松村沙友理、乃木坂46時代に突き付けられたメンバーとの“差” 葛藤の先に見えた「凡人なりの戦い方」

松村沙友理、乃木坂46時代に突き付けられたメンバーとの“差” 葛藤の先に見えた「凡人なりの戦い方」

 昨年7月に10年間在籍した乃木坂46を卒業した松村沙友理。それから1年。俳優、モデル、タレントとして活躍するかたわらで念願だったアパレルブランド『LANTINAM(ランティナム)』を立ち上げ、30歳を目前にさらなるキャリアを広げている。アイドルとしての天才揃いだった乃木坂46の1期生に身を置く中で突きつけられたという「自分のできなさ」。それを克服するために繰り返してきた改善。非凡性を発揮する彼女が根底に抱いてきた「凡人には凡人の戦い方がある」という仕事観を聞いた。



【貴重写真】オーディション時から圧倒的美形だった松村沙友理



■「仕事は好きだけど、正直、楽しいと思ったことはない」メンバーの才能に圧倒されたからこそ培われた仕事観



──乃木坂46の卒業以降、ますますお仕事に邁進しているイメージです。10月には連ドラ初主演も控えていますね。



【松村沙友理】私は一生働いている人間なんだろうなと思いますね。ただ仕事は好きだけど、正直、楽しいと思ったことはないんです。うまくいかないことばかりだし、それこそ演技も修行の身なので反省点ばかり目に付いてしまう。でも、それが「まだやめられない」というモチベーションにもなっていて、むしろ満足したら興味を失ってしまうタイプなんだと思います。



──仕事=楽しいものでないとしたら?



【松村沙友理】責任感という言葉のほうが近いような気がします。たぶんそれは乃木坂46の1期生から仕事を始めているからだと思うんですね。みなさんあまりイメージないかもしれないですけど、乃木坂46の初期ってライブも握手会も本当に人が集まらなかったんですよ。だから1人1人が個の力を高めてグループに還元しようという意識がみんなすごく高くて。



──たしかに乃木坂46は現役でも個として活躍するメンバーが多いですね。



【松村沙友理】アイドルとしての天才揃いで、メンバーにはライバル心よりも尊敬しかなかったですね。一方で私は歌もダンスも得意じゃない。本来は暗い性格なので人と話すのも苦手。そんな自分がどうやったらグループに貢献できるのかを考えて取り組んできた10年間でした。



■ファン交流を励みに開花された"さゆりんごワールド" 卒業後は「自分がやっていることが『正解』なのかわからなくなった」



──そんな松村さんは、どのようにして個の力="さゆりんごワールド"を確立されたのでしょうか?



【松村沙友理】歌やダンスって持って生まれた才能も大きいと思うんです。どんなに練習してみんなに合わせられてもその先までは行けないんだと、ある時点で開き直れたところがあって。だったら「凡人は凡人らしく戦おう」と、できることからコツコツ積み重ねていきました。冠番組やバラエティに呼ばれたときは、人より多く発言することを意識したりとか。



──卒業後もバラエティでのトークセンスはますます光っています。



【松村沙友理】歌やダンスが本業のアイドルとしては隙間を縫う感じでしたけど(笑)。でもバラエティの発言もファンのみなさんが「面白かったよ」などと感想を言ってくださることで、「この方向は間違ってないんだな」と確認しながら進んでくることができました。それが卒業後はファンと交流する機会も減った分、自分がやっていることが「正解」なのかわからなくなって、一時期はすごく心細かったです。



──ご自身で仕事の手応えを実感することは?



【松村沙友理】自分で自分を褒めてあげられない性格なので、受け取ってくれる方のリアクションがすべての頼りなんです。そういう意味ではブランドがローンチして、手に取ってくださった方からいろんな声をいただくことで、改めて自分の向かう方向もはっきり見えるようになりました。



■「女の子は誰しも1つや2つ体型のコンプレックスがある」“洋服で魔法をかけたい”ブランド立ち上げへの想い



──アパレルブランド『LANTINAM(ランティナム)』はどんな思いで立ち上げたのでしょうか?



【松村沙友理】グループ時代にたくさんの衣装を着せていただいてきて、身につけるもの1つでアイドルとしてのスイッチが入る瞬間が何度もありました。そんなお洋服の魔法みたいなものをたくさんの女の子に体感してもらいたくて、ブランドの立ち上げは現役時代からの目標だったんです。



──全体的にフェミニンな印象ですが、こだわりを教えてください。



【松村沙友理】スタイルがよく見える型作りにはとてもこだわりましたね。女の子は誰しも1つや2つ体型のコンプレックスがあると思うんですけど、ビッグシルエットで隠すという発想ではなく、サラッと1枚着るだけでキレイな体のラインが出るように。それと女の子たちがどんな瞬間も自分の魅力を咲かせられるように、着用するシチュエーションや時間帯もお洋服と一緒に提案しています。



──今年8月には30歳になります。30代の仕事のスタンスをどのようにイメージしていますか?



【松村沙友理】20代は受け取るものが多かったので、30代はもっと提案や還元をしていきたいですね。ただ基本的にネガティブ思考な性格は変わらないと思います。だけどネガティブだからこそ自分のダメなところも認められるし、改善に向けて頑張ることもできる。「ネガティブは悪いことじゃない」というのはこれからも仕事をする上での指針になるかなと思っています。

(取材・文/児玉澄子)
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