ガンダム史に残る名勝負をガンプラで再現、iPhoneで撮影したクオリティに激震「覚醒したアムロの強さを表現」

ガンダム史に残る名勝負をガンプラで再現、iPhoneで撮影したクオリティに激震「覚醒したアムロの強さを表現」

 大きな改造を行わず、ガンプラの持つ造形の美しさを生かしながら、丁寧な下処理と塗装で、「ジオン水泳部」など多くの作品を残してきたモデラーのhanaさん(@hana41418236/インスタグラムではtsuta772さん)。SNSで作品を発表し、多くのファンを持つ同氏の近作は、『機動戦士ガンダム』の最後で激戦を繰り広げる「ガンダム VS. ジオング」。連邦軍・アムロ、ジオン軍・シャアの意地とプライドがぶつかり合うこの最終決戦を、躍動感あふれるかたちで再現した。ガンダム史に残る名勝負を制作しようと思った理由とは?



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■『RGジオング』のキットとしての出来の良さから生まれた名シーンの再現



――ガンダム史に残る名勝負「ガンダム VS. ジオング」の作品が3000件近い「いいね」を獲得しました。そもそもなぜこのシーンを再現しようと思ったのですか?



【hana】このシーンへの特別な思い入れがあるかといいますと、実はそれほどありません(笑)。ただ、『RGジオング』はとても良いキットだったので、4ヵ月という長い時間をかけて作りました。単純に完成して嬉しかったので撮影しました。私の場合は精巧なジオラマではないですし、クオリティーの高い単体作品というわけでもありません。その場の雰囲気でそれっぽいムードの写真を撮って楽しむというものです。なので、この写真を作品と言っていただいていいのかどうか…恐縮します。



――いえいえ、素晴らしい作品だと思います。本作は角度(アングル)や照明も見事です。どういったところからアイデアが浮かび、この「画」を作ろうと思われたのですか?



【hana】向かって右の写真は、最終回の劇中シーンの再現をやってみました。劇中ではジオングはこの時点で左手を破壊されていますので、完璧な劇中再現を目指しているわけではなく、あくまでイメージです。



――“それらしいムードの写真”と言いつつ、シャアの乗るジオングは、威圧感がすごいです。



【hana】ありがとうございます。ジオングはファーストガンダムでシャアが搭乗する最後の機体。つまり“ラスボス”です。上半身だけでガンダムの全高と同じくらいの大きさがありますし、対峙したときはものすごい威圧感があることでしょう。なるべくデカくて恐怖を感じるようなイメージでライティングしました。



――一方で、それに挑んでいくアムロ搭乗のガンダムの勇敢さが見事に表現されています。



【hana】逆にガンダムは背中しか見えないのですが、圧倒的な敵を前にもひるまない覚醒したアムロの強さが表現できたのではないかと思います。

 向かって左の写真はその逆でジオング側からの視点。大きさの対比を見せてるので小さくしか写らないのですがガンダムがかっこよく見えるポージングに気をつけました。オリジン版のキットは可動が優秀で、滑らかな動きが再現できるのでとても良いですね。



■カメラはiPhone、本格的な機材なしでもできる「トライ&エラーをすることが大事」



――本作を制作するうえで、一番苦労したことは?



【hana】これはもう『RGジオング』の購入ですね(笑)。通販では買えなかったので、朝なら買えるかなと家電量販店に行ったらびっくりするくらいの長蛇の列。あわてて最後尾に並びました。店頭に並んで買うなんて40年ほど前のファーストブーム以来です。



――購入するのが、一番の苦労とは…昨今のガンプラ事情を表していますね。



【hana】そうですね。だから余計に愛着も生まれたんだと思います。キットのデザイン、ディティール、可動、組み立てやすさと、出来の良さに感動しまして、これまでで一番丁寧に作りました。特にメタリック塗装にも凝って、腕や間接、スカートの中をシルバー、ゴールド系だけでも7、8色使って塗り分けています。撮影するといまいちわからないのですが。隙間からチラリと反射する輝きの差がきっと作品のクオリティーを高めて見せてくれているはずです、たぶん(笑)。



――そのこだわりが伝わったのか、寄せられたコメントの中には、「プロの仕事ですよ…すげぇ」というものもありました。



【hana】インスタでもたまにホントにプロだと思ってくださる方がいらっしゃって…。そう思ってもらえるのはとてもうれしいんですが、実際には素人なんでちょっと気恥ずかしいですね。作品作り自体は丁寧に行っているつもりですが、実はキチンとした撮影ブースや、三脚などの機材も何も持っていないんです。カメラはiPhoneですし(笑)。



――えっ、それでこの躍動感のある作品を?



【hana】はい(笑)。照明はバイクキャンプ用のLEDランタンや電気スタンド、背景はホームセンターで売ってる黒画用紙など、身の回りにある身近なモノを使っています。思いついたらサッとセットしてサッと撮る。気構えずにどんどん撮っているうちに、躍動感のあるポーズや構図などを見つけられるようになっていった感じでしょうか。



――そういうお話を聞くと、素人の方でもできそうですね。



【hana】そうですね。実物を目で捉えるのとカメラのレンズで捉えるのでは全く違うので、距離感や各パーツの角度など、見え方の差を把握できるようになると、より楽に、楽しく撮影できるようになります。カッコいいと思ったポーズもレンズで覗いてみたら何だかイマイチだったり、逆に変なポーズでもレンズで覗くと意外とかっこいいときもあります。とにかく、たくさん撮って、トライ&エラーすることが一番ですね。



――これだけの作品を見せられると、他の名シーンも見たくなります。



【hana】先日、第1話のラストのクライマックスでザクを斬って着地するシーンを投稿したのですが、これがものすごく好評で。インスタでは2日間ほどで1万いいねをいただきました。これまでたまに劇中シーンの再現風写真を投稿してましたが、あらためて第1話から全話の劇中シーンを連作していけたらなと思っています。



――楽しみにしています。それでは最後にhanaさんにとって「ガンプラ」とは?



【hana】私は、SNSを通じて「ガンプラ」という共通の趣味を持つ人たちと知り合うことが出来ました。モデラーはもとより、ファーストブーム世代を過ごした方々、作品を評価して欲しいという中学生、撮影の仕方を教えて欲しいという海外の方などなど…。直接は会ったわけではないですが、世代を超えて、いろいろな人に出会わせてくれます。「作る」「撮る」「発信する」「知り合える」と、一粒でいろいろ楽しめる、懐の深い面白い趣味ですね。
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