生放送の良さを最大限に活かした『CDTVライブ!ライブ!』際立つ構成力と技術力

生放送の良さを最大限に活かした『CDTVライブ!ライブ!』際立つ構成力と技術力

 ランキング形式の音楽番組『COUNT DOWN TV』(TBS系)から派生して、20年3月に始まった『CDTVライブ!ライブ!』。コロナ禍という番組制作の制約が多い中でのスタートであったが、フルサイズでのパフォーマンスや、特定のアーティストに30~90分を割く「フェス」などの企画が当たり、「アーティストの魅力を引き出す」と視聴者はもちろん出演者にも好評を得ている。番組プロデューサーの高宮望氏は、バラエティ制作出身という変わり種。テンポ感ある番組進行や、ユニークな企画の背景には、どうやらその経験が活かされているようだ。



【写真】『音楽の日』放送前の生特番に出演する豪華アーティスト



■ライブだと思って歌ってほしい こだわりが随所に見られる『CDTVライブ!ライブ!』



 TBSの『CDTVライブ!ライブ!』は、「ライブハウスでの生ライブ」をコンセプトに制作されている音楽番組だ。そのこだわりは、いわゆる“テレビサイズ”ではなくほぼフルサイズでの歌唱をオンエアするスタイルにも表れている。



「アーティストの皆さんには、番組ではなくライブだと思って歌ってほしい、ライブの時の熱いパッションを見せてほしいんです。それで、スタジオにはライブハウスのようなセットを組んでいます。パフォーマンスの尺に関しては、子どもの頃に音楽番組を観ていて“CDより短いな”と感じたことを思い出したんです。アーティストが時間と労力をかけて作った作品を、テレビ側の都合で短くするのはどうなんだろうという想いもありました。また、フルサイズにしたほうが、他番組との差別化にもなるのではないかとも考えました」(『CDTVライブ!ライブ!』プロデビューサー・高宮望氏※/以下同)



 しかし、タイミングが悪いことに番組の初回は2年前の20年3月30日。新型コロナウイルスの感染拡大により、いよいよ緊急事態宣言が出るのではないかという時期だったこともあり、当初はスタジオに観客を入れての放送を予定していたが断念。以来、未だ有観客での放送は実現していない。



 番組のこだわりはパフォーマンスの尺だけではない。各地から生中継で歌を披露する「出張ライブ!ライブ!」、名曲をカバーする「名曲ライブ!ライブ!」、そしてスペシャル放送で1アーティストが複数曲を歌う「フェス企画」など、さまざまな企画コーナーの中にも見ることができる。



「音楽番組の視聴者は、出演アーティストのファンが多いですよね。でも、“この企画って面白いよね”って思ってもらえたら、『CDTVライブ!ライブ!』の視聴習慣につながると考えました。「出張ライブ!ライブ!」に関しては、久米宏さんの自叙伝『久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった』の中で、『ザ・ベストテン』が、それまでの歌番組と一線を画した理由の1つに、生放送ならではの特徴を活かし、歌の合間にニュース的な要素も取り入れていたことが挙げられています。例えば、生中継先が雨だったとして、それをお伝えできるのはニュース的ですし、テレビにしかできないことだと思うので、大事にしたいと思っています。また、フェス企画は1組のアーティストに30~90分ほどの時間をお渡しして、自由にライブを行ってもらっています。6月20日のスペシャル放送ではゆずに6曲歌っていただいたのですが、北川さんが、“2時間のライブより汗をかいた”とおっしゃっていました。それくらい情熱を傾けてパフォーマンスをしていただけたのは嬉しかったですし、生放送でアーティストが熱い想いで伝えるというのもテレビにしか出来ないことだと思うんです」



■「次の日に学校で話題になる番組にしたい」若い番組スタッフの意見を取り入れたキャスティング



 フェス企画にはこれまでにOfficial髭男dism、福山雅治、SEKAI NO OWARI、FUNKY MONKEY BΛBY’S、back number、Uru、ゆずが登場しており、新たな魅力が発見できると話題を集めている。そういった人気アーティストの出演もあれば、一方で、若者世代に圧倒的に支持されている“これから”のアーティストの出演タイミングが早いのも番組の特徴といえるだろう。その目利きを行っているのは、番組の若いスタッフだという。



「総勢50人程の定例会議がありまして、そこで若手の意見を吸い上げています。20代前半のADさんたちは、私たちとは別のアンテナがあって、彼らのほうが若者のリアルを知っています。今はコロナ禍で会議もリモートで行っているので、会議システムの挙手ボタンを使って、発言してもらいます。リアルの会議の場で若手が発言するのはなかなか難しいけれど、ボタンを押すのはハードルが低いようです(笑)。私たちの世代は知らないけれど、若い子たちには圧倒的人気があるアーティストの名前がどんどん挙がってくるんですよ。Tani Yuukiさん、「PAKU」のasmiさん、「Partner」の有華さんなどもそうやって出演が実現しました。“〇〇出てたね”と、次の日に学校で話題になる番組にしたいという想いはありますね。そうやって、出演したアーティストが、SNSでバズったりストリーミングで1位になったりして、“効果がありました”と言っていただけているのも嬉しく思っています」



 これらさまざまな企画も含めた番組の構成には、高宮氏がこれまで培ってきたバラエティでの経験が活かされているという。



「報道局志望で入社しましたが、最初の配属は秘書部でした。入社3年目に制作局に異動になり、半年後に『ぴったんこカンカン』のAD、そしてディレクターに。17年に特番『歌のゴールデンヒット』を作ったことをきっかけに、『COUNT DOWN TV』も担当するようになりました。音楽番組を作る上で大事にしているのは、バラエティ同様に構成です。『CDTVライブ!ライブ!』総合演出の竹永典弘は『金スマ』を担当しています。いかに飽きさせずにテンポ感よく見せていくかにはこだわりがあり、バラエティでの構成力が活かされていると思っています。またTBSの音楽番組は、技術、美術、照明スタッフの腕も超一流で、視聴者や出演者からも喜んでいただけています。『ザ・ベストテン』から脈々と受け継がれているプロフェッショナルたちにも支えられながら番組が放送されているんです」



■『音楽の日2022』では日本、そして世界に歌のメッセージを届けたい



 この構成力と技術力は、7月16日に放送される夏の大型音楽特番『音楽の日2022』でも発揮されることとなる。14時から約8時間にわたって生放送される番組は、高宮氏が大事にする生放送ならではの緊張感とハプニングに満ちた、面白いものになるに違いない。



「今年のテーマは、“メッセージ~届けたい歌~”。新型コロナウイルスの再拡大、ウクライナ情勢、現実とは思えない出来事が次々と起きている今だからこそ、日本、そして世界に歌のメッセージを届けたい。見どころは、広島、長崎、沖縄、国立競技場からの中継ですね。MISIAさんは故郷の長崎から、平和の祈りを込めて歌ってくださいます。アーティストの皆さんのエールを受け止めていただければと思います」

※高宮氏の高の表記は「はしごだか」



文・坂本ゆかり



『音楽の日2022』(TBS系)

2022年7月16日(土)午後2時~9時54分(生放送)

〈出演者〉

総合司会:中居正広、安住紳一郎(TBSアナウンサー)



〈出演アーティスト〉(※50音順)

AI、INI、あいみょん、石川さゆり、石丸幹二、ウマ娘、AKB48、EXILE、ORANGE RANGE 影山ヒロノブ、KAT-TUN、川崎鷹也、Kis-My-Ft2、きただにひろし、King & Prince、串田アキラ、Creepy Nuts、クリス・ハート、郷ひろみ、小林武史、Saucy Dog、櫻坂 46、サンボマスター、島津亜矢、ジャニーズWEST、SUPER BEAVER、スキマスイッチ、SixTONES、Snow Man SEKAI NO OWARI、Sexy Zone、Tani Yuuki、DA PUMP、T.M.Revolution、DISH//、長渕剛、なにわ男子、新妻聖子、NEWS、Novelbright、乃木坂 46、Perfume、氷川きよし、BEGIN、 日向坂46、平原綾香、FUNKY MONKEY BΛBY’S、Hey! Say! JUMP、マカロニえんぴつ、MAHO堂、MISIA、Mrs. GREEN APPLE、milet、MONGOL800、MONGOL800×WANIMA、矢沢永吉、yama、優里、ゆず、Little Glee Monster、緑黄色社会



『CDTVライブ!ライブ!』

TBSで毎週月曜よる9時から放送している、アーティストが熱い気持ちで音楽を届ける音楽番組 。“アーティスト自身が作り上げるステージをまるごと生中継する”がコンセプトのライブ番組



<進行>えとちゃん(江藤愛TBSアナウンサー)
カテゴリ