山崎賢人、自分の演技に満足することない「『キングダム10』くらいまでやりたい」

山崎賢人、自分の演技に満足することない「『キングダム10』くらいまでやりたい」

 2019年に公開され、興行収入57.3億円の大ヒットを記録した映画『キングダム』。その続編『キングダム2 遥かなる大地へ』の7月15日公開を前に、先月都内でワールドプレミアが行われた。約1200名限定で一足先に上映されると、SNS上では「大感動大号泣」「圧巻すぎて終始鳥肌止まらなかった」「想像超えてくる完成度」「とんでもないスケールとアクションで期待を遥かに超えた」などと、前作同様、絶賛の声が上がっていた。主演・山崎賢人(※崎=たつさき)に、映画オリジナルシーンも含めた撮影の舞台裏を聞いた。



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■クランクアップは「やっぱり泣いちゃった」 普段は全然泣くタイプじゃないのに…



――『キングダム』続編の製作決定した際、どのようなお気持ちでしたか。



めちゃめちゃ嬉しかったですね。前作では全身全霊をかけて、いろんなものがすり減るくらいやってたので、撮影が終わったときに「まだまだこれからなのに」という思いがあったんです。それから、信がずっと自分の中にいました。アクションがすごく好きになって、撮影後もトレーニングを続けていたので、続編が撮れるというのは本当に嬉しかったです。



――前作では、原作者の原(泰久)先生に「漂との別れのシーンが大事」とのアドバイスがあったそうですが、今作では何かお声がけやアドバイスはありましたか。



前回たくさん会話をして信頼関係を築けていたので、今回は、作品についてここがどうだっていうよりも、「いま何の撮影やってんのー?」とか、普通に現場を一緒に楽しむ会話が多かったですね。今回も原先生がオリジナルで書いてくださったシーンがあって、そこはやっぱり気合いが入りました。実際に絵コンテを描いてくださって、すごく好きなシーンです。



――原作にはない、信と羌カイ(=やまいだれに鬼)の2人のやり取りですね。



信は、普通の人が言いたくても照れてしまってなかなか言えないような言葉を、一発で、素直にまっすぐに言うことができる。みんなが言ってほしい言葉を言ってくれる。前作での出来事を経て、強く優しくなってるからこそ、それができる信はかっこいいなと。自分ならここまでストレートに言えないけど、信を演じているから言えるし、気持ちよく台詞を言わせてもらいました。原先生の魂も乗っかった、熱くなれるシーンになっていると思います。



――大勢で戦うシーンも数多く描かれていました。全員で息を合わせなければいけない場面が多く、7~8テイク撮ることも珍しくなかったとか。



自分だけが上手くいっても、他が上手くいっていなければ意味がないですし、その逆もありますが、みんなで息を合わせないとOKが出ないカットもたくさんあって大変でした。「キープでもう一回!」と何回聞いたかな…(笑)。監督をはじめ皆、より良いものを出すために妥協しないので、それも面白いところだなって思います。回数を重ねると、どんどんアクションが堅くなっていったり、きれいに出来ちゃったカットがあまり良くなかったり、ちょっとワンテンポずれてる方がリアルだったりとか、だから色んなパターン撮るのが正解なんだなと思いました。



――前作では、松橋プロデューサーが山崎さんについて、撮影の夜に「あのシーン大丈夫でしたか?撮り直したほうが良いですか?」と電話をすることもあったとお話されていました。ご自身の演技について、考え込んでしまうことも多いのでしょうか。



多いですけど、今は、すぐ現場で「撮り直しさせてください」と言うようにしています。あの時は分からなくて、結局次の日に撮り終わったカットをまたセッティングするのは、大変だったと思うので。信がこういう時にどういう振る舞いをするのか考えるようになって、迷いが少なくなりました。今回はみんなを引っ張っていくんだという気持ちで、あれだけ壮絶な過去を乗り越えて自分の意思で戦場に来ている信は、よりたくましくなっているだろうなと。自分が思いっきり演じていれば、他の演者さん達も迷わずついてきてくれるだろうなと思ってやっていました。



――前作のクランクアップのときは涙されていましたが、今回は?



絶対泣かない、泣くもんかと思ってましたけど、やっぱり泣いちゃいましたね。普段は全然泣くタイプじゃないのに、なぜか『キングダム』のクランクアップだけは泣いてしまうんです。かかわっているキャスト・スタッフの数が多いからか、あとやっぱり、信を演じているからかもしれないです。信は周りに対して壁がない人だから、感情がパカンと解放されている状態で、涙も自然に出てしまう。今回もすごいことを皆で乗り越えたという感覚がすごくありましたし、これで終わりという寂しさも少しありました。信と仲間たちの関係や、描かれている物語など、全部が撮影とリンクするというか…。人間の感情のシンプルなところ、根本の大事な部分をすごく揺さぶられる作品だなと思います。



■「信を演じてめちゃくちゃ強くなれた」 憧れ・大沢たかおのオーラは“異次元”



――映画のコピーに「命をたぎらせ、生きろ。」とあるように、Mr.Childrenさんの主題歌と共にそのメッセージが強く込められた作品だと感じました。山崎さんは、“生きる”上で何が大切だと思われますか。



夢と仲間ですかね。



――「コメディをやりたい」「男っぽい役をやりたい」「(前作の時に)伍を組みたい」と、山崎さんは、デビュー以来、常に有言実行をされているように感じます。やりたいことを口に出すことは意識されていますか。



意識はしてないですけど、本当にやりたいことは確かに言ってるかもしれないですね。夢って、叶ってる姿を想像して色々やっていくと叶いそうですよね。引き寄せの法則とかあるじゃないですか。たとえ叶わなくても、夢を追いかけて頑張ってる時間とか、そこで出会う人達とか、そういう方が大事な気がしますけどね。いくらでも道はあるんじゃないかなって思います。



――今の夢は?



『キングダム2』大ヒット!!信をやらせてもらったのも一つの夢だったし、“キングダム”という壮大な夢をみんなで突き進めていきたいなと思います。



――山崎さんとしても、また続編やりたいですか?



合従軍編までやりたいですね。秦国以外の6ヵ国が同盟を結び、秦を滅ぼすために、次々と城を落として首都の咸陽まで攻めてきた戦いです。そこで、信がエイ政(吉沢亮)に「ちょっとだけ掴まらせてもらっていいか…すまねぇ」と、肩にもたれかかるところがやりたいですね。そこまでやるとしたら、『キングダム10』くらいになるのかな…(笑)。



――『キングダム』に出演される以前と以後で、ご自身に変化はありましたか。



信はどこか僕自身の部分もありますし、今も体の中のどこかに信がいるという感覚はあります。信を演じたことで、以前よりも確実に前向きになることができていますし、たぶんめちゃくちゃ強くなっていると思います。精神的にも、肉体的にも。



――2010年のデビュー以来、途切れることなくご活躍されている印象がありますが、壁にぶつかった時期はありましたか。



めっちゃあります。ありますけど、次、次!って感じです。悩んでもしょうがないよって言ってくれる人もいるし、その失敗や後悔を次にどう活かすかを考えますね。逆に満足することってあんまりないですね。



――錚々たる方々とご共演されてきた中で、特に影響を受けた方はいらっしゃいますか。



大沢たかおさんが言ってる言葉は、刺さる言葉が多いですね。「役者が何かを削らないと、人は感動させられるものができない」とおっしゃっていて、“何のためにこんなに削ってるんだろう…”って思った時期もあったけど、大沢さんの言葉を聞いたとき、“あ、自分が削ってきたものって間違いじゃなかったんだな”って思いました。王騎将軍を演じている大沢さんが放つパワーやオーラは、異次元に感じるほどのエネルギーがあって魅力的で、信が王騎将軍に憧れ、尊敬しているように、僕にとっての大沢さんも、自分が役者をやっていく上で、憧れ、尊敬する存在になっています。





(取材・文=神谷内航平)
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