
松本まりか、受け身の芝居で“三枚目”を自覚「すっとぼけた顔してる」
女優の松本まりか(36)が4月10日スタートの東海テレビ・フジテレビ系オトナの土ドラ『最高のオバハン 中島ハルコ』(毎週土曜 後11:40)に出演する。一癖も二癖もある役柄を演じ“怪演女優”と呼ばれることも多くなった松本が、今作では生粋の名古屋人で忖度や無駄をとことん嫌い理不尽を毒舌で切り倒す敏腕美容外科医・中島ハルコ(大地真央)と出会い変わっていく菊池いづみ(38)を演じる。「完璧に受け身なのは初めて」という松本が“振り回される役柄”に立ち、自身が発見した新たな一面とは――。【写真】大地真央とのコンビネーションにも注目 今作は林真理子氏の『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』『最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない!』(文春文庫刊)を映像化。原作にほれこんだ人気漫画家・東村アキコ氏も出版社の枠を超え、『ハイパーミディ 中島ハルコ』(『ココハナ』集英社)としてコミック化するなど注目の小説となっている。 『コンプレックスはくよくよ悩むだけ時間の無駄。時間の無駄、すなわち本来稼げるお金の無駄。コンプレックスを取り除けば自分が変われば周りも変わるのよ』――ド直球のせりふを放つ強烈キャラクターのハルコに反して、いづみは弱小出版社のグルメ雑誌編集者兼ライターで、10年ものの不倫を抱えているダメンズほいほいなアラフォー女性。ハルコの嵐のようなエネルギーに触れ、徐々に変化していくこととなる。 平凡で地味ないづみを演じるにあたり、今回は“怪演封印”ともうたわれたが「いつも怪演のつもりはないんですけど、面白がっていただけているならうれしい。面白がっていただけているならうれしい。どんなふうに形容されても、私はすごくうれしい、ありがたいなと感じています。ただ、今回、全く違うのは完璧に受け身になったことです。物語をかき乱したり、こっちからアクションする役ではない。受け取る側です。 ハルコさんの言葉がグサグサ刺さるいづみの成長物語でもあります。ハルコさんと出会ってどう成長していくか。地味にみえるかもしれないけど、連ドラを通してこうして成長していける役どころは初めてです。完璧に受け身なのは初めて。今までと圧倒的に違いますかね。あとは目立たない、ハルコさんの影に隠れてる…みたいな。ハルコさんが輝いていていづみがちょっと背景でボケてる感じがたまらなく好きで、そこは結構、私として楽しいポイントです」と紹介する。 そんな役を演じることで気づいたことを問われると、自分は「三枚目だな、と思います」と一言。「薄々気づいてはいたんですけど三枚目って…二枚目がかっこいいですよね。三枚目はかっこ悪い? 面白い? そんな“コメディエンヌ”なんて大層なことは言えませんがすっとぼけた顔しているなと思います。ひょうきんな顔してます(笑)。驚く時に、すごくこういう顔をするんだと自分自身で発見でした。あとびっくりしたときによくわからない音が出ます。“ポッ”みたいな、謎な音がする(笑)。いつもすっとぼけた顔をしているのが、あまり見たことのない表情ではありました」と受け身だからこそ今までにない自分が引き出されたという。 実年齢は36歳だが、38歳のいづみ自身にシンパシーを抱くこともあるそう。「いづみはこの年齢の“あるある”を体現した女性。でも、彼女は凝り固まってなくてすごく素直なんです。ハルコさんを最初は怪訝(けげん)に思いつつもちゃんと影響されて、吸収していく。38歳でも、素直さがあるので、いくつになっても人って変われる。女性も変われる。素直である人が変わった世界に飛び込む勇気を持っていて、柔軟に変わっていける。そういうことって大事なんだなと思いました。 いづみの悩みにも共感できます。いつも負のループに入ってしまうとか、ハルコさんみたいな存在がいないと自分で打破するのが難しかったり、私は結婚や自分の年齢とか楽観視している方ですが、気持ちはすごくわかります。こんな能天気にしてていいのかっていう気持ちもありますし、同世代の友達は結婚したがっていたり、子どもを生みたいと悩んでいる。これが現実なんだな、と思い知らされますけど、でもそこに囚われて生きるのではなく、ハルコさんにさまざまなことを教えてもらっていづみが自分の為の人生を生きようと変わっていく過程すべてに共感できます」とうなずく。 そんな自分と近い“普通”の女性を松本がどう演じるのか。ハルコといづみ、2人の立ち位置はまるで、松本いわく「ハルコさんが太陽で私は月」。いづみは冴(さ)えないけれど、そうであればあるほど、ハルコの輝きはまぶしく、その輝きによって変わっていくいづみが物語を引き立てていく。ある意味、ここが、松本の腕の見せ所ともいえそうだ。
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