映画「 君の名は。 」は、セルフオマージュを取り入れた究極のすれ違いを描いた作品!?

あの人になりたいな! あの人の生活に憧れる!動物は寝てばっかで羨ましいな!


時には男の子になりたい女の子やその逆。

なんて、誰かの人生や誰かに憧れる入れ替わり願望は、誰しも大なり小なり抱いたことがあるのではないでしょうか。


2016年8月26日に公開された話題の劇場アニメ『君の名は。』は、そんな田舎の生活に辟易し都会の生活に憧れを抱く少女『宮水三葉』と、彼女が夢の中で入れ替わることになってしまう都会育ちの少年『立花瀧』の二人の間に起きた、不思議で切ない感動のお話です。



公開から10日で興行収入は40億円を突破し、一躍2016年の大ヒットアニメへと躍り出た『君の名は。』。

そんな、人々を惹き付ける作品を製作したのは新海誠監督。


新海誠監督の作品といえば、代表作の『秒速5センチメートル』のような、美麗な背景や風景作画。細かい人の心理描写をモノロー20160グを交えながら描いているところ。


そして、作風の一つとも言えるのが『すれ違い』。


今作の『君の名は。』も例に漏れず、『じれったく、すれ違いの恋愛』を描いています。


■「 君の名は。 」は究極のすれ違いを描いている!?

『ほしのこえ』では地球と宇宙という何万光年と離れている2人。


『秒速』では遠距離恋愛で久々に会う約束をしていた2人が会うことが叶わず、やがて大人になり連絡も疎遠になって物理的距離と心理的距離が離れていってしまう様子を描き、『言の葉の庭』では、雨の日にしか会うことのできない憧れの女性と、年の差や社会人と学生という立場のせいで段々とすれ違っていく恋愛を描いてきた。


君の名は。


「会いたくても、会えない」という物理的な距離と「埋めたくても、埋められない」という心理的な距離の両面を用いて、すれ違う男女の恋愛描写を巧みに表現しているのが特徴的です。


君の名は。が今までの作品とは違うのは非常にファンタジー色が強いところ!


夢の中という特殊な状況でしか『会いたくても、会えない』。


お互いのことをよく知らず、いきなり入れ替わるという『心の距離を埋めたくても、埋められない』

今までの物理的な距離や精神的な距離を超越したファンタジーな描きかたをしています。


最初はお互いの性別の違う生活に慣れるまでは時間がかかったり、互いにイライラしているのですが、入れ替わりをつづけているうちに段々とお互いのことがわかるようになっていきますが、恋愛感情のようなものがはっきりとしないモヤモヤとした感情のまま話は進みます。


後半からは、2人がもう1つ絶対に出会うことが出来ない理由が明かされ、いつの間にか入れ替わりが起きなくなるのですが、それはまさにこの作品おける非常にキーなシーン。


この『とある事情』でもう会えなくなってしまうという出来事が、お互いの気持ちをはっきりと意識づけるきっかけになるのですが、そこはぜひ劇場で確かめてほしいところです。


■「入れ替わり」の表現と、込められた意味

作中では入れ替わる2人のそれぞれのまったく違う生活を描きながら次々と場面転換していきます。2人の入れかわりは週に2-3度不定期に起きるもので、トリガーとなるのは眠ること。


「三葉に入れ替わった瀧」「瀧に入れ替わった三葉」「入れ替わっていない瀧」「入れ替わっていない三葉」この四つの物語が複雑に絡み合いながら、一つのストーリーを展開していきます。


入れ替わりものにありがちな、男女が入れ替わったあとの「あるある」な行動だったり、それぞれの入れ替わったあとのキャラクターの動きや声優の演技なんかもとても違和感なく観れて面白いポイントです!


そして、実はこの「入れ替わり」という事象自体にとても深い意味のあるものなのですが、なぜ入れ替わりは起きたのか!? 入れ替わりの意味とは!? そんなところにも注目してください。


■『 君の名は。 』は過去作品のオマージュが豊富!?

詳細に書いてしまうとそれこそ作品の根幹のネタバレになりますが、描き方や展開など新海誠監督の過去作品を観てきた人ならきっと『ん?』と思うところがあると思います。


電車のシーンやラストシーンの演出。登場人物たちが成長した状態でのモノローグからはじまり、また終わるところ。


そうした過去作品のセルフオマージュと思えるところがいくつか登場して、初めて新海作品にふれる人とすでに知ってる人とでは感じ方が変わってくる作品だと思います。

特にあの国語の先生は……ぜひ劇場でご覧になってください。


■作品を彩る『RADWIMPS』の楽曲

新海誠監督の作品を語る上でやはり欠かせないのは曲。

今作では音楽や曲をロックバンド『RADWIMPS』が全面的に担当しており、作中ではなんと4曲も歌われています。


オープニングやエンディングそして劇中歌と、常に物語の起承転結となる場面で、時に疾走感ある楽曲でスピーディにストーリーを展開し、時には叙情感ある楽曲で心を震わせてきます。


そして、主題歌だけでなく劇伴も担当しているのも特筆すべき点の一つ。

ここぞという場面ではドンッと音楽がかかってくるので、映像との親和性をより強く感じることができるのです。

ぜひ楽曲の歌詞にも注目しながら映画を楽しんでみて下さい。



この話題の映画『君の名は。』! 一回みるときっと何度でも見たくなる作品です。そして二回、三回とみるといろんな伏線に気付けると思います。ぜひ未見の方もすでに見た方もこの作品をご覧になってみはいかがでしょうか!


 



『 言の葉の庭 』切ない恋を思い出したら見て欲しい物語



(あにぶ編集部/Uemt)
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