯☆王SEVENS』で採用された新ルール・ラッシュデュエルを含め、今でもカードゲームが大人気です。矢野さんは漫画を読んだり、カードゲームをプレイしていましたか?



【矢野】 もちろんです! 地元の友人たちと初期のころからデュエルをしていました。一番プレイしていた時に使っていたカードは「ダーク・アームド・ドラゴン」で、思入れがある一枚です。ただ、そのころは今の環境のように属性や種族で統一するよりかは、強いカードを混合するようなデッキ構築でしたので、ほとんどのデュエリストの使用カードが同じ、デッキが似ていました。



それに段々と飽きてきて、攻撃力の殴り合いから、相手のカードを捨てさせたり、除外させる“デッキ破壊”を主に使うようになりました。対戦相手が「うっわ、面倒なデッキだな…」とハラハラする表情を見るのが楽しいです(笑)。今もやっていて、ラッシュデュエルは、まだ仮の段階ではありますがデッキ破壊デッキを組んでおります。『遊☆戯☆王』好きの共演者の方々とリモートデュエルもしていますね(笑)



――必死に考えたデッキで勝利する喜びと、声優として作品への出演が決まった時の喜びは似ていたりするのでしょうか?



【矢野】 まったく違います! デュエルの時は信じたカードを使って勝利するので手応えがあるのですが、今回、『遊☆戯☆王SEVENS』の出演が決まった時は、「えっ、俺でいいの? 間違いでは?」とマネージャーさんに聞き直したくらいで今でも半信半疑です(笑)。



 自分が演じるユウジーンは、八代拓さんが演じるルークとデュエルをするのですが、アフレコでキャラクターとして「俺のターン! ドロー!」「〇〇(モンスター名)、召喚!」「ダイレクトアタック!」と言った時は、最高の快感でした。今まではプレイヤーとして言ってきましたが、それが公式の立場で言えたわけですから、声優冥利、プレイヤー冥利、デュエリスト冥利に尽きます。我々の世代の男性声優なら一度は、「俺のターン!」を言いたいと思いますし、アニメ『遊☆戯☆王』シリーズへの出演は憧れる存在だと思います。



■アニメ関連の仕事増加…『ポプテピピック』出演の反響続く 自身の注目に抵抗感



――3年前、ORICON NEWSの独占インタビューでは、アニメ『ポプテピピック』出演の影響でアニメ関連の仕事が増え、ツイッターのフォロワーも急増したと話していました(※ツイッターは先日、乗っ取り被害を受け新規アカウントに)。その後、2020年放送のアニメ『波よ聞いてくれ』では初のメインキャラクターを務めるなど、今作を含め反響がいまだにあるかと思いますが、あれから生活は変化しましたか。



【矢野】 『ポプテピピック』出演前は海外ドラマや吹き替えのお仕事が多かったのですが、あの出演から多くのゲーム、アニメ作品に関わることができました。仕事量は今、あのころと変わらない感覚ですが、一番変わったのは周囲の反応です。ツイッターのフォロワーが3桁だったのが4桁になり、通知が止まらず、怖くなったので今でも通知はオフのままです(笑)。世の中から監視されている感覚になってしまうので、フォロワー10万、100万人超えている方々は、どのようなメンタルを持っているのか…すごいですよね(笑)。また、YouTubeチャンネルを作ったのですが、「(吹き替えの)ドラマ見ましたよ!」と言ってもらえたり、アニメがきっかけでほかの出演作を見てくれる方もいてうれしかったです。



 自分の名前を覚えてくれているということは、作品を見ていただけたということですから、作品の力になれたと思うとうれしいです。ですが、そこから自分に注目されるのはやっぱり恥ずかしいので、目立つことに抵抗があるのは今でも変わらないですね。小さいころからすぐ緊張して、恥ずかしがり屋、目立ちたくない子でしたので、先輩から「なんで、この仕事しているんだ?」と常に言われております(笑)。



――目立ちたくない矢野さんですが、『遊☆戯☆王SEVENS』に出演した今、関連番組出演やイベントに呼ばれる機会があるかと思います。人気作出演は目立つことになり、自身にとってつらい部分ではないでしょうか。



【矢野】 えっ、番組出演するんですか?(スタッフをチラリ) 番組出演で自分を通じて作品を見ていただけるのであれば、それは喜んでやります! 自分の出演がきっかけで、ラッシュデュエルを始める子どもがいて将来、どこかでデュエルすることになれば、これほどうれしいことはないです。



 どの声優さんたちも同じだと思うのですが、「作品の役に立てるなら」という思いで番組出演していると思うので、自分も作品の役に立てるならということで今回のインタビューを受けさせていただきました。番組出演がこれから先あった場合、始まる前は心と顔が死んでいると思いますが、作品が盛り上がるのであれば自由にこの私を料理してください!(笑)。



■声優人気との葛藤 作品に“自身の名前”不要な持論「存在感を消す」日々



――エンドロールでご自身の名前が流れると思いますが、それまでに「あっ、矢野正明さんの声だ!」と気づかれるのが嫌だと以前お話しておりました。その持論は変わらないですか?



【矢野】 いまだに変わらないです。アニメを見ていると「あ、あの声優さんだ。この役もやっているのか」と思う方がいると思いますが、個人的にはそれが悔しい。声優さんの名前を知らない小さいころは、ストレートにアニメの作品の世界に入れたと思いますが、有名になると「あの声優さんだ!」と(視聴者を)素に戻らせて、「作品を100%の気持ちで楽しんでもらえなくなる」と言う考えがあり、それが作品や視聴者の方に申し訳なく感じるのです。



 声優として注目を浴び、本編中に気づかれるということは、作品の非現実的な世界観から現実に戻らせたことになるので、自分としては悔しい部分になります。なので、視聴者の方が作品にのめり込んで見終わったあとに、エンドロールで「あっ、あの作品に出ていた人だ」と後から気づかれたいのが理想です。作品を100%楽しんでもらうには、自分の存在はいらないと個人的には考えているので、その存在感を消すために日々、技術を磨いています。ですが、好きな声優さん目的で作品を見るのもそれぞれの楽しみ方だと思いますので、否定ではなく、あくまで自分の理想像として「気づかれない声優」を目指しています。関わった作品やキャラクターが輝いてくれれば自分としては満足です。



■作品概要

 アニメ『遊☆戯☆王』シリーズは、1996年より『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートした同名漫画が原作で、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』が2000年より放送がスタート。その後、タイトルを変えながらシリーズ化され、アニメとしては7作目の20周年記念作品が現在放送されている。



 アニメ『遊☆戯☆王SEVENS』は、ゴーハ第7小学校に通う主人公・王道遊我が、ある日、隣のクラスのルークから「デュエルの王」の噂を聞く。「僕の考えたロード、“ラッシュデュエル”ならできる!」と、遊我とルーク2人の少年が、新たなデュエルでキュークツな世界を変える物語。
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