宮崎吾朗氏、建設中の「ジブリパーク」を語る 「映画を観るきっかけにつながってくれれば」

宮崎吾朗氏、建設中の「ジブリパーク」を語る 「映画を観るきっかけにつながってくれれば」

 本日(16日)より長野県立美術館にて「ジブリパークとジブリ展」が開幕。これに先駆けてきのう15日に、同美術館にてトークイベントとオープニングセレモニーを開催された。ジブリパークの制作指揮を担当している宮崎吾朗監督が登壇し、同展覧会の見どころだけでなく、11月にオープンするスタジオジブリの最新作ともいえる「ジブリパーク」をどのように考え、描き、つくっているのかを語った。



【画像】「ジブリパークとジブリ展」展示物



■「ジブリパークとジブリ展」を内覧した感想



 おもしろい展示だと思います。ジブリといっても、僕がやってきた仕事が中心となっているので、少し恥ずかしいところもありますが。僕自身のことで言うと、三鷹の森ジブリ美術館というハードを作るところからスタジオジブリに入り、そこから映画づくりをして、またジブリパークの制作でハードを作ることに戻ってきました。現実にある物を作って、そこから映画という虚構の世界に行って、今やっと現実の世界に戻ってきているんだなと展示をみながら感慨深く思いました。



■11月1日に第1期開園するジブリパークの進捗状況について



 工事は、第1期と第2期に分かれており、第1期の建物関係は竣工しています。今は秋の開園に向けて展示物の搬入設置、ショップやカフェといった施設の準備を進めています。一方で、第2期の方も工事は着手しています。徐々に建物の姿が見えてきている状況です。



■監督としてどのような想いでジブリパークをつくっているか



 宮崎駿(※崎はたつさき)、高畑勲、鈴木敏夫といった人たちが、(スタジオジブリで)たくさんの映画をつくってきました。その作品が(時が経つにつれ、)消えていってしまうっていうのはとても残念なことです。消えていかないように、みんなに忘れられないようにするための場所がほしいと思い、ジブリパークという形に結び付きました。映画を観た方に訪れてもらいたいのはもちろん、ジブリパークを訪れたことで、ジブリ映画を観るきっかけにつながってくれればという想いでつくっています。



■三鷹の森ジブリ美術館のプロジェクトで印象に残っていること



 (宮崎吾朗監督は、スタジオジブリでの最初の仕事として2001年に開館した「三鷹の森ジブリ美術館」の総合デザインを担当)当時を振り返り、以前は造園コンサルタントという公共造園の計画設計をする仕事をしており、モノができていくプロセスの一部だけを担っていました。そうではなく、「つくった後にどう管理していくか」というところまで携わってみたいという気持ちが当時は強かったので、全部やることができて面白かったです。同時に、全部やると大変なんだなってことを思いましたが、その経験が後の映画づくりにも活きました。



■「サツキとメイの家」がジブリパークのオープンに合わせて再公開。どんなところを楽しんでもらいたいか?



 (「サツキとメイの家」は11月に開園するジブリパーク第1期のエリア「どんどこ森」の中で公開)愛・地球博というのは環境万博をテーマにしていました。昭和30年代頃の映画『となりのトトロ』の世界に出てくる暮らしぶりは、いわゆるエコで、環境負荷が少ない暮らしをしていたんだろうなと考えました。あの家には冷蔵庫も、ガス・レンジもなく、家電製品は電気くらいしかない。映画を通して、当時の暮らしぶりを実体験してもらうことで、今の自分たちの暮らしぶりを振り返るいい機会になるのではと思います。普通の日本の民家なのですが、建物に入ると映画の世界がバーっと蘇る感じが面白いところだと感じています。



■企画・監修を務めた『アーヤと魔女展』の見どころ



 (「アーヤと魔女展」は2021年6月~22年5月まで三鷹の森ジブリ美術館で実施されていた企画展示で、宮崎吾朗監督が企画・監修を務めた)『劇場版アーヤと魔女』は3DCGを使ってつくった映画です。コンピューターで作るアニメーションは、手仕事から遠いやり方と思われがちですが、全然そんなことはありません。コンピューターというツールを使った手仕事と言えると思います。ツールがデジタルに変わっただけで「やることは手書きのアニメーションと基本的には変わらないんだ」という自分の感想を、形として残しておくためにこの展示を企画しました。



■ジブリパークの建設の監督として心がけていること、大切にされていること



 心がけていることについては、「お任せする」ということです。自分たちが最初に考えてこういうものをつくろうと設計図をかきますが、それを実現するために、すごい大勢の方が関わってくださっていて、それぞれが専業のプロ。その人たちが仕事をしてくれるわけなので、僕としては「ゴールはあるので、あとはあなたのいいように、思うようにやってください」というのが一番いいと思っています。むしろそういうふうに預けてしまった方が結果的にはいいものが出来上がると考えています。



■長野での思い出



 信州大学の農学部でしたので、(キャンパスのあった)伊那から長野市内まで行くのはハードルが高く、バイクで行くと3時間かかるし、電車賃もまあまあかかるので、しんどいなと思っていました(笑)。そんなに頻繁には来ていませんでしたが、同じサークルの子たちがいたので時々遊びに来ていました。各地の山も登っていました。



■最後に「ジブリパークとジブリ展」そして、「ジブリパーク」を楽しみにしている方へ一言



 「ジブリパーク」の現場でモノをつくりながら、長野での展示のために協力してくださっている方がいっぱいいて、そういう人たちのおかげですごく面白い展示になったし、今回の展示の100倍、1000倍のものがジブリパークに詰まっているんだという風に思っていただいていいと思います。ぜひ展示を楽しんでいただきつつ、この展示を通して、ジブリパークへの入り口になってくれればいいなと思っています。



■ジブリパークとジブリ展 会期・会場

<長野会場> 2022年7月16日(土)~10月10日(月・祝)長野県立美術館

<愛知会場> 2022年10月29日(土)~12月25日(日)愛知県美術館

<熊本会場> 2023年1月20日(金)~3月26日(日)熊本県立美術館

<兵庫会場> 2023年4月15日(土)~6月25日(日)神戸市立博物館

<山口会場> 2023年7月15日(土)~9月24日(日)山口県立美術館



■長野会場開催概要

会期:2022年7月16日(土)~10月10日(月・祝)

開館時間:前9:00~後5:00(入館は後4:30まで)

※事前予約制(日時指定券)

※再入場不可(特設ショップ含む)

休館日:毎週水曜日

会場:長野県立美術館

チケット:会場内混雑緩和のため、時間ごとの入場枠を設定。入場無料対象の人(未就学児を除く)でも「日時指定券」の申し込みが必要。



■チケット販売スケジュール

7・8月入場分:販売中

9月入場分:8月15日(月)午前10時から販売

10月入場:9月15日(木)午前10時から販売



■公式オンラインチケット

https://ghiblipark-exhibition.jp/nagano/#ticket



■Boo-Wooチケット

https://l-tike.com/bw-ticket/event/ghibliparkex-nagano/



■ローソンチケット

https://l-tike.com/



■コンビニ ローソン・ミニストップ

Lコード【7月入場分:37167】【8月入場分:37168】【9月入場分:37169】【10月入場分:37170】



■長野会場限定特典



 7月19日から平日の来場者先着3万人に長野展オリジナルポストカードをプレゼント。

※入場券を持っている人が対象。

※展示室入口で入場券を確認後、引き換え。

※配布予定数に達し次第、配布を終了。



(C)Studio Ghibli

(C)Museo d'Arte Ghibli

(C)Kanyada
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