干ばつの影響で乾いた大地がどこまでも広がる、映画『渇きと偽り』本編映像

干ばつの影響で乾いた大地がどこまでも広がる、映画『渇きと偽り』本編映像

 日本では台風や線状降水帯の発生などによる大雨で水害や土砂災害が頻発しているが、世界に目を向けると、各国で干ばつが起きており多くの人の暮らしを脅かしている。オーストラリアも深刻で、2019年に干ばつを発端に全国的に大規模な森林火災が起き、豊かで美しい自然の風景が荒廃させられる状況が世界中で報道されたことも記憶に新しい。



【動画】オーストラリアのリアリティを捉えた本編映像



 そんな干ばつに喘ぐオーストラリアの田舎町を舞台に、極限にまで“渇ききった”人間関係がじっくりと炙り出されるサスペンス映画『渇きと偽り』が公開中だ。同作は、妻子を殺して自らも命を絶った男と、過去の未解決事件との関係、真相を追うクライムサスペンスでありながら、長い間雨を享受できずに干ばつが続く町での出来事を描くことによって、オーストラリアがいま直面している問題を世界に提示する作品でもある。



 メルボルンの連邦警察官アーロン・フォークは旧友であるルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに故郷に帰ってきた。ルークはウサギ狩りから帰宅すると妻子を殺し、心中したと疑われていた。



 気が進まないながらも、町にとどまって捜査を行うことにしたフォークは、自身の古傷となっている、当時17歳のエリー・ディーコンの死に向き合うことになる。フォークは数十年も離れて起こった2つの犯罪はつながっているのではないかと疑う。ルークの無実だけでなく、自身の無罪を証明すべく奔走するフォークは、彼に向けられた偏見や、怯えた住人たちが抱える鬱屈とした怒りと戦うことになる。果たしてルークは本当に家族を殺したのか。そして過去の未解決事件の犠牲者、エリーの死の真相とは?



 主演は本作が12年ぶりのオーストラリア映画主演となるエリック・バナ。オーストラリアの乾ききった大地も、本作の特徴を印象付ける、もう一人の主人公と言える。ネット上で公開されている本編映像には、リアルに干上がった大地が映されている。



 フォークは地元警察官レイコ―と、ルークの死体が発見された場所へと向かう。そこは、フォークが若かりし頃に釣りをしたこともある湖があった場所。しかし、かつては湖の底だった土地が、長く続く干ばつの影響により今は完全に乾ききった大地に変貌しており、変わり果てた故郷の姿にフォークは愕然とする。そこにはまだ、ルークの血も雨に流されることなく生々しく残されていた。フォークとレイコ―は、事件の真相を追い、捜査を始めることになる。



 本作は町の風景や環境が重要な要素であったといい、ロケ地は製作チームの検討の結果、ビクトリア州のウィムラ地方が選ばれた。この土地はメルボルンから遠く離れた郊外で、ほとんどの土地は農地として使用され、開発されることのないありのままの大地が広がっている場所だ。原作者のジェイン・ハーパーも「小説を書いていた時に頭で描いていた景色そのもの」と語っており、いまのオーストラリアのリアリティを捉えることに、町の風景が大きく機能している。



 撮影は、ウィムラ地方の広大な景色を映し出すため、『トップガン マーヴェリック』(2022年)でも行われたラージフォーマットでの撮影をオーストラリア映画として初めて敢行している。乾いた大地がどこまでも広がる壮大な景色が上空からのショットで捉えられ、砂ぼこりが舞うダイナミックな映像から乾ききった空気を感じられるはずだ。

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