サウジ初の長編アニメーション映画が公開 “アラブエンタメ”の本気度とは?

サウジ初の長編アニメーション映画が公開 “アラブエンタメ”の本気度とは?

 サウジアラビアに拠点を置くマンガプロダクションと東映アニメーションが、2017年にアニメコンテンツ共同制作の協定を交わし、制作されたアニメ映画『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』が公開中だ。アラブ地域のエンタメコンテンツといっても日本では馴染みも浅いが、そのクオリティーからは本気度が滲み出ている。懐疑的な目を向けているアニメファンも、どうやら“食わず嫌い”をしている暇は無さそうだ。



【写真】迫力ある作画技術も光る『ジャーニー』のアクションシーン



 同作は太古のアラビア半島を舞台に、主人公・アウスら“メッカの民”が侵略者・アブラハに立ち向かい、自分と仲間たちを信じる力で未来を切り開いていく姿を、ヒューマンドラマとアクションにあふれたエンタテインメント作品として描いている。同作を手がけたのが、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が設立したミスク財団の子会社であるマンガプロダクション。



 アニメーションやゲーム、コミックの制作を通じて、クリエイティブでポジティブなコンテンツを、アラブ地域はもちろん、全世界に届けることを目指し、日本及び世界中の企業や団体とパートナーシップを結び、インターンシップを定期的に開催。日本のマンガやアニメコンテンツに深い愛情と尊敬の念を抱いており、日本が誇る技術力をいち早く吸収、さらにそこから自国の土壌や歴史的背景などを取り込んだオリジナル作品にも注力している。



 代表取締役ブカーリ・イサム氏は「アラブ世界に存在する様々な課題に応える為に生まれた会社とも言えます。現地(アラブ社会)の人々はもちろんのこと世界中の視聴者を魅了するようなコンテンツが不足していることや、世界的なコンテンツ制作会社と競い合える質の高い作品が無いことなどが課題です。だから世界的に有名な東映アニメーションと手を組み、アニメ制作の全行程をサウジアラビアの若者が研修できる連携を図りました」と語っている。



 2017年にはサウジアラビア初のアニメーションとなる『きこりと宝物』を制作し、6つの言語で吹き替え版が放送。また、2020年放送のテレビシリーズ『アサティール 未来の昔ばなし』は、世界中で1億回の視聴回数を達成した。そして、満を持して制作された『ジャーニー』は総勢300名のスタッフが2年半かけて制作。同国初の劇場版アニメーションとして東映アニメーションとの合作となる。



 アニメーションのクオリティはもちろん、日本版の吹き替え陣も豪華声優が勢ぞろい。古谷徹、神谷浩史、中村悠一、中井和哉など、“レジェンド”でありながら現在も第一線で活躍する強力な布陣で同作をサポートしている。



 アニメ映画『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』は、東京・新宿バルト9、大阪・梅田ブルク7にて現在公開中。
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