インド料理店がインド映画を配給 『響け! 情熱のムリダンガム』公開決定

インド料理店がインド映画を配給 『響け! 情熱のムリダンガム』公開決定

 『ムトゥ踊るマハラジャ』やオスカーを受賞した『スラムドッグ$ミリオネア』で世界的音楽家となったA.R.ラフマーンが音楽を手がけるインド発の音楽映画『響け! 情熱のムリダンガム』が、10月1日より東京・渋谷のイメージフォーラムで劇場公開される。この映画を配給するのは、東京・荒川区にある南インド料理店「なんどり」。小さなインド料理店が、映画さながらに困難を情熱で乗り越えていった。



【動画】映画『響け! 情熱のムリダンガム』予告編



 同映画は、音楽をテーマにした作品で評価が高いラージーヴ・メーナン監督の長編3作目。「第31回(2018年)東京国際映画祭」にて、『世界はリズムで満ちている』のタイトルで上映された青春音楽映画だ。インド映画界では名の知れた監督、音楽はA.R.ラフマーン、主演はA.R.ラフマーンの甥と話題性もあり、映画祭では満席・大喝采を受けた。しかし、日本で買い手がつかなかったようだ。



 東京国際映画祭で同映画を観て、感銘を受けた「なんどり」のオーナーは、日本で劇場公開されるのを今か今かと待ちわびていた。待ちきれず、同映画を日本に紹介すべく、海外版DVDを店で輸入販売するなどの「推し活」に励み、縁あって監督から配給権を取得。クラウドファンディングで今秋の劇場公開にこぎつけた。



 映画の舞台は、インドのチェンナイ。両面太鼓のムリダンガム職人の息子ピーターは、映画スター、ヴィジャイの推し活に余念のない学生。だがある日父の作ったムリダンガムを巨匠が演奏するのを目の当たりにし、自分もその奏者になりたいという衝動が起こる。



 その瞬間から、カーストによる差別、伝統音楽と映画・テレビ業界との軋轢(あつれき)、伝統芸能の生き残りと承継、世代間の意見の相違など、さまざまな障壁や困難に次々と立ち向かうことになる。



 神に奉納するインド伝統音楽の太鼓の奏者になりたいと願った太鼓職人の息子が、タブーに情熱と敬意で立ち向かった先にあるものは――。



 A.R.ラフマーンが、自身の出身地・南インドの美しい伝統音楽と土着的な音楽の両面からこの社会性の強いテーマに迫り、メーナン監督は映画『ベスト・キッド』(1987年、ジョン・G・アヴィルドセン監督)や『セッション』(2015年、デイミアン・チャゼル監督)を彷彿とさせる、熱き師弟関係も同時に描き出す。



 主演のG.V.プラカーシュ・クマールは、叔父A.R.ラフマーンと同様に映画音楽の作曲家としても知られる音楽の才能を、ムリダンガム奏者を演じることでスクリーンに爆発させる。

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