
『ライブ&エビル&デモンズ』坂本浩一監督の魅力とは 【篠宮暁の特撮ヤベーイ!】第23回
ピン芸人・オジンオズボーン篠宮による大好きな特撮に特化したコラム『オジンオズボーン篠宮暁の特撮ヤベーイ!』。第23回は、公開中の『仮面ライダーリバイス』のVシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』の坂本浩一監督を深掘りする。【動画】『リバイス』日向亘&小松準弥&前田拳太郎が決めセリフ連発で観客大歓声! 絶賛公開中の『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』。リバイスの後日談として描かれたこの作品はフェニックスの後継組織、ブルーバードとして平和を守る五十嵐大二と門田ヒロミの活躍を堪能することができる。特にヒロミは今まで通りのヒロミとこれまでに見たことのないヒロミを見ることができ、どちらも最高にかっこいい。 この『ライブエビルデモンズ』の監督をされてるのは坂本浩一監督。元々は海外版の戦隊であるパワーレンジャーにて監督、アクション監督を務められ、その手腕は日本でも認められ仮面ライダー、スーパー戦隊、そしてウルトラマン作品と制作会社の垣根を越えて活躍する非常に珍しい監督である。坂本監督はハリウッド仕込みのさまざまなアクションテクニックや撮影方法を日本に持ち込んだことで日本の特撮の可能性を大幅に広げた。坂本監督の演出はクレジットで確認せずとも坂本監督回とわかるほど特徴的だ。代表的なものをあげるとまずワイヤーアクション。香港アクション映画では多用されていたワイヤーアクションを特撮でも使用し、ヒーローの超人的な動きをより伝わりやすくした功績は相当なもの。2010年の夏に公開された仮面ライダーWの映画『FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』では仮面ライダーWの乗るバイク、ハードボイルダーごとワイヤーで吊り上げ、見たことのないアングルで躍動する仮面ライダーWとそのバイクアクションにとてつもなく興奮したことを覚えている。坂本監督自身、特撮のファンであるということは広く知られており、2011年の年末に公開された『フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』では栄光の7人ライダーという仮面ライダーストロンガーの最終回にて1号からストロンガーまでが全員そろった伝説の回のメンバーを平成に復活させた。1号と2号がそろってゲスト出演する際、マスクの色味に差異がないことがほとんどなのだがこの栄光の7人ライダーでの登場時は2号のマスクが黒に塗られていたため、MEGA MAXではそれをも再現するこだわりをみせた。そしてここでももちろんワイヤーアクションが用いられ、昭和の時代には見られなかった動きをする昭和ライダーを見せてくれた。当然昭和、平成のライダーファン問わずに歓喜の声をあげたことは言うまでもない。このようにファンが望んでるものを演出してくれることが非常に多く、近年ではマストとなった多種多様のフォームチェンジを監督が演出する時には凝縮して一気に見せてくれたり、登場機会の少なかったフォームにもう一回スポットライトをあててくれたりしてくれる。 すごいのは何もワイヤーアクションだけではない。通常のアクションを見ても手数が細かいスピーディーなアクションをつけることが多く、小気味いいリズムで展開されるテンポがいいアクションはとても気持ちがいい。さらに監督はベビーパウダーを使用し攻撃が当たったところに煙を立たせることで戦いの臨場感をより表現する。そして監督はこの一連のアクションをスーツを着たアクターさんだけでなく変身前のキャストにもよくさせる。変身させずに素面で、しかも手数が多ければ、ほぼほぼ坂本監督の演出であることは間違いない。ベビーオイルによって体をてからせることで汗をかいた緊迫感ある演出をすることも多く、しかも監督は綺麗な女性が、細かくいえば女性の太ももが好きというのも有名な話で、太ももがテカテカの女優さんが手数多めのアクションに加えワイヤーで飛んでいたらそれはもう120%坂本監督の作品である。 この演出、当然今回のライブ&エビル&デモンズでも見ることができるのでこれから見に行く方はそのあたりを注目して見てみるとより深く楽しめると思う。
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