【RIZIN】「朝倉未来というファイターの“人間力”に賭けたい」榊原信行CEOインタビュー

【RIZIN】「朝倉未来というファイターの“人間力”に賭けたい」榊原信行CEOインタビュー

 今月25日(日)にさいたまスーパーアリーナで『The Battle Cats presents 超RIZIN』と『湘南美容クリニック presents RIZIN.38』を2部制で開催し、その出場選手をハワイに呼んで世界に向けて会見を行うなど、アグレッシブな取り組みで話題を振りまくRIZINのCEOの榊原信行氏。



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 多くの見どころを作ったハワイの会見の翌日、ORICON NEWSではインタビューを敢行。たっぷり語っていただいたので、2つに分けてお届けする。Part.1は、世界中の注目を集める『超RIZIN』のフロイド・メイウェザーVS朝倉未来戦の見どころをはじめ、“時代のカリスマ”朝倉未来の魅力、ハワイ会見の見えざる苦労、そしてRIZINの世界戦略ついて聞いてみた。



■“史上最強ボクサー”メイウェザーに対峙する“時代のカリスマ”朝倉未来「ワクワクしています」



――『超RIZIN』メインカードのメイウェザーvs朝倉未来戦の見どころを教えてください。



【榊原】日本でメイウェザーが戦う姿を見られる機会って、これがひょっとしたら最後かもしれないし、世界的に見てもあと何試合かだと思うんです。そんなメイウェザーの勇姿が見られるっていうのは一つ大きなことで、そこに対峙するのが今をときめく朝倉未来っていうだけで、もう僕はワクワクしています。



単純に考えれば、ボクシングに準じたルールで未来が勝てるわけないと思うじゃないですか。それは正しい考え方かもしれないけど、格闘技って100%がないんですよ。10回やったら9回負けるけど、1回は何が起こるかわからない可能性がある。ひょっとしたら100回に1回かもしれないけど、未来にもチャンスがあるからそのワンチャンにかけてみたいし、その奇跡が見られるんじゃないかなっていう期待感はありますね。



今の未来だったら、やってくれるんじゃないかな。1~2年前じゃなくて、いろんなものが見えてきて、人間としても熟成されつつある朝倉未来なら。僕は格闘技って“人間力”の戦いでもあると思っていて、未来はそういう意味で言うと、2018年にメイウェザーと戦った時点での那須川天心より人間力が高く、修羅場をくぐってきた数も違うだろうし。いろんな局面でメイウェザーと対峙できるものを備えてると思います。天心のときは圧倒的に体格が不利だったけど、少なくとも体格でいえばメイウェザーより未来の方が上回ってるじゃないですか。そのアドバンデージをどこまで生かせるか。



――未来さんにも勝算はあるでしょうか?



【榊原】朝倉未来という格闘家に、僕は賭けたい。体格も負けていないし、総合格闘家としての打撃で自分のパワーを生かして、どこまでいけるか。普通のボクシングに付き合う気がないんですよね。あとは、ハートだと思うから。ワンチャンがあると思っているし、朝倉未来なら何かやらかしそうな気がしますけど、本当に残酷なショーになる可能性もあります。メイウェザーが50歳50勝無敗で、今もヘルシーに生きていられるっていうのは、パンチを打たれてないからなんですよ。現役時代に圧倒的にもらってない。キャリアの中でフラッシュダウン1回だけですから。そんなメイウェザーの鉄壁なディフェンスを未来がどう打ち崩すのか。この試合は見なきゃ損すると思うし、楽しみにしてください。



■「今回はひょっとしたら、未来が自ら短期勝負に出るような気がする」



――未来さんがRIZINに初めて参戦したとき、現在のような“時代のカリスマ”になるって想像できていましたか?



【榊原】ここまでなるとは想像してなかったですね。マルチな才能を持ってるから、ファイターとしてだけじゃなく。人として男としていろんな魅力がある。これまでに、いろんなチャレンジをしていっぱい挫折もしたんだろうし、そういうものの数が上積みされてると思うんだけど、とても魅力的な男だし、それでいてすごくスマートで計算高いところもある。今回の試合も勝算がなければ受けないですよ。最初から負けるっていう試合は、パスすると思うんですね。はっきりイエスノーが言える人なんで、「榊原さんに頼まれたから、嫌だけど受けます」って話じゃなくて、最初から自分の中でいけるっていう何か、それは僕にもはっきり言わないけど、持っているはずです。



それに僕はかけてみたい。たいがい失敗せずにいろんなことを上手くやりこなすじゃないですか。それでいて、逃げたようなことはしない。戦い方も自分からガンガンっていうタイプじゃなくカウンターを合わせる選手ではあるけども、今回はひょっとしたら未来が自ら短期勝負に出るような気がするんです。メイウェザーにいろんなものが見抜かれて丸裸にされる前に、未来はパンチの殴り方も含めボクシングのセオリーと違う戦い方をお見舞いしようとしているはず。ラウンドが増えたらどんどんメイウェザーのペースになるはずだから、この試合はゴングが鳴った瞬間から目が離せないです。



――RIZINと朝倉未来選手は一緒に大きくなってきた部分もありますが、榊原さんは今回どんな気持ちでこの試合に未来さんを送り出すのでしょうか? 親心(おやごころ)みたいなものがあったりしますか?



【榊原】親心か……。常にそうなんだけど、僕は選手たちにRIZINの中でどんどん大きくなって、いつまでもRIZINで戦ってほしいって思いながら、あんまり縛りたくないんです。だから本当にRIZINを超える存在になってRIZINを卒業して、その先がベラトールなのか、UFCなのか、はたまた自分の違う大会を開くのか、競技を変えるのか、いろんなことがあっていいと思っています。そういう中で言うと、朝倉未来はRIZINという舞台と大きくなったと言っていただいたんですけど、共に大きくなって、もう超えてるぐらいの勢いなんで(笑)、もうどこまでも朝倉未来にパラサイトして生きていこうかなと思っていますよ(笑)。



――未来さんはメイウェザー戦に勝利したら、次はコナー・マクレガーと闘いたいと。



【榊原】僕も聞いたことがあります。難しいかもしれないけど、やりたいって思わないとやれないから、思うことを口に出して公言することが、そのチャンスを引き寄せるんじゃないですか。可能性はゼロじゃないと思いますけどね。



――その舞台を作れるのはRIZINしかないのでは?



【榊原】どうだろう、UFCというか代表のダナ・ホワイトさんって本当にエゴイストなんで(笑)、「そんなのRIZINでヤラセるかよ」って言われてしまうでしょうね。一緒にやるってことは難しい人で、UFCは「10-0」しかないんです。なのでもしその試合がUFCでやるとなれば、僕はもちろん応援したいですよ。未来がコナーとやるっていうんだったら、絶対にメイウェザーに勝って、PPVの数字で記録を作って「コイツはスゲェ」と認識させないと。



『THE MATCH』の直前にダナに会って、「チケットの売り上げでこのぐらいいってる」って言ったら、ダナの目の色が変わったんですよ。「日本でそんなに売れるのか?」みたいな。彼らはビジネスにシビアだし、数字がどこまで上がるかしか見ていない。だから、未来がメイウェザーに勝ってPPVがこんなに売れるって証明すれば、ダナは未来とコナーとのワンマッチでPPVがどれだけ売れると計算して、勝算があればアクションを起こすかもしれませんよね。



■世界進出のポイントは「ナショナリズムをくすぐる」 『超RIZIN』は吉成名高&三浦孝太に期待



――今回のハワイの会見は、格闘技のビッグマーケットである北米を意識されたと思うのですが、メイウェザーを会見に出すために苦労したことは?



【榊原】苦労しかない(笑)。だって今回も前日の22時にハワイに飛んでくるって言っていたのに、実際に到着したのは会見の1時間半前の当日15時班ですよ。そして、会見翌日にはみんなでBBQやろうってお肉をたくさん買って用意していたのに、それをすっ飛ばしてマウイ島に行っちゃいました。30人くらいのスタッフ全員で、民族大移動ですよ(笑)。本当に手に負えないですよね。前回の天心戦のときに、朝起きてホテルから富士山が見えて「あの富士山に登ってから試合に行こう」って言ったっていう、ギャグみたいな話が彼らのライフスタイルの中では日常茶飯事ってことですよ。本当に今回も肝を冷やしましたけど、無事に会見ができてよかったです。普通は会見に来るのが当たり前なのに、会見に来ただけでありがたいんですから、すごいです(笑)。



――メイウェザーの参戦で世界から注目を集めていますが、RIZINをもっと世界市場に向けて発信していくのでしょうか?



【榊原】世界に向けてっていうのはいろんな戦略があると思うんだけど、必ずしも海外に大会を持ち出さなくても、こういう時代なので世界中でPPVが見られるじゃないですか。我々が考えるのは、世界中の人たちが見たくなるものをどう作れるか。そのポイントは、その国ごとのナショナリズムをくすぐること。アメリカ人はやっぱりアメリカの選手を応援するものだし、ロシアはロシアだろうし、日本は日本っていうナショナリズムを考えながら、世界の人たちに見たいと思ってもらえるものを作る。だから、必ずしも海外に大会を持ち出す必要がある時代ではないかなと思っています。



――『超RIZIN』で吉成名高選手のカードが発表されましたが、彼にも世界に向けた戦いを期待している?



【榊原】そうですね、吉成もムエタイの世界ではカリスマ的存在なので。さらに『超RIZIN』では三浦孝太の試合も組みます(6日の会見で試合が正式発表)。彼はタイでジャニーズのように人気があって、空港を降りたら囲まれちゃって「日本よりもタイの方が歩けません」っていうくらい爆発していて。海外戦略で言うと、タイの人たちに向けては三浦孝太がいいだろうし、となると相手は当然タイ人で組んだ方がいいじゃないですか。『超RIZIN』は、マッチメイクの中でナショナリズムもちりばめて、海外での反響も見据えてカードを組んでいきたいと思います。



◆『The Battle Cats presents 超RIZIN/湘南美容クリニック presents RIZIN.38』

日時:9月25日(日) 前10:30開場/正午開始

※RIZIN.38は超RIZIN終了後、1時間の休憩を挟んで午後3時開始予定。イベントの進行により前後する場合あり。

会場:さいたまスーパーアリーナ

PPV:ABEMA、RIZIN STREAM PASS ほか



◆『超RIZIN』対戦カード

フロイド・メイウェザー 対 朝倉未来

吉成名高 対 バンダサック・ソー・トラクンペット

三浦孝太 対 ブンチュアイ・ポーンスーンヌーン

皇治 対 ジジ



◆『RIZIN.38』対戦カード

堀口恭司 対 金太郎

扇久保博正 対 キム・スーチョル

萩原京平 対 鈴木千裕

大原樹理 対 ルイス・グスタボ

シビサイ頌真 対 カルリ・ギブレイン

【スーパーアトム級トーナメント】

浜崎朱加 対 パク・シウ

伊澤星花 対 アナスタシア・スヴェッキスカ

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