スティーヴン・スピルバーグ監督、ゴールデングローブ賞作品賞&監督賞のダブル受賞は24年ぶり

スティーヴン・スピルバーグ監督、ゴールデングローブ賞作品賞&監督賞のダブル受賞は24年ぶり

 スティーヴン・スピルバーグ(76)の監督・脚本による映画『フェイブルマンズ』(3月3日公開)が、米ロサンゼルス現地時間10日に授賞式が開催された「第80回ゴールデングローブ賞」で、作品賞(ドラマ部門)と監督賞(スティーヴン・スピルバーグ)を受賞。作品賞は2年連続、監督賞とダブル受賞は、『プライベート・ライアン』以来24年ぶり。スピルバーグ監督は、授賞式で喜びを爆発させていた。



【動画】記事で紹介している監督賞を受賞したときのスピーチ動画



 壇上でスピルバーグ監督は、「準備すると不吉(ジンクス)になってしまうので、何を話すか全く準備していなかったのですが、本当に本当にうれしいです。そして、私より喜んでいる人が5人います。妹のアン、スー、ナンシー、父アーノルド、母リア、彼女は天国で歓喜しているよ」と、家族の名前を挙げた。



 同映画は、「私の作品のほとんどが、成長期に私自身に起こったことを反映したものだ」と語るスピルバーグ監督が、“映画監督”になる夢を叶えた自身の原体験、「比喩ではなく記憶」を描いた物語。



 続けてスピルバーグは、「私は17歳からこの作品をつくるのを避けてきましたが、この物語を部分的に多くの作品で語ってきました。『E.T.』『未知との遭遇』は大いにそうです。しかし、この話を正面から受け止める勇気はなかったんです。随分前になりますが、トニー・クシュナーと『ミュンヘン』の製作に携わっていた頃、彼が聞いた私の人生についてさまざまな話をしてくれました。それがきっかけとなり、今作についての話し合いが始まりました。それは『ミュンヘン』だけでなく、『リンカーン』『ウエスト・サイド・ストーリー』までも続いたのです。妻のケイトは『この作品をつくるべきだ』といつも言っていました」と、製作に至った経緯を語り続ける。



 「そして、コロナ禍に突入し誰もが映画製作の機会を奪われてしまいました。私たちはこの時期、私の過去の全てを振り返り、子どもでいることは簡単ではないという事実と向き合いました。誰もが私を成功者として見ているという事実。 でも、勇気を出して自らを語るまでは誰も本当のことを知らないのです。私のストーリーをいつ伝えるべきかを考えるのに多くの時間を費やしました。もう74歳なんだから、今やったほうがいい! 私は、それができて本当によかったと思っています」



 スピーチの終盤では、「この栄誉を与えてくれたハリウッド外国人映画記者協会に感謝します。そして、私のチーム全員に感謝します」と、音楽を担当したジョン・ウィリアムズ、主人公サミーの母親ミッツィ役のミシェル・ウィリアムズ、父親バート役のポール・ダノ、ジャッド・ハーシュ、セス・ローゲンらメインキャストの名前を挙げ、主人公サミー役のガブリエル・ラベルに対して「彼は、今作で私を演じましたが実物より良い人間として表現してくれました」と称賛。「今作に関わったすべての人に、心から感謝します」と結んだ。



 現地時間24日にノミネート発表を控えるアカデミー賞の最有力候補としてさらに注目を集めそうだ。
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