二階堂ふみ、“逆張りキャリア”で最強女優に王手 真の演技力試されるラブコメ出演の価値

二階堂ふみ、“逆張りキャリア”で最強女優に王手 真の演技力試されるラブコメ出演の価値

 現在放送中のラブコメドラマ『プロミス・シンデレラ』(TBS系)で主演・桂木早梅を演じている二階堂ふみ。キャスティング発表時には原作ファンから一部疑問の声が湧いていたが、放送後は「本気で早梅に見えてきた」「ハマり役すぎる」などと絶賛の嵐だ。これまで、『ヒミズ』『脳男』『翔んで埼玉』などでぶっ飛んだ演技を見せてきた二階堂のラブコメ主演に驚く声も挙がったが、最近では佐藤健『恋はつづくよどこまでも』や綾野剛『恋はDeepに』、鈴木亮平『レンアイ漫画家』など、若手俳優のみならず、キャリアを重ねた実力派俳優たちがラブコメに回帰する“逆張り”がトレンドになりつつある。その理由とは。



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■原作ファンも納得の二階堂の演技力、最早ラブコメは「若手女優の登竜門」ではない



 『プロミス・シンデレラ』は、平穏な暮らしを送っていた主婦の早梅が、突如夫に離婚を切り出されことからスタートする。無一文、無職、宿無しになった人生崖っぷちのアラサーバツイチ女子となった早梅は、金持ちでイケメンだが性格のすこぶる悪い男子高校生・壱成(眞栄田郷敦)に目をつけられ、金と人生を賭けた“リアル人生ゲーム”をさせられることに…。そのうち、早梅の初恋の相手で壱成の兄でもある成吾(岩田剛典)と、三角関係が繰り広げられていくという物語。



 原作は、小学館の漫画アプリ『マンガワン』に連載中の人気コミック。原作ものは原作ファンから「イメージ違う」「世界観が違う」などと批判されがちだ。漫画好きの二階堂ふみ自身も『プロミス・シンデレラ』の原作ファンで、今回原作通りショートカットにするなど、役作りは相当気合が入っていたよう。その結果、放送後のSNSは「二階堂ふみちゃんの早梅がそのまんますぎて」「朝ドラとは雰囲気が違い過ぎて流石」「原作好きだからドラマどうなのかな〜と思ってたけど、なかなか良い!」「二階堂ふみ絶対違う!!と思ってたけどめちゃくちゃ早梅で女優ってすごい」など賞賛の嵐となった。



 二階堂は、2011年映画初主演『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』で早々に注目を浴び、2012年に出演した『ヒミズ』『悪の教典』で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。その後も、眉毛なしの連続爆弾魔を演じた『脳男』、浅野忠信演じる父と娘の愛を描いた『私の男』、初めての男性役に挑んだ『跳んで埼玉』、小栗旬との大胆なラブシーンも話題となった『人間失格 太宰治と3人の女たち』などで、同世代の俳優とは一線を画した演技力を見せてきた。



 女優として唯一無二の地位を確立すると、2016年~2018年『ぐるナイ』ゴチメンバー、2018年『西郷どん』で西郷の妻役として大河出演、2019年連ドラ初主演、2020年『エール』で朝ドラヒロインとお茶の間人気も年々広げ、紅白司会まで務めた。そして、今回のラブコメドラマ主演である。2016年にも一度『オオカミ少女と黒王子』で山崎賢人とW主演を務めたが、それ以来。これまでのラブコメドラマといえば、現在放送中の『彼女はキレイだった』の主演が小芝風花のように、若手女優がメインを張るパターンが多かった。それゆえに、ここにきて二階堂ふみがラブコメドラマ主演を演じるのは意外にも思われた。



 しかし、若手女優の登竜門的コンテンツのイメージだが、漫画原作が多く、非現実的な場面や下手すると大げさに聞こえるセリフだらけのラブコメは、高い演技力が求められる題材。原作の世界観を壊さずにテンポよく自然に演じるには、本来は二階堂ふみ級の女優が適材ともいえる。



■「スクリーン俳優」消えた? 『逃げ恥』以来、相次ぐ大物俳優陣のラブコメ回帰



 実際、今回の『プロミス・シンデレラ』では、「二階堂ふみこんな可愛かったっけ」といった声も多く見られる。確かにこれまでの役柄は、容姿端麗でありながらその美しさを感じさせない猟奇的な演技も目立っていた。改めてラブコメヒロインとして、持ち前の可愛らしさを発揮できるのも演技力のうちだろう。



 これまで二階堂が演じてきた役柄に比べれば、今回の早梅は“普通の女の子”。「普通」を演じるのが一番難しいと言われる中、第2話の風邪をひくシーンでは、「二階堂ふみ体調悪い演技上手すぎない?」「本当に心配になる」「演技が上手すぎてこっちまで体調悪い気がしてきちゃった」などの声が。第3話で旦那から不倫の理由を聞いて号泣するシーンでは、「二階堂ふみちゃんが泣きだしたところでグッときて一緒になって泣いてしまった」「笑いながら泣くところ演技うますぎて泣いてしまった」などと、演技力を称賛する声が毎話挙がるのだ。



 ドラマ全体に対しても、「ラブコメ苦手だけどプロミスシンデレラおもろいな」「二階堂ふみさんが素敵過ぎてのめり込んでしまった」「普段はあまり観るタイプのドラマでは無いのだけれど、二階堂ふみさんの存在感の高さに惹かれ、最後まで観てしまった」「おっさんの俺でも楽しめてる」といった声が多い。視聴率だけ見れば好調とは言えないが、二階堂の演技力あって、見た人の評価はおおむね良好だ。



 前クールでは、綾野剛が『恋はDeepに』、鈴木亮平も『レンアイ漫画家』でラブコメに挑戦。この流れには、『逃げるは恥だが役に立つ』や『恋はつづくよどこまでも』の大ヒットがあるだろう。それまですでに様々な作品に出演し、人気俳優としての地位を確立していた星野源&新垣結衣、佐藤健は、誰もが楽しめるラブコメヒットで全世代からの支持を広げ、絶対的人気を固めた。



 昭和期は「スクリーン俳優」という言葉が価値を持っていたように、「ドラマは出ない」主義の人気俳優も多かったが、ドラマも映画もVODコンテンツもすべてスマホ1つで観る人が多くなった今、その垣根は年々低くなっているように思われる。いまやコンテンツの土俵へのこだわりを捨て、マスもコアも支持される俳優でなければ生き残っていけない時代なのかもしれない。



 二階堂と親交の深い菅田将暉も「スクリーン俳優」として頭角を現したが、KDDI「au三太郎CMシリーズ」の鬼ちゃん役でお茶の間人気を広げ、最近では『糸』や『花束みたいな恋をした』といった純愛映画、音楽活動、ラジオやバラエティで全方位型俳優になりつつある。それでも女優陣で言えば、青春映画やラブコメで清純な女の子を可愛く演じ、風変りな役や猟奇的な演技でそのイメージを脱却し、コメディやお色気役でさらなる飛躍を遂げるのが王道パターン。その“王道”を歩まずに名を挙げた二階堂が、芸歴15年目にしてラブコメ主演を張る“逆張りキャリア”でさらなる飛躍を遂げるか、ドラマの盛り上がりとともに見届けたい。
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