イノマー生前最期を綴った手記、書籍化決定 愛と性春の日々、再び

イノマー生前最期を綴った手記、書籍化決定 愛と性春の日々、再び

 口腔底がんのため53歳の若さで亡くなった、性春パンクバンド・オナニーマシーンのボーカル・イノマーさんの手記が書籍化されることが決まった。手書き文字をそのまま復刻し、死を覚悟した人間の愛と性と生への向き合いをリアルに伝える。



【画像】「自殺しようと思っている人に…」 イノマーさんが最期まで記した魂の言葉



 2018年7月のがん宣告から2019年12月に亡くなる1ヶ月前まで5冊にわたるノートに綴られた「手術なんてしなければよかった」という本音。



「自殺しようと思ってる人に…オマエの命をオイラに差し出せ!!」



 到底ここでは紹介しきれないような赤裸々な表現の数々、魂の叫びに引き込まれることは必至だ。



 がん宣告を受け手記をつけ始めたというイノマー。最愛の恋人ヒロさんはその存在は知っていたが、初めて読んだのは2020年の元旦だと振り返る。すでにイノマーがこの世を去ったあとだった。荷物整理の傍らふとページを開くと、そこには自分へのあふれんばかりの愛情が詰め込まれていた。あふれる涙が邪魔をして、ページをめくる手が何度も止まった。



 「生きてるときはお互いあんまり自分の気持ちを正直に言えなかったんです。お互いに優しくなれなかった。その後悔があったから、実は同じ時期に同じことをお互い思っていたんだってことがわかって救われました」とはにかむヒロさん。不器用な恥ずかしがり屋の愛の日記でもあった。



 編集を担当した国書刊行会の石原氏は「お話をいただいたときは正直ひざが震えましたが、原本のノートを読んでこれはぜひとも本にしたいと思いました。イノマーさんの人となりを体現するような独特の書き文字に目を凝らし、そこに綴られた言葉を追っていくうちに、BAKA IS NOT DEADと信じきってもいいような気がしてきたのです」と思いを語る。



 「(いくつかの出版社から)オファーもあったけど、向き合うのが苦しかった。でも2年経って、初めて自分の意志で本にしようと決めました。とにかく真っすぐで優しすぎたイノマーっていう人がこの世に存在していたことが多くの人に伝われば嬉しいです」(ヒロさん)。



 どこまでもスケベでバカでお人好し。日本一バカになりきった“末期がん患者”の痛快な『GAN日誌』(仮題)は12月に刊行予定。
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