「 終末のイゼッタ 」感想の総括。科学の時代に生きる魔女がいたら、世界はどう接したか?

「 終末のイゼッタ 」感想の総括。科学の時代に生きる魔女がいたら、世界はどう接したか?

すげー作品だったなぁ……と思ったアニメが終わってしまいました。でも引き際もあっさり、集中して作られたからこその作品だったのかもしれないなぁとも思います。


「 終末のイゼッタ 」、設定も時代背景の消化具合も、キャラクターも本当に素敵な作品でした。


今回は1クール通して感想を書き続けた、その総括をコラムにしていきたいと思います。


■姫君と魔女と戦争のおとぎ話

この作品は、一言でいうとおとぎ話だったと思います。


小さなお姫様が別荘地で出会った、小さな魔女とのおとぎ話。二人を取り巻く人々も、非常に分かりやすく二極化した人間性を持っていたと思います。


いいお話でしたよね!本当に、いい子たちといい大人たちが悪い国に立ち向かうおとぎ話でした。


いい魔女イゼッタと、悪い魔女ゾフィー。色も対照的な白と黒が用いられ、白鳥の湖におけるオデットとオディールを彷彿とさせました。


ただ近代の戦争をモチーフとした舞台背景であるだけに、子どもに見せるには少し厳しいおとぎ話でもあったと思います。


これはエイルシュタット側のキャラクターにも言えたことで、他者を害しても自分の信念を貫こうとしたジーク、イゼッタの二人は因果応報を受けた形になったのではないでしょうか。


しかしこの残酷さもまた、おとぎ話の必須項目であると思います。グリム童話をはじめ、誰の傷つかずに終わるおとぎ話なんてほとんどないんですから。


■魔法と近代科学で出来上がるカッコよさ

画像引用元:© 終末のイゼッタ製作委員会


この作品を見ていて感じたのは、おとぎ話の心地よさ以外に魔法だけでは成しえないカッコよさだと思います。


魔法というと、それがあるだけでなんでもできるイメージはありますよね!「 スレイヤーズ 」以前は元より、「 魔法科高校の劣等生 」「 とある魔術の禁書目録 」などでも条件はありますがそうだと思います。


しかしこの作品で登場する「魔法」は、基本的に物を浮かせて動かすだけ。超能力のサイコキネシスと同じといっても過言ではないかもしれません。


けれどただそれだけの能力が、どれほどカッコよく描写されたことか!!


最初にイゼッタが剣を率いて空を舞う姿を見た時、ただひたすらに「うぉおおおお!!??」という感動を覚えたのを覚えています。


光の粒子を撒きながら空駆ける剣と、それを扱うイゼッタのカッコよさ!剣を縦横に組み合わせ、身を守る盾を作り上げた瞬間の「まさかそうするとは……!!」というワクワク!魚雷が空を飛んだなんとも言えぬ威圧感!全体的に包み隠さず、ただただ本当にカッコよかった!!


本当に、本当にカッコよかったです!!


■「 終末のイゼッタ 」は女子の絡みが最高でした。

終末のイゼッタ 第7話「 ソグネフィヨルド海戦 」画像引用元:© 終末のイゼッタ製作委員会


そして前情報を一切仕入れていなかった筆者がこの作品の感想コラムに手を挙げた理由の一番、それはキービジュアルからにじみ出る百合の香りでした。


いやもう、絶対これは百合だと思ってました。そしたら当たりどころかもう……本当に……ステキな百合が満載で眼福に眼福を重ねる事態になりました……。


しかも二人とも底抜けにいい子で素直なもんで、尊さしか感じない事態。最終回なんてもう二人がお互いを思いあう気持ちが一途すぎて泣くしかありませんでした。


これで二人が幸せにならなかったらゲルマニア帝国本当滅べと呪詛を送るところだったと思います。架空の国だけど!


■各キャラクターがすべて立っていた

この作品で特筆すべきだったのは、早期退場するキャラクターもまさかそうなるとは思えないほどしっかりキャラメイクされていたことだと思います。


特にヨナス二等兵、リッケルトに関してはまさかあそこで退場してしまうとは予想していなかったのではないでしょうか。筆者も、退場するにしてももっと後でだと思っていました。


にもかかわらず、あっさりと退場。出番を考えればちょい役でしかないキャラクターだったはずなのに、彼らの人生が見えるような描かれ方をしていたのが印象深いところです。


最初はイゼッタを戦争の道具にしようと考えていたかのようなシュナイダー将軍がいいおじいちゃんキャラに転向したり、オットーの側近としか認識されていなかったエリオットに対するゾフィーの一言で男娼と判明したり、メインどころでないキャラクターも丁寧に生み出されていたのが物語に深みを与えていたと思います。


だからこそ、アトランタ合衆国の全権大使が持つ懸念もしっかり現実味を持って描かれました。


近代の兵器が溢れる戦争に、とがった能力を持った魔女が介入したらどうなるか。世界から見たときになにが脅威と感じられるのか、それがどういった結果を生むのか。視聴者に物語の説得力を持たせることができたのは、時代背景の描写と同じく各キャラクターの人生に歩み寄って描いた結果ではないでしょうか。


本当に、素晴らしいおとぎ話だったと思います。二期を求めない、美しくまとまった物語でした。


最後になりましたが、素晴らしい作品の感想コラムを担当させていただいたと思います。読んでくださった方々、最後までお付き合いいただきありがとうございました!


冬期アニメはまだ担当するか不明な部分も多いですが、新年もどうぞ楽しいオタクライフをお送りくださいね!!



終末のイゼッタ 感想レビューのまとめ





(あにぶ編集部/井之上)
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