高橋メアリージュン、『ウシジマくん』犀原茜は「乗り越えなければいけない大きな壁」

高橋メアリージュン、『ウシジマくん』犀原茜は「乗り越えなければいけない大きな壁」

 映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』から6年の歳月を経て、実写版『闇金ウシジマくん』シリーズ待望の新作ドラマ『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』がオンエアされる。主人公は、ウシジマの最強のライバルにして史上最も危険な女闇金・犀原茜。演じるのはもちろん高橋メアリージュンだ。「とにかく反響がすごい」と強い思い入れがあるキャラクターを再び演じた高橋が、同シリーズとの出会いによって得たことや、さらなる目標について語った。



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■高橋メアリージュン史上、ダントツに人気キャラの犀原茜



 近年、『マイファミリー』(2022年)、『アバランチ』(2021年)、『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年)、『私の家政婦ナギサさん』(2020年)など話題作への出演が続く高橋。そんななかでも「ものすごい反響なんです」というのが『闇金ウシジマくん』シリーズで演じた女闇金・犀原茜(サイハラアカネ)だという。



 「いつもドラマに出演させていただくことが決まったとき、SNSで報告するのですが、犀原についての発表をしたときは、反応がものすごくて。『メアリージュンのファンじゃないけれど、犀原は大好きです!』なんてコメントもあるくらいで(笑)。私自身も犀原を演じるのはとても楽しいので、このお話をいただいたときは本当にうれしかったです」。



 これまでは山田孝之演じるウシジマのライバルという立ち位置だった犀原だが、本作では物語の中心として存在する。



 「今回犀原を演じる上で、特に何か特別なことをするでもなく、ブレずにただそこに犀原としていることで、周囲の魅力的なキャラクターたちとのコントラストがつくと思ったので、とにかく芯を持って演じることを心がけていました」。



■現場でオンとオフのスイッチが切り替えられるようになった



 人気シリーズの座長として臨んだ現場。クランクイン前には、柄崎役のやべきょうすけから「座長だね」とメールをもらったという。



 「正直言うと最初は、“座長”に自信がなかったんです。でも、やべさんのお気遣いや、山口(雅俊)監督をはじめ、シリーズを作ってきたスタッフさん、キャストのみなさんがいてくださったので、犀原を演じることに集中することができました」。



 相手を威嚇する強いキャラの犀原だけに、これまでのシリーズでは現場で周囲の人たちとは距離をとって役に集中してきたというが、本作では少し変化があったという。



 「私は元々、犀原を演じるときは、器用に切り替えたりするのが得意な方じゃなかったので、今回も共演者の方々と距離を置こうと思っていたのですが、犀原が率いるライノーローンのメンバーたち(マキタスポーツ、宮世琉弥)が非常にムードメーカーで(笑)。とにかく楽しくてしかたがなかったんです。もともと私はゲラなので、もう笑っちゃって。役に入るときに無理やりスイッチを切り替えた感じだったんです。でもそのおかげで、これまで苦手だった現場でのスイッチのオンオフができるようになったと思います。ありがたかったですね」。



■犀原茜は俳優人生で「間違いなく転換期になった出会い」



 ファンからの支持が非常に大きいという犀原。2012年に連続テレビ小説『純と愛』で俳優デビューした高橋にとっても、とても大きな出会いとなった作品だという。



 「間違いなく転換期になった作品だと思います。この役で多くの人に知っていただけたということもありますし、違う現場でも『ウシジマくんの犀原のような感じで…』と、強めの役柄を求められるようにもなりました」。



 高橋自身にも、いわゆる“当たり役”だという認識がある。しかし最初は「なんでこの役が私に…?」という思いが強かったという。



 「“ウシジマのライバル”という象徴的な役です。当時俳優としての経験が少なかった私に、なぜこんな大きな役を…という戸惑いとプレッシャーがありました。それまでの私の肩書は“俳優”ではなく“ファッションモデル”が強かったですし、役者としても小さな役が多かった。私のなかに犀原のような強いキャラのイメージを持っている人は少なかったと思うんです。まぁ、妹には『中学の時のお姉ちゃん、犀原みたいやったやん』なんて言われましたけど(笑)」。



 撮影が始まり、高橋はその疑問を山口監督に投げかけてみた。



 「山口監督がおっしゃっていたのは、体幹がしっかりしているということでした。女の子は重心が上にありがちだけれど、犀原は下半身がしっかりしてほしいと。私は下半身がどっしりしているように感じたみたいなんです(笑)」。



 最初は半信半疑だった犀原という役も、いまや高橋以外では考えられないほど強烈な個性となった。



 「それだけ印象に残るような役を演じさせていただけたというのはとても光栄なことですし、本当に感謝しています。外で撮影をしていると『あれ、ウシジマの撮影じゃね?』とか言ってモノマネしてくださる方もいるんですよ。それだけ認知していただけているというのもありがたいですね。そういうイメージもあって、初めてお会いする方は私のことを怖い人だと思っていることが多くて、物腰柔らかく接すると『全然違う』とがっかりされることもあります。逆に普通にしているだけでいい人に思われるので得している部分もあります(笑)」。



“当たり役”という一方で、それを超えていかなければ…という思いも強い。



 「また犀原を超えられるような役に出会えるようにならないといけないと思っています。その意味では、“犀原茜”は大きな壁ですね」。



■「君は女優顔じゃないね」という言葉がバネになった



 とは言うものの、『私の家政婦ナギサさん』など等身大の役柄をナチュラルに演じ、評価される作品も増えている。



 「それは本当にうれしいです。15歳のときに『君は女優顔じゃないね』と言われたことがあったんです。ショックだったというよりは、その意見を受け止めて模索するきっかけになった言葉でした。ハーフとか肌の色とかあまり関係なく、こうやって等身大の役柄を任せていただける現状や、人が感情移入してくれるような役を演じられるのは素直にうれしいです」。



 芝居を初めてから10年の歳月が流れた。キャリアを積み、高く評価されることも増えた。役柄のふり幅もどんどん広がっているような印象を受ける。



 「たしかに、ベテランと言われてもおかしくないかもしれないのですが、10年と言われてもまだピンとこないんですよね。いまだに現場に行くと新人俳優の感覚で。だから、いつも緊張していますし、現場に自分より若い子が増えても、後輩だなぁとは思えなくて(笑)。素晴らしい方が多いですからね。常にどの方にもリスペクトを忘れずに緊張感をもってやっていきたいです」。



 言葉のひとつひとつに周囲への感謝が感じられる高橋。多忙な日々を過ごしているようだが「表現者である以上、アウトプットが評価されますが、そのためのインプットもしっかりと取って、バランスを意識していきたいです」と語ると、ミュージカルや海外作品への挑戦など、表現活動へのさらなる意欲を見せていた。





取材・文/磯部正和

写真/MANAMI

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