
岸井ゆきの、せりふがない演技で「キネマ旬報ベストテン」主演女優賞受賞 目黒蓮も共感
俳優の岸井ゆきのが「2022年 第96回キネマ旬報ベストテン」主演女優賞を受賞。東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールで1日に開催された「同発表&表彰式」に出席した。【全身ショット】個性的な形のドレスを着こなす岸井ゆきの 岸井は、生まれつき両耳が聞こえない、実在の元プロボクサーをモデルにした『ケイコ 目を澄ませて』で、ボクシングの動きと聴覚障害者の手話の表現を身に着け、感情表現が不器用なキャラクターを、声を発することなく表現する難役に挑み、観客を魅了。 同映画を振り返り、「トレーニングだったり、増量だったり、手話の練習だったり、体の痛みというのは自分だけのものだと思ってしまう瞬間もあったんですけど、現場のみんなで、せいので一歩を踏み踏み出せるような現場で主演をできたことをとても光栄に思います」と、三宅唱監督をはじめスタッフ、キャストへの感謝を述べた。 司会の笠井信輔アナウンサーから、聴覚障害のためせりふがないということに関して質問されると、「ルールがわからなくてもサッカーに感動したように、言葉がなくても感じられるものというのを私は見てきたし、みんなも見ているということの信頼があったので、そこに存在することができたらきっと何か伝わるんじゃないかと思いました」と返答。 新人俳優賞を受賞し壇上にいた目黒蓮は、ドラマ『Silent』で若年発症型両側性感音難聴という病気を患っている青年を演じたこともあり、岸井の話を聞いて「すごく納得する部分がありました」と話していた。 昨年、岸井は『神は見返りを求める』『犬も食わねどチャーリーは笑う』『やがて海へと届く』にも出演し、それぞれの作品でインパクトを残した岸井は、「新しい挑戦をしていきたいなと思っています」と意欲を新たにしていた。 「キネマ旬報ベストテン」は、日本で最も歴史ある(米国のアカデミー賞より1回多い)映画賞。コロナ禍で第94回・第95回と無観客・ライブ配信での開催が続いたが、3年ぶりに有観客での開催、ライブ配信も行われた。
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