板垣李光人、10代最後の夏に向き合った“ヤングケアラー”役「寄り添うことを大事に」

板垣李光人、10代最後の夏に向き合った“ヤングケアラー”役「寄り添うことを大事に」

 俳優の板垣李光人(19)が、日本テレビ系『24時間テレビ44 想い~世界は、きっと変わる。』内ドラマスペシャル『生徒が人生をやり直せる学校』(21日、後9:00頃~)に出演する。主人公となる新任教師・樹山蒼一(平野紫耀/King & Prince)の教え子で、ヤングケアラー・乃木翔を演じている。「先進的なようにみせる令和で、進歩していない問題を抱える、世の中の子どもたちの存在に気付かされました」と語る板垣は、この難しい役柄とどう向き合ったのか。



【別カット】“ヤングケアラー”役に向き合った板垣李光人



 黒川祥子氏によるルポルタージュ『県立!再チャレンジ高校 生徒が人生をやり直せる学校』(講談社 現代新書刊)を実写化。“底辺校”と呼ばれる県立高校を舞台に、現代の格差社会で生徒たちが抱えるさまざまな問題に寄り添い、奮闘する教師たちの戦いを、蒼一の葛藤や成長とともに描く。



 学校では無気力だが、昼夜働く母の代わりに3人の弟妹たちの世話で疲れ果てている翔のほかにも、高校のカリスマ生徒に見えるが、実は母親の暴力に苦しんでいるもの、親のネグレクトにより家に居づらく深夜徘徊を繰り返すもの、時間的経済的余裕がなく夢を諦めざるをえないもの…さまざまな問題を抱えた生徒が登場する。



 板垣は、台本を読んで、“ヤングケアラー”という言葉を初めて知ったそうで「僕は一人っ子だったので4人兄弟で、弟、妹がいるというところも自分とは違うところ。下の子たちの面倒を見る大変さも僕はわかっていなかった。母親は、働きに出ていて、自分が宿題の面倒をみたり、ご飯を作ったり、洗濯をしたり、家事をしなくてはいけないし、学校にも行かないといけない。いろいろなことに対するストレスだったり、弟たちのことはすきだけど、どうしてもときには強く当たってしまったり、ある種の葛藤だったり、学校でのシーンの気だるそうにしている時のギャップは、ドラマとしてエンターテインメントとして伝えるために、メリハリをつけました。そして、しっかりと彼に寄り添うことを大事に演じました」と役をまっとうした。



 見せ場となるのが、樹山との1対1でのシーン。そこでは翔がいろいろな感情の揺れ動きから涙をみせることになる。「樹山からのやさしさだったり、自分に対しての情けなさ、目の前にある食べ物のありがたさ。すごくいろいろな感情がでてくるシーンだったので、いろいろな意味でそこは印象的だし、翔の登場するシーンのなかでもすごく、観ている方の印象にも残るのでは」と胸を張る。



 「樹山先生みたいな先生がいたら楽しいし、器用なわけではないけど、ひたすら生徒や学校のことをアツく考えてくれる先生はステキ。いろいろな学校に、樹山みたいな先生がいたらいいのに」と憧れも口にする。そんな樹山役の平野については「平野さんご本人の明るさだったりから来ていると思うんですけど、コメディーチックなシーンがより引き立って、平野さんが樹山だったからこそ、重さと軽さのバランスが、ちょうどいいものになっているのではと思います。個人的には一緒に芝居させていただいて、平野さんと樹山が通じているような気がしました」と納得した。



 撮影の裏側では、「平野さん演じる樹山は騒がしい生徒に対して声を張っている。そういうシーンを何度もやっていると、のどに負担がかかるみたい。平野さんが休憩中にマシュマロを食べていて、『マシュマロ好きなんですか?』と聞いたら、のどにいいらしいからって。マシュマロをくださいました(笑)」とほほえましい交流も明かした。



 そのほかにも「人見知りで、いつも、クランクアップする一週間前にやっと、打ち解ける感じなんですけど、今回は撮影の初日からすごく仲良くなって。本当に同級生のような感じで過ごしました。特に仲良しなのは水沢林太郎くんです。初共演なのですが、初共演と思えないくらいの距離の縮まり方でした(笑)。彼も服がすきなので、ファッションの話や、あとは基本的に猛暑の撮影だったのに基本的によく一緒にいました」と現場は和やかだったようだ。



 今年は10代最後の夏――タイトルにちなみ“やり直したいこと”を聞くと、「ないです」と完全燃焼をしていることをうかがわせるコメント。「『24時間テレビ』というもの自体、なじみがあり、毎年観ていたもの。役者としてドラマに関わらせていただけるのは光栄なことです。今年の上半期は、10代のうちにやりたいことは、やり尽くしたといってもいいくらいだった上に、そして、ここでまた一つ、『24時間テレビ』のドラマで、こういった同世代のことをテーマにした作品に出させていただけたことがうれしいです」と笑顔をみせた。



 その上で「今の時代にいろいろな家庭の問題を抱えていたり、自分一人では生きていく力の弱い子どもたちを扱った作品ではありますが、そこまで重々しいわけではないので、平野さん演じる樹山だったりの一周まわって面白い熱さを感じながら、構えずに観ていただきいです。観終わった後、こういう現状があるんだという気づきを得てもらうだけでも意義はある。楽しみつつ、いろいろ感じながら観ていただければと思います」と呼びかけた。
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