工藤阿須加、俳優業と農業の“二刀流” リアリティ番組でも本領発揮

工藤阿須加、俳優業と農業の“二刀流” リアリティ番組でも本領発揮

 インタビューのために用意されたテーブルには、目移りするほどおいしそうなスイーツが置いてあった。「お好きな…」と言いかけると、「モンブランです」と即答した俳優の工藤阿須加。「でも、目の前にあるのは土台がタルトなので、厳密に言うとモンブランとは呼べない。モンブランの土台はメレンゲじゃないと」と、さっそくスイーツに関する豆知識を披露してくれた。



【動画】『ベイクオフ・ジャパン』特別映像



 先月22日よりPrime Videoで独占配信が始まった、Amazon Originalクッキング・リアリティ番組『ベイクオフ・ジャパン』で、女優の坂井真紀とともに番組ホストを務める工藤。スイーツにも詳しいとは、うってつけのキャスティング。「おみそれしました」と伝えると、「モンブランが好きなだけです」と謙遜した。



 イギリスで社会現象を巻き起こした人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』の日本版となる『ベイクオフ・ジャパン』は、総勢10人のアマチュアベイカーたちが、限られた時間内でお菓子やパン作りの課題に挑み、「スターベイカー」(優勝)の座をかけて腕を競い合う。番組審査員は「Toshi Yoroizuka」のオーナーを務める鎧塚俊彦氏、日仏ベーカリーグループのオーナーでパン職人の石川芳美氏が務める。



 工藤は、坂井とともにベイカーたちのそばに寄り添って、緊張感を和ませたり、優しく声をかけて励ましたりしながら、番組を進行。収録では、「『ZIP!』の経験が生きました。生放送で瞬発的に対応する力が鍛えられた」と、日本テレビ系朝の情報番組『ZIP!』で2年半(2018年10月~21年3月)にわたって水曜メインパーソナリティーを務めた経験に感謝した。



 「番組の主役となるのは、アマチュアベイカーのみなさん。この番組にかける思いや人となりがしっかり伝わるように、その手助けができるように、会話のキャッチボールを大事にしようと心がけていました」と、一般人の参加者の引き立て役に徹した。自分の役割を理解して状況に応じた力を発揮する、それは大きな強みだ。



 毎エピソード3つの課題に挑み、一人ずつベイカーがテントを去るサバイバル方式で優勝者を決める本作。「腕に覚えがある人たちが集まっているので、負けたくないという意識を持ちながらも互いに励まし合い、ライバルが失敗した時も『やった!』という雰囲気にはならず、助け合う。勝ち負けを超えた絆が生まれていく感動と驚きに満ちた番組になっていると思います」と、見どころを挙げる。



 「いずれ自分が作った野菜を『ベイクオフ・ジャパン』で使ってもらえたらいいな、と思いました」と、工藤。2021年から本格的に農業に取り組み始めたことでも話題を呼んでいる。



■農業という選択肢は常にあった「動き出して、良かった」



 工藤は、小学5年から始めたテニスでプロ選手を目指せるほどの実力者であったことも知られるが、一方で、学芸会をきっかけにずっと俳優にも興味を持っていた。肩を痛めてプロテニス選手になる夢は断念し、高校3年の時に読んだ、無農薬リンゴの栽培に成功した木村秋則氏のノンフィクション『奇跡のリンゴ』に感銘を受け、東京農業大学に進学。農業について学びながら、最終的に俳優になる道を選んで、現在に至る。



 2012年にドラマでデビューを果たすと、翌年の大河ドラマ『八重の桜』に出演。朝ドラ(連続テレビ小説『あさが来た』『なつぞら』)やドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』、『家売るオンナ』シリーズなど、出演作が途切れることなく続く活躍を見せつつ、農業への関心も持ち続けていたという。



 転機は、2020年。コロナ禍で思うように仕事ができなくなった時だった。「自分のことを見つめ直し、将来について考える時間ができたのは大きかったです。自分が大事にしたいものは何か、やりたいことは何か、すべきことは何か。大きなところでは次の世代に、自然環境を残したい。自分が豊かな自然環境の中で遊びを通して培われた力は大きいと、大人になって気づかされる。幼い頃に体が弱かった僕が、食を通して強くなったという経験ともつながっていて、農業という選択肢は常にありました」。



 周囲を説得し、協力を得て、21年春より山梨県北杜市にある井上農場の井上能孝さんのもとで有機農業について学んでいる。「時間ができたら、落ち着いたら…、そんなことを言っていたら、何も手に入らないないし、何も達成できないと思いました。リスクを負わないことが、後々リスクになるんじゃないかなと思って。今は、あの時動き出して、良かったと思っています」。



 『ベイクオフ・ジャパン』の取材が終わって、「今から山梨へ行きます。ちぢみほうれん草を収穫して、袋詰めして出荷なんです」と言っていた工藤。「楽しいですし、楽しいだけじゃない。大変なことは大変です。大変だけど、自然の力を実感して、自然に生かされているというパワーをもらえるんです」。



 芸能活動と農業の“二刀流”へのチャレンジは始まったばかり。Amazon Originalクッキング・リアリティ番組『ベイクオフ・ジャパン』はPrime Videoにて全8話独占配信中。
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