北野日奈子、乃木坂卒業後初の舞台で“躍進”を約束 アイドルとして完全燃焼した今「終止符を打てたことに驚きも」

北野日奈子、乃木坂卒業後初の舞台で“躍進”を約束 アイドルとして完全燃焼した今「終止符を打てたことに驚きも」

 4月30日に乃木坂46を卒業した北野日奈子(25)が、舞台『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』にヒロイン・小夏役として出演する。演出家・つかこうへい“最後の追悼公演”『十三回忌追悼公演 つかこうへいLonely 13 Blues』と銘打ち、同作と合わせて『初級革命講座 飛龍伝』も連続上演。グループ卒業後初の舞台出演にして、大きなステージに立つ彼女に、意気込みや、ソロになったいまの心境やファンへの想い、今後の展望を聞いた。



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■名作舞台のヒロイン抜擢に葛藤も…「挑戦した後の自分の姿を見てみたい」



本作への出演オファーを聞いた際のことを、「自信がなかったのでびっくりしました。やらせていただけることはありがたいし、やるべきことだとは思いましたが、やりますとすぐ手を挙げられなかった」と回顧。悩みながらも決断したのは、あるスタッフからの言葉がきっかけになった。



「乃木坂を卒業してその看板が外れたいま、『自分は何をやりたいのか』や『なりたい自分』など、目標が見えず迷っていたんです。そんなとき、スタッフさんから『この舞台を踏んだら、終わった後に北野の気持ちは変わっていると思う。“新しい自分”を見つけるためにも経験した方が良い』と背中を押してくださいました。私自身、挑戦した後の自分の姿を見てみたいと思って挑戦することを決めました」。



 北野が演じる小夏は、過去に多くの俳優が演じてきた。映画と朗読劇を見た北野は、「松坂慶子さんの小夏さんと、井上小百合さんの朗読劇の小夏さん。どちらも同じく小夏さんなのに、大きな違いを感じた」と口にする。



 「井上さんはグループいたときから芯が通っていて、輝くアイドルでした。そういう井上さんの人間性がありつつ、芯のある小夏を演じている姿を見て、『これが俳優さんなんだなぁ』と勉強になりました。映画の小夏さんは、心の底から愛にあふれた方だなと感じました。そんな2人を見て、さて私はどうしようかな、と。(『蒲田行進曲』を知る)みなさんの中のイメージの小夏もありますし、もっともっと小夏には近づいていかないとダメだと思う」と試行錯誤。特に苦労したのが“一途な想い”の表現という。



 「小夏は銀ちゃんのことを一途に想っている女性。そういう一途な気持は私にはまだわからなくて。お母さんであり女性でありという役なので、その部分の経験も感情も不足しています。今回の舞台を通じて、“一途とはこういうこと”と語れるよう小夏から学び、女性として素敵になれるように頑張りたい」。



■ソロになったことで芽生えた“臆病”さにとまどい 舞台共演者たちとの出会いで感じた「転校生の気分」



 今年の4月30日をもって乃木坂46を卒業。2ヶ月ほどが過ぎた心境を、「遠い昔のように感じています」としみじみ明かし、「この5年ぐらいは“先輩”をやっていたので、チームワークを大事にしてきました」と振り返る。



「後輩の子が何か困っていたらこうしてあげようとか、こういうことでグループが悩んでいるから私も考えようとか、自分よりもグループのみんなを見渡して過ごしていました。そういう目線が一切なくなり、自分ひとりを見つめることになったら、自分のことを考えるのは結構苦手だと気づきました(笑)」。



 人に愛を向け、感謝されることが醍醐味だった…と感じていたほどグループ活動が性に合っていたと自己分析する。北野はグループでの立ち位置を「みんなの背中を押して、『支えているから大丈夫だよ』という役でした」と説明。卒業後は、その気持ちを自身に向けることで、プレッシャーの感じ方も変化し、自分が意外に“臆病”だったことに驚いたという。



「自分がしたことが評価され、それがダイレクトに自分に返ってくる。自分はこんなにビビりだったかなというぐらい、いろんなものに怖じ気づいています。グループにいたときは負けず嫌いだったはずなのに…難しいものですね」。今は自分の“行き先”に迷っているというが、決して悲観的ではなく明るく前向きなトーンで話していく。



 「今は前も後ろも見ても誰もいなくて。そのうちそういうことも楽しさに変わってくると思いますし、この舞台を終えた後、自分は変わっているのだろうなと予想しています。新しい自分に出会えるのを楽しみにがんばりたいですね」。



 乃木坂46在籍時に『じょしらく』で舞台経験はあるものの、「初めて共演する方々の中で、転校してきた気分」と、共演者のエキスパートたちの輝きに心を躍らせている。「役者をずっとやっている方など、その道を究めている人たちを目の当たりにすると“一つのことを一途に一生懸命やっている人はカッコいい”と感じます。マルチにいろいろなことをさせてもらえるアイドルはとはまた違う感覚ですね」。



 当初は少し距離を感じていたものの、稽古を重ねていく中で「新しい仲間ができた感覚」が生まれたと声を弾ませる。「共演者の皆さんには失礼かもしれませんけど…。卒業してじんわりと1人を感じ出していたところで稽古が始まり、一緒に励んでいくうちに、“一緒に同じものを作る仲間”と感じるように。そういう存在ができたことがすごくうれしいです」。



■変わりゆくファンとの“距離感” つながりを保つべく思案



 ライブやイベントなどでファンと定期的にふれ合えていた乃木坂46時代と違って、その機会が少なくなることについては「すごく不安です」と率直な想いを打ち明ける。



「“私が好きだから乃木坂が好き”というファンの方もいれば、“好きな乃木坂にいる私が好き”という方もいて、それぞれ私へのモチベーションみたいなものが違います。私は変わらずみなさんにはそばにいて見守ってもらいたいので、どうしたらファンの方と変わらずつながっていられるのだろうというのは、常に考えていますね」。



ファンを大切に想う北野らしい発言だが、今回の舞台出演に対して、「“楽しみにしている”と“ちょっと複雑”という声の両方あって。気にさせてしまっているのは“罪悪感”ではないですけど、ずっと考えていてモヤモヤします。もうアイドルでもないのに」と苦笑い。男性キャストとの共演に帯する“繊細なファン心”を思いやる。



 「頭の中には常にファンの方がいて、『この仕事をしたらきっと喜んでもらえる』とか『これを発表したら喜んでもらえるのでは』といったことを考えつつお仕事をしています。だから複雑に感じる方にも、私がこの仕事に対しての本気度がきっと伝わるはず。そこは私の力量だと思うので、ちゃんと小夏として見てもらえるように精一杯演じたいです」。



 新たな道を模索している彼女に、あえてアイドルへの未練を聞くと、「ないですね。やりきりました」と即答し、「過去の自分をたたえながら、グループ活動は胸にしまって、また未来に向かって進んでいきたいと思っています」と前を向く。



「卒業コンサートをやらせもてらえ、写真集も出させてもらい、いろんな方に感謝して卒業できたので、もうこれ以上はないと思えています。乃木坂が好きでグループのことばかり考えていて、とにかく好きな気持ちを優先して活動してきました。卒業して、自分の中でちゃんと乃木坂に終止符を打てていることに驚きもあります」。



在籍中はグループのことで頭いっぱいで、「俳優になりたい」「タレントになりたい」などの明確な目標を持たずに卒業した。「自分が何者かがわからないので、いまはそれを見つけにいろんなことに挑戦していきたい」と目を輝かせる。



 あえて絞らずアグレッシブに挑むことを誓った北野。俳優活動はイメージにないからなのか「演技なんかできるわけない」と言われることもあったそうだが、「褒められて伸びるタイプなので褒めてほしい」と言って笑う。



 「みなさんに期待をしてもらった方ががんばれると思うんです。心配されるのもうれしいですが、『きいちゃんならできるよ。楽しみにしている』と言われる方がパワーになるので、期待してほしいです。『つかこうへいさんの作品に出ていた子だよね』と言ってもらえるよう、みんなに愛される小夏を演じたいです」。
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