
38億円超の大ヒットとロケ地巡りブームを生んだ『花束みたいな恋をした』×東京都調布市が受賞
この一年に放送・公開された映画・ドラマ作品の中から、最も地域を沸かせ、人を動かした「作品×地域」に贈られる作品と、作品を支えた地域を表彰する「第12回ロケーションジャパン大賞」の受賞結果発表と授賞式が17日、都内で開催された。グランプリには【映画『花束みたいな恋をした』×東京都調布市】、準グランプリには【連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK)×宮城県気仙沼市・登米市】が選ばれた。【写真】『おかえりモネ』が準グランプリを受賞 今回は、2020年12月1日~21年10月31日までに公開・放送された映画・ドラマ・アニメ作品より33作品とそのロケ地・67地域がノミネート。ロケ地への調査(撮影サポート度、行楽度、地域の変化)、6000人の一般アンケート(支持率)、有識者の審査をもとに、選定された。 菅田将暉、有村架純主演の映画『花束みたいな恋をした』(21年1月29日公開)は、すばらしい物語性で興行収入38億円超えのロングランヒットを記録しただけでなく、実際の地名や施設名をそのまま劇中に登場させたことで、ロケ地巡りブームを巻き起こした。調布市も訪れた観光客向けにロケ地マップを作ったり、観光パネルを設置したりして、ユーザビリティを高め、主人公になりきった写真を投稿するファンが続出。映画のロングランヒットにもつながるといった好循環が生み出された。 『花束みたいな恋をした』の有賀高俊プロデューサーは「主人公の日常を描く点において調布市の街を撮ることがどうしても必要でした。その制作側の意図を的確に汲み取って協力体制をとっていただいた調布市さんに対して心から感謝申し上げます」とコメント。 調布市の長友貴樹市長は、1933年(昭和8年)に多摩川撮影所(現:角川大映スタジオ)が設立されて以来、映画・映像関連事業所が集まり、昭和30年代には「東洋のハリウッド」と称され、現在も2つの大きな撮影所と40を越える映画映像関連企業がある“映画のまち調布”をアピールした。 土井裕泰監督は喜びのコメントを寄せ、「東京の片隅のありふれた生活の風景が、映画の魔法できらめいた瞬間として記録されたのであれば、これ以上うれしいことはありません。撮影時だけでなく、公開時もいろいろな形で応援し、盛り上げてくださった調布市の皆さんとともにいただいた賞だと思っております。ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えた。 特別賞・地域の変化部門【ドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』×愛知県幸田市】、特別賞・撮影サポート部門【映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』×滋賀県】、特別賞・支持率部門【アニメ『ゆるキャン△ SESON2』×静岡県】、審査員奨励賞【映画『いとみち』×青森県弘前市・板柳町】が、それぞれ受賞した。 また、映画・ドラマのロケ地となった実績を観光資源として活用して、観光客誘致・集客の向上、地域の活性化、企業ブランディングなどに積極的に取り組んでいる地域・企業を表彰する「第5回(2021年度)ロケツーリズムアワード」の授賞式も同時に行われ、地域大賞を【長崎県島原市】、企業大賞を【セルリアンタワー東急ホテル】が受賞した。
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