
『メンフィスとその墓地遺跡』 日本初撮影…4300年前の壁画「この感動を映像で伝えたい」
今春から放送28年目に入ったTBS『世界遺産』(毎週日曜 後6:00)の10月8日放送では、古代エジプト文明を代表する建造物であるギザの三大ピラミッドを含む世界遺産「メンフィスとその墓地遺跡」を届ける。【写真】最古のピラミッド…『世界遺産』 メンフィスは古代エジプト王国がナイル川下流域に築いた都で、その西に広がる砂漠地帯にはピラミッドなど無数の墓地遺跡が残っている。遺跡のどれもが4000年以上前のものとは思えないほど、今もなお古代エジプト王朝の権威をその形として留めている。今回は、ピラミッドに隠された謎や新発見された驚きの地下遺跡などを高精細8Kカメラで撮影した。■日本のメディアで初撮影 驚きの地下墓所 王都だったメンフィスに近いサッカラは重要な墓地遺跡が多くある。近年は発掘調査が進み、相次ぐ発見がニュースとなっているホットスポットだ。番組では2019年に新発見された地下墓所に日本のメディアで初めて潜入。4300年前とは思えない鮮やかな壁画を高精細8Kカメラで撮影した。 その墓所は一般の人は立ち入り禁止のエリアとなっている砂漠にある。小さな入口から入り、狭い通路を通り抜けると、内部には4300年前の鮮やかな色彩を今に留めた壁画で囲まれた空間が残っている。 墓所は王宮に仕えていた貴族・クウィのもの。古代エジプトでは死者に牛の前脚を捧げる習慣があり、壁画にはそのシーンが描かれている。またクウィ自身の名前を記した古代エジプトの文字であるヒエログリフもはっきり見ることができ、さらにはクウィ自身のミイラも発見されている。■圧倒的な存在感 三大ピラミッドの絶景 誰もがその価値を認める古代エジプト王国の遺跡、ギザの三大ピラミッド。番組として「メンフィスとその墓地遺跡」を本格的に取り上げるのは18年ぶり。今回の取材で初めてエジプトを訪れた田口ディレクターは「いままで見てきた色々な世界遺産の中でも三大ピラミッドの存在感と美しさは圧倒的だった。その存在感と美しさを8Kカメラでしっかりと捉えることを意識した」とのこと。 番組では日頃、人々が見たことがないような特別な映像を届けることを目指している。今回も、観光客など一般の人には公開されていない朝や夕方の時間帯にも撮影を敢行。空撮だけでなく、地上からの撮影も許可を得て観光では立ち入り禁止のエリアからも撮影した。8Kカメラ搭載のドローンでピラミッドの真上から見下ろした空撮映像は必見だ。また、ピラミッドと同様に有名なギザのスフィンクスも下から見上げたり、真横から見たり、尻尾に近づいたりと細部に至るまでしっかりと届ける。なお、10月8日の放送は地上波放送のため、8K映像をフルハイビジョンに変換して放送。■最古のピラミッドに大潜入 4650年前、サッカラの地に建造されたジェセル王のピラミッド。6段の階段状になったピラミッドはエジプトで最も古いもので、このピラミッドが原型となって後に三大ピラミッドのような四角錐のピラミッドができたのだ。取材した田口ディレクターが「迷子になったら本当に戻れないな」と思ったほど、内部には全長6キロ6にも及ぶ、迷路のような地下通路があり、そこには墓の主であるジェセル王の世界最大の石棺がある。 担当ディレクター・田口亮氏は「これまでに数多くの世界遺産を取材してきましたが、三大ピラミッドほど、心を動かされたことはありませんでした。圧倒的な存在感と、シンプルがゆえの美しいフォルム。この感動を映像で伝えたい。それに尽きます」とコメント。 プロデューサー・堤 慶太氏は「最新の映像技術で世界遺産を記録し、映像遺産として未来に残す」が、番組のスタート時から変わらないコンセプトです。最新の8K技術で撮影したピラミッドや、日本初撮影の地下墓所と壁画。今回は地上波での放送なので、フルハイビジョンに変換してお送りしますが、それでも映像の鮮やかさは感じ取っていただけると思います。コロナ禍で海外撮影が難しい状況が続きましたが、それを乗り越えて、番組初の海外8K撮影でもあります。ご期待ください」と呼びかけている。
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