
「ヤング ブラック・ジャック」 間 黒男 とは?
「ヤング ブラック・ジャック」は手塚治虫の名作「ブラック・ジャック」の主人公である天才外科医ブラックジャックこと 間 黒男 の若かりしき頃の姿を描いたアニメです。有能な 間 黒男 はなぜ医師の免許を持たず、無免許医となってしまったのか?そして 間 黒男 の生き方から現在に生きる私達へのメッセージとは?すこしだけ紐解いていきたいと思います。Contents1 間 黒男 という男2 間 黒男 が生きた時代3 無免許という生き方を選ぶ 間 黒男■間 黒男 という男「ヤング ブラック・ジャック」で描かれている時代は1960年後半。学生運動が激しさを増す中、半白の髪に全身に残る無数の傷、傷痕を境に皮膚の色が違う顔面。周りとは一味ちがう雰囲気を醸し出す男。彼は子供の頃に命を助けてもらった医師の本間に接近する為に、医者を目指ざす。人並み以上に勉学に励み、天才的な手術で数々の奇跡を起こす。それが 間 黒男 という男。正義に燃え、なんとしても目の前の命を救おうと、医師免許を持たずに数々の手術を行う。無免許医としての闇を背負いながら。■間 黒男 が生きた時代画像引用元:©ヤング ブラック・ジャック製作委員会1960年代後半の学生運動やベトナム戦争などを取り上げ、命の尊さを描いており、そして白い巨塔を彷彿させる現代医学の現場の問題点も描いています。ブラックジャックの若いころを描いているので、若さゆえの熱い思い、手術がしたい、目の前の人を救いたいという熱い気持ちや、正義感が溢れている作品でもあるのでないでしょうか?たとえベトナム戦争に行っても、目の前の人を救いたいという熱い正義感で、医師の免許は無いが手術を行う。苦しんでいる人を見て、人として何ができるのか?を考えた結果なのかも知れません。ベトナムの戦場から帰国し、彼を待ち受けていたのが医療の現場の権力争いでした。この医療現場の権力争いをまじかに見た 間 黒男 は、どう感じたのでしょうか?医療現場の腐敗を感じ、希望を見いだせなくなってしまったのでないでしょうか。間 黒男 の、ただ目の前の人を救いたい熱い思いや、正義感が空回りして、無免許で医療行為を行うことを加速して行ってしまったのではないか?この問題点は、現代の医学の現場の問題点でもあるでしょう。■無免許という生き方を選ぶ 間 黒男医師の免許を持たず、手術を行い、なぜ闇医者になってしまったのか?社会や組織の腐敗、諦め、ただ目の前の人を救いたい思いを貫くため、自分で生きていく、自分の思う通りに好きなように生きていくと決めたからではないでしょうか?日本の社会のほとんどすべてがシステム化されてしまい、個性を尊重する宣伝の割には「個」を主張して生きていくのが難しいのが今の日本の実情です。「個」を主張すれば、程度の差はあれど集団からは疎外される傾向にあります。そして多くの人間は、その疎外感に耐える事ができる程強くはありません。しかし、間 黒男 は、日本から疎外され、医師会から疎外され、多くの市民からも疎外され、あらゆる疎外の中で「個」を保ち続けます。間 黒男 は自分を必要としてくれる者、信じてくれる者の為だけに生き、命を救い続けています。こんな時代だからこそ、 間 黒男 が私たちに問いかけている「好きなように生きる。自由に生きる」という本当の意味を、私達自身が受け取ることが出来ているだろうか・・。こんな事を考えさせてくれる「ヤング ブラック・ジャック」は、アニメでありながらすでに文学の域に達しているアニメ作品ですね。文章:kyouei-あにこ間 黒男 はなぜ闇医者になったのか?「ヤングブラックジャック」を乙女に勧める理由(あにぶ編集部/あにぶ編集部)
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