『ヤングシナリオ大賞』大賞は市東さやかさんの『瑠璃も玻璃も照らせば光る』

『ヤングシナリオ大賞』大賞は市東さやかさんの『瑠璃も玻璃も照らせば光る』

 坂元裕二、野島伸司、橋部敦子、浅野妙子、黒岩勉といった数々の人気脚本家を輩出してきた第34回『フジテレビヤングシナリオ大賞』の受賞者が決定し、応募総数1535作品の中から、市東さやかさんの『瑠璃も玻璃も照らせば光る』が大賞に選ばれた。授賞式が29日に行われ、市東さんらに賞状が授与された。



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 大賞の『瑠璃も玻璃も照らせば光る』は、うつ病の母親を抱え、家族のケアをしている高校生の主人公・木村ひかる(17)が、演劇部の照明係の手伝いをすることになり、真剣に部活に取り組む転校生・立石瑠璃(17)と、家事を担い続けなければならない自分の境遇との間で葛藤する青春ヒューマンドラマ。選考理由として「今を生きる若者たちをリアルに描き、登場人物達が葛藤を抱えながらも暗くなり過ぎない文体に好感を覚えた。希望や夢を抱きづらい時代に、希望の光を与えてくれるような作品で、読んだ後に清々しい気持ちになれた」と、評価された。



 元看護師で、現在は神戸市看護大・大学院生の市東さん。受賞できてなかったら就職するつもりだったそうだが、「就職活動はもちろん進めていたんですけど、(今回の)受賞の連絡をいただいて、採用試験を申し込んでいたところとかもすべて断って、大学院は卒業しようと思っているので、卒業したら仕事はないですけど、関西から東京にやってこようと思っています」と語った。



 今後、どのような作品を書いていきたいか問われると「脚本を書いてみようと思ったきっかけは、宮藤官九郎さんの作品。あこがれは宮藤さん」と明かし、「暖かいコメディーとか、センスが光っているとかいうのにあこがれるので、そうゆうのを書きたいなとおもっているのと、元々看護師をしていて、いろんな人の人生を見させてもらう中で、自分にないものを他人は持っているんだなと思うと、やっぱり人は一人で生きてなくって、誰かと一緒に生きることの理由になるんだなと、思ったので、人との交流というところで書いて行きたいなと思っています」と話した。



 佳作は、本山航大さんの『夜が明けても』、井本智恵子さんの『ラストチャンス』、伊藤優さんの『父を還す』。



■受賞者コメント

大賞:市東さやかさん

この作品を書いて、どんどん選考が進んで行くのを見て、だんだん途中から怖くなってきて、途中で誰か止めてくれないかなって思ってしまうくらい、選考が進んで行くのは怖いところもあったんですけど、いざ受賞のご連絡をいただいたら、結構腹をくくれたというか、絶対やってやるぞみたいな気持ちになることができました。私は、脚本とかのスクールに通った事がなくって、専門的に学んだこともなく、経験もなくて、そうゆうのをカバーするほどの作品もみているかといわれたら、見てませんっていうような感じなので、得体の知れない存在なんじゃないかなって思っていたんですけど、そうゆう私に賞をくださったフジテレビの審査員にたずさわった方々の器の大きさ、チャレンジングな試みに救われて今ここでご挨拶をさせていただいているなとおもうので、微力ではありますが、恩返ししたいなと思っております。よろしくお願いいたします。



佳作:本山航大

恋愛欲も性欲もないアセクシュアルの方々を描きながら、ラブストーリーの型に当てはめてしまうことに罪悪感を覚えながら書いているようなところがありました。今は「結婚=幸せ」という世の中ではありませんが、それは「結婚する、しない」という2つの選択肢を持てる、いわゆる「フツー」の人たちからの目線のように感じる部分があります。そもそも恋愛をしないなら、その延長線上にある「結婚」や「出産」を自ずと諦めていくことに繋がります。ただ、もしも恋愛感情なしでかけがえのない人と出会えたのなら、誰かと一緒にいるという選択肢を増やしてもいいのではないか。そんな疑問から作り上げたような作品です。

もともと私が地元の佐賀新聞で記者をしていた時に教えていただいた「疑問と好奇心を持て」という言葉がものを書く上での根幹になっています。また、新聞社時代は僕の名前ではなく、会社の名前に頼って世に記事を出すことにコンプレックスがあったので、自分の名前でものを出せるようになりたいと思って脚本を書き始めました。それから4年かかってようやく今回の受賞となりました。これからも新聞記者の時と同じように、なかなか光の当たらない人たちにスポットライトを当てるような作品を書きたいと思っています。



佳作:井本智恵子

7年前の第27回ヤングシナリオ大賞の最終選考まで残った事があるですがその時は落ちてしまって、今7年ぶりに応募させていただいて、去年の生方さん効果がある中で、注目されている中で、ムービーが入っている中で、佳作受賞できたこととても嬉しく思っています。ありがとうございます。作品はラストチャンスという40代女性の妊娠のラブストーリーなんですけど、これからはワンチャンを狙って頑張っていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。ありがとうございました。



佳作:伊藤優

もともと舞台俳優を2020年ぐらいまで目指していてその中で、脚本を書いて自分で上演するということがよくあって、舞台俳優よりも脚本を書いていた方が楽しいっていうか生きているなという気持ちがして脚本を書いていく事にしました。2年前ぐらいにドラマの脚本を書くようになって、今回の佳作をいただくことになりました。本当に助けられたという気持ちが今大きくて、もうちょっと覚悟きめてやらなあかんなって思いました。よろしくお願いいたします。
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