【詐欺メイク】“年相応であるべき”世間の風潮に「周囲の目って何? 自分が楽しいメイクをしてほしい」43歳YouTuberの想い

【詐欺メイク】“年相応であるべき”世間の風潮に「周囲の目って何? 自分が楽しいメイクをしてほしい」43歳YouTuberの想い

 「寝坊おばさんの超お急ぎメイク」「疲れた40代がメイクで激変」と衝撃的なビフォーアフターのビジュアルでメイク動画を発信しているSACHIさん(@sachi.47.song)。投稿を始めたのは2021年1月からと最近だが、チャンネル登録者数は10万人を超えている。「私のなかで、ファッションやメイクにNGはない。マナーはありますけど、自分がハッピーになれることが大切」と話す彼女に「年相応であるべき」という世間の風潮に対して思うことを聞いた。



【写真】疲れた40代の素顔が激変、SACHIさんの”整形メイク”ビフォーアフター



■「自分のコンプレックスと向き合っている日常を伝えたかった」



――広島で歌手・タレントとして活動していたSACHI沙智さん。YouTubeに動画を投稿しようと思ったきっかけはどのようなところにあったのでしょうか?



「昨年まで芸能プロダクションに所属していましたが、退所することになり、フリーのタレントになりました。独立したことをきっかけに、自分で発信してみようと思い立った感じですね。大きなきっかけは、コロナがあったことです。収入の主軸だったイベントでのパフォーマンスや、MCの仕事がパタリと入ってこなくなってしまった。テレビに出ている売れっ子以外は、皆さん困ったと思います。そんななか事務所を退所して、どうやって活動していこうかという時に、自分が表現してみたいことを思いっきりやってみたいと思ったんです」



――いざ動画を投稿してみていかがでしたか?



「YouTubeを始める前までは、自分をちょっとでもよく見せようという気持ちが強かったように思います。素の自分はもっとおもしろい人間であるはずなのに、かっこつけていたんですね。でも1人で発信するとなったときには、自分のおもしろさが伝わるほうがいい。自分のコンプレックスと向き合っている日常や、毎日のメイクでこんなふうに工夫して気分を上げているんだよということを伝えられたらめちゃくちゃ面白いんじゃないかなって思いました」



――すっぴんからメイク後のビフォーアフターを撮影したメイク動画には、たくさんの反響が。手ごたえはどうでしたか?



「自分のなかで圧倒的に面白いと思っていたのがメイク動画でした。メイク動画をきっかけに登録者数も伸びましたし、『やりたいようにメイクしていいんだと、SACHIさんのメイクを見て気づけた』という感想もいただいてすごく嬉しかった。私が発信するメイクは、海外の女性たちを参考にしている派手なメイク。年相応のメイクではありません(笑)。でも、大切なのは自分の気持ちをメイクでいかに上げられるかですから」



■なぜ年齢で区切られなければならない? 「浮かないこと」が重要視される風潮



――確かに「年相応のメイクをしなければならない」という風潮をよく感じる場面があって、30代なのにカラコンを付けるのはどうか、キラキラのラメメイクはママ友の前ではNG…といった表現を雑誌やテレビで見かけることがあります。



「ありますよね。30代からはNGなメイク…とか、40代でこのメイクをしていたらイタいですとか。でもそれって、みんな顔も違うし、肌のコンディションも違うのに、なぜ年齢だけでそんなことが言い切れるんだろうとすごく思っていて。ましてや今、男性でもメイクするのがおしゃれで当たり前の時代です。なぜ区切られなきゃいけないのか。



確かにTPOをわきまえることはとても大事ですよね。マナーとして違反することがないようにすることは大切。ですがプライベートの部分まで、それを意識しなきゃいけないのはナンセンスすぎる。周囲の目って何だろう?と、私には理解ができませんでした」



――メイクもファッションも無難に…というのは、日本特有の風潮であるのかもしれませんね。



「浮かないようにすることが、コンセプトになっている。この年齢だからこの派手髪はやめようとか、ファッションやメイクで“諦める経験”ってありますよね。私も黒目が大きく見えるカラコンはそろそろやめないといけないとか、つけまつ毛をせずにナチュラルメイクをしてみようとか、工夫していた時期はありました。でも自分の顔が大嫌いになっちゃったんですよね。私は誰のためにメイクをしているのかなって。そこから、もうなんと言われてもいいから自分の好きにやってみようという気持ちになりました」



――自分の気分を上げるためのメイク?



「そうです。若い時は『コンプレックスを隠したい』がメイクの始まりでした。今となっては、いかにテンションをあげられるか。このキラキラのラメをつけると気分があがるとか、この下地を付けるとお肌がプルプルになってメイクのノリが良くなるからテンション上がるとか。自分のためにするメイクに変わってきていますね」



■ポジティブに発信する原点「動画ではじけられるのは、子どもたちのおかげです」



――「自分のやりたいことをやっちゃえ!」とポジティブな発信が多いSACHIさん。逆にネガティブになることはありますか?



「ネガティブな気持ちとはずっと向き合ってきました。『私なんて…こんな顔はもう嫌だ…』と。なにせ毎日あのすっぴんを見ていますからね(笑)。7年前に主人が亡くなって、ひどいうつ病になったんです。子どもたちがいるのに、布団から起き上がれない期間が1年ほど続いて。元気か元気じゃないかも分からないくらい、頭が働かなかった。両親や地域の保健師さんの支えがあって、なんとか子どもたちを生かすことができていた。そこで、ずっとめそめそして子どもにつらい思いをさせながら生きていってもいいのかと思ったんですよね」



――そんなご経験があったとは…。



「また頑張ろうと思った矢先、今度は私が病気をしまして。5年前、片方の肺に悪性の腫瘍が見つかり、肺を一部切除する手術を受けました。卵巣にも病気が見つかり、いつ再発するか分からない恐怖と今も戦っています。自分が命にかかわる病気になったことで、生きること、死ぬことを今一度考えました。どうせならやりたいことをやり切りたいと。人の目を気にしながら残念がっている時間が私にはなかったんです(笑)」



――お子さんたちからは、動画投稿についてどのような反応が?



「すごい楽しんでくれていますね。うつ病で沈み込んで、寝たきり老人みたいな私を見ていたから。今どれだけ私が回復したのかが分かって、子どもたちが一番うれしいんじゃないかと思う瞬間がありますね。いま『イェーイ!』と元気に動画ではじけられるのは、子どもたちのおかげです」



――年相応であるべきという価値観について、あらためてどう思いますか?



「私のなかで、ファッションやメイクにNGはないと思っています。マナーはありますよね、お葬式に真っピンクのメイクで、キラキラのラメをつけて泣いていたら、なんて失礼なやつだって思われてもしょうがありません。マナーはあるけれど、自分がハッピーになるのが一番大切です。自分にとってプラスなものは取り入れて、みんなが楽しいと思うメイクをしてほしいです」



――今後はどのような活動をしていきたいですか?



「今、実は映画を作っています。私のYouTubeチャンネル『SACHI沙智ちゃんねる』の劇場版です。スポンサーを探したり、脚本もだいぶ固まってきていて、撮影が12月から始まるので今はその準備をしています。YouTuberとしては、ずっと楽しんでもらえるコンテンツづくりを考えていきたいです。色々な楽しいメイクをみなさんにお届けできたらって思っています」
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