河村花、役作りは役者の醍醐味 憧れの“月9”で20センチ髪カットもいとわず

河村花、役作りは役者の醍醐味 憧れの“月9”で20センチ髪カットもいとわず

 1月9日より放送がスタートしたフジテレビ月9ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系)に、ロースクール(法科大学院)の学生・天野向日葵役で出演中の俳優・河村花(21)。放送開始日が父親の誕生日だったようで「いいプレゼントになったかな」とはにかむ河村が、女優デビューから約5年を振り返るとともに、憧れの月9ドラマ出演への思い、自身の未来予想図について語った。



【写真】長かった髪をバッサリカット! 河村花のロースクールスタイル



■月9ドラマへの思い 学生時代観ていた『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』



――いよいよレギュラー出演している月9ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』がスタートしました。



河村:出演が決まったときは、ただただうれしかったのですが、いざ撮影が始まると「どれだけ作品にしっかり向き合えるか」という不安もうまれてきました。今は役を全うしなければ、そして「どうか届きますように」という思いで演じています。



――月9ドラマ出演にはどんな思いが?



河村:学生のころ観ていて印象に残っていたのが『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』です。このお仕事を始めるようになってからは「月9ドラマに出たい」というのが目標のひとつだったので、すごく大きな出来事でした。そして家族が「月9!」ってテンションが上がっているのを見て、その重みを感じましたね。放送がスタートした1月9日が父親の誕生日だったので、ちょっとだけプレゼントを渡せたような気持ちにもなりました。



――『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』は、『女神の教室~リーガル青春白書~』で主演を務める北川景子さんの出演作ですね。自分が夢中で観ていた作品に出演していた方とご一緒するというのは、どういった気持ちですか?



河村:最初は実感が湧かなかったです。でも最近は、自分が写っている作品のポスターを見かけることが増えたことで客観視できて、「現実なんだ」って思うようになりました。



――ご自身が演じる天野向日葵という役についてどんな印象を持ちましたか?



河村:第一印象は自分とはちょっと違うなと思いました。私は明るく前向きなタイプなのですが、向日葵は生い立ちのこともあり、挑戦することに対してなかなか前向きになれない子なので。撮影に入る前には、結構悩みました。



――どうやってアプローチしていったのですか?



河村:自分との共通点を探しながら、役を模索していった感じです。台本を読みこんでいくうちに、自分が正しいと思ったことは周りに流されず突き進む部分が自分と似ているかなと思ったので、そこから徐々に共鳴していきました。



――ロースクールに通うメンバー、南沙良さん、高橋文哉さん、前田旺志郎さん、前田拳太郎さんたちとの現場はいかがですか?



河村:みなさん同世代で、とても仲良くさせていただいています。でもただ仲がいいだけではなく、緊張感もあります。たくさんドラマに出演されている方たちも多いので、吸収できるものはしっかり吸収しようと思って現場に臨んでいます。



■役作りで新たな自分が発見できるのも役者の醍醐味



――ドラマのために髪を20センチほど短く切ったそうですね。



河村:オリジナル作品ですし、向日葵に先入観はなかったのですが、スタッフさんと話をするうちに「髪を切ってみようか」となったんです。役のために準備する時間というのはとても尊いなと思いましたし、実際に現場に入って改めてと思えたときに、自分の自信にもなりました。



――役のために容姿を変えることはいとわない?



河村:なんでも来いって感じです(笑)。お芝居のお仕事させていただくようになったときから「丸刈りでもなんでもやる!」って思っていました。まあ、そこまで向き合える自分というのもちょっといいなと思ったり(笑)。



――太ってくださいとか、真っ黒に日焼けしてくださいというオーダーも?



河村:はい。むしろ楽しみです! 役によってガラッと変われるというのは役者の醍醐味だなと。これは内面的な話になりますが、これまでは自分に近い役柄が多かったのですが、今回のドラマは、これまでとはちょっと違うキャラクターなので、新しい自分の扉が少し開いた感覚があります。



――新しい自分の発見にもつながるかもしれませんね。



河村:そうですね。今後もっと違った発見があるのかなと思うとワクワクします。今はまだ現場で反省することばかりですが…でも、相手と対峙することで台本を読んだときに感じた気持ちとは全然違う感情になることがあって、それもこの仕事ならではだなと、日々お芝居の楽しさを実感しています。





■落ち込む気持ちは、芝居が好きという気持ちで凌駕



――俳優としてデビューしてから間もなく5年が経ちますが、どんな時間でしたか?



河村:すごく楽しい時間でした。やりがいも充実感もあります。



――どんなきっかけで俳優を目指すことに?



河村:最初は俳優というよりも、「芸能人になりたい!」という漠然とした思いだったんです(笑)。中学生の頃、雑誌に出ていた小松菜奈さんに憧れて、小松さんの事務所のオーディションを受けたんです。そこでいろいろなレッスンをしていくなかで、お芝居の楽しさを知って、このお仕事がしたいと思うようになりました。



――小松菜奈さんに憧れて、同じ事務所のオーディションを受けるってすごい行動力ですね。



河村:今思うと…そうですね(笑)。あまり後先考えずに行動してしまうタイプでして…思い立ったらすぐ行動みたいな感じでオーディションを受けていました。



――当時から、いまの自分は想像できましたか?



河村:最初はうまくいくことしかイメージしていなかったので、やれると思っていました。でも実際事務所に入り、いろいろなレッスンを受けるなかで、大きな壁にぶつかることも多々ありました。



――どんな部分が大変でしたか?



河村:気持ちですね。大きな自信を持ってこの世界に入ったわけですが、全然通用せず、だんだん気持ちが削られていくんです。



――どうやって向き合ったのですか?



河村:コロナ禍が大きかったかもしれません。外に出る時間が減った分、自分を見つめ直す時間が増えたことで「私にしかできないことって何だろう」と紙に書き出したり、自分を見つめ直す時間がプラスに働いたと思います。以前はオーディションに落ちて落ち込むことや後悔することが多かったんですが、ある時から「自分と役が合わなかったんだ」と開き直れて。



――オーディションへの臨み方を変えて、落ち込むことは減りましたか?



河村:最初のころよりは減ってきましたが、それでもやっぱり落ち込みます(笑)。でもお芝居がしたいという気持ちが勝るので、早めに切り替えるようにしています!



――仕事をしていくうえで、プライベートでも意識していることは?



河村:普段の映画やドラマを観るときでも、全部吸収しよう! という気持ちで観ることが多くなっている気がします。あとはアンテナを高く張って、どんなことでも吸収できるように見逃さないようにしています。作品を積極的に観たり、小説なども読むようにしています。



――女優さんになって改めて憧れだなと思える人は出会いましたか?



河村:小松さんは相変わらず好きですし、他にも素敵だなと思う方はたくさんいらっしゃいますが、長澤まさみさんに憧れています。お芝居はもちろんですが、話し方や考え方や雰囲気も好きで…普通のファンかもしれないです(笑)。まだお会いしたことはないので、いつか作品でご一緒できるといいなと。それが目標でもあります。



――将来はどんな俳優像を目指していますか?



河村:作品に込められた思いをきちんと伝えられる役者になりたいです。そして観ている方にしっかり共感してもらえるようなお芝居ができる女優さんになりたいです。



取材・文/磯部正和

写真/MANAMI
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