片渕須直監督、イラストレーターのアニメーション映画絶賛 動かないことで「時の流れの不思議さにじみ出る」

片渕須直監督、イラストレーターのアニメーション映画絶賛 動かないことで「時の流れの不思議さにじみ出る」

 アニメーション映画監督の片渕須直監督が3日、都内で行われた映画『ジュゼップ 戦場の画家』(13日公開)公開記念トークイベントに参加した。



【写真】映画評論家の森直人氏とともに登壇した片渕須直監督



 本作は、ペンを握りしめて激動の時代を生き抜いた奮闘の画家ジュゼップ・バルトリの驚くべき人生を描いたアニメーション映画となっている。憲兵とジュゼップの交流を、憲兵が孫に語るという視点から話は進む。



 リモートでオーレル監督と対談したという片渕監督は「(アニメーターではなく)どちらかと言うと新聞に載る政治漫画を書く人」と、本業はイラストレーターだと明かした。「『動かすことは専門ではない』ということは言ってらっしゃった。この映画はオーレル監督が自分で描きたくなって描いたとおっしゃっていた。だから動いてないんだけど」と笑わせる。



 ただ、「動いてないことが、この映画の場合は弱点になっていない」とも。憲兵と、その孫の2つの時代を描き「孫の時代はアニメーターにたちに委ねて動かした。だけど過去の方は、できるだけ自分で描いた。孫息子に聴かせる回想だけど、ひょっとしたら、もう少しで消え失せてしまうかもしれない記憶を呼び寄せている感じがある」と評する。



 「時間があいまいになっている感じ。記憶の世界はあるけど、それを呼び戻そうとすると、どうしても途切れ途切れになる。それが、そのまま画面にあらわれている感じ」と解説。「日本のアニメで画が動いてないと『手を抜いてる』と思われるかもしれないけど、全然そういうふうには思わない。時の流れの不思議さみたいなものが、動かない中からにじみ出てくるような気がする」と独自の手法にうなっていた。
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