【青天を衝け】“怒”の吉沢亮に引き込まれた第24回 泥臭く、熱い男を表現する見事な演技力

【青天を衝け】“怒”の吉沢亮に引き込まれた第24回 泥臭く、熱い男を表現する見事な演技力

 7月18日から、東京2020オリンピックでの休止を経て、4週間ぶりに放送された大河ドラマ『青天を衝け』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。この日の放送を待ち望んでいたファンたちは、吉沢亮(渋沢栄一/篤太夫)の圧巻の演技に、引き込まれた人も多いのではないだろうか(以下、物語の内容に触れます)。



【場面写真】千代から届いた手紙をじっくりと読む



 15日放送の第24回「パリの御一新」。篤太夫や昭武(板垣李光人)らがパリで新年を祝う中、幕府から書状が届く。“慶喜(草なぎ剛)が政を朝廷に返上した”との文面に一同大混乱をするが、篤太夫は昭武の留学費用を捻出すべくさらなる節約策を講じる。



 そんな中、篤太夫はエラールに連れられ、証券取引所を案内される。債券の仕組みを教わり、一人ひとりの小さな力が合わさり、この世を変えられることを知り、新たな決意を抱く。その時、日本では、成一郎(高良健吾)、惇忠(田辺誠一)、平九郎(岡田健史)が、新政府軍と戦っていた…という内容だった。



 昭武は受け取った慶喜の手紙に対し「まったくもって解せませぬ」といい「朝敵の汚名をきせられ追討軍に追われても勇敢な家臣と戦わず、かようなありさまで神祖300年のご偉業を自ら捨てられ、東照大権現さまになんと申し開きをなされるおつもりか!」と信頼を置く慶喜に対し“怒”の感情をあらわにした。さらに、成一郎(高良健吾)からの手紙には涙を流し、言葉には言い表すことのできない感情を表現していた。



 そしてなにより圧巻だったのは、幕府が各国に派遣していた留学生を招き入れ、待遇に不満を述べる留学生たちに対する篤太夫の感情が爆発したシーンだろう。



 「一体お主らはいまのお国元をなんと思っておられるのか? 俺は喜望峰回りの帆船で帰らされようとするお主らが、みじめな目にあわねぇように図ってやった。これはただかわいそうだと思ってしたことじゃねえ。国のためだ。学生をよこしておきながら国の騒動で帰る始末もつけられず、荷物同様で送り返したとあっては、国の名誉に関わると思えばこそのこと」と日本のことを案じるせりふが印象的だった。



 続けて「こっちとてこの先、公儀から金が送られてくるかどうかもわからず、いまある金をでぇじに使っている中、民部公子(昭武)の金をどうにか削って計らってやってるんだ。その苦労も意味も察することができねえとは! ただ知識を多く得れば偉いとでも思ってんのか? 公儀はこんな思慮の足りねえ性根の腐ったものを育てるためにわざわざ苦しい懐から学生を送ってきたのか? だとしたら俺はこうぎのために嘆く。大いに嘆くぞ。ここで嫌ならすぐさまでていけ! お国が戦というこの一大事によしんばどんな柔らけえ床でネタとしても臥薪嘗胆の心があってしかるべきじゃねえか!」と長せりふの上、さまざまな思いをくみ取って、感情をあわらにする篤太夫に胸を打たれた人もいるのではないだろうか。



 “国宝級ランキング”では1位に輝き、その“美”が注目されることが多いであろう吉沢。だが、本作で見せる姿は、決して美だけでなく、ときには慶喜を全力疾走で追いかける泥臭さ、今回のように怒を全面に出すなど、喜怒哀楽をうまく表現する“演技力”こそに魅了される場面が多々ある。



 第25回では、篤太夫は帰国し、いよいよ明治の時代に突入していく。振り幅の広い演技力を見せてくれている吉沢が、明治の栄一をどのように演じてくれるのか、今から楽しみでならない。
カテゴリ