
ビートたけし、昨今のお笑い界を憂うも希望見出し「もうそろそろ第4の時代」
タレントのビートたけしが、8日、東京・浅草の東洋館にて行われた『第5回「江戸まち たいとう芸楽祭」たけしが認めた若手芸人 ビートたけし杯「お笑い日本一」』に参加。同祭の実行委員会名誉顧問として、放送作家でタレントの高田文夫氏とお笑いコンビ・ナイツ(塙宣之、土屋伸之)とともに、若手芸人の熱い戦いを見届けた。【写真】たけしも絶賛!舞台上でトロフィーと賞状を受け取るハンジロウ 同大会は、若手芸人の支援・育成を目的に、たけしが名誉顧問を務める『江戸まち たいとう芸楽祭』にて“第2のたけし”を発掘するとともに、たけしが修行を積んだ浅草を“お笑いの聖地”として再認識し、世に発信するために開催されている。 きょう行われた本戦には、関東圏内に所在する芸能プロダクションや演芸場など推薦を受けた芸歴約20年以内の若手100組以上がエントリーし、予選を勝ち抜いた8組が出場。初出場となったハンジロウが見事優勝に輝いた。 大会終了後、高田氏とナイツ、優勝コンビのハンジロウとともに、報道陣の取材にも応じたたけし。はじめに高田氏は、「たけしさんが「ハンジロウじゃねぇか?」と言ったんです。『たけし杯』と言っているからには、その意見に乗ろうと思ったけど、ナイツにも聞いたら、『アイツらは意外と(芸歴が)長くて、いろんなネタをもっていますよ』と。だったら、今回優勝しても大丈夫だなと思った」と選考の経緯を語った。 ナイツの土屋は、「ハンジロウはマセキの後輩。僕らは賞レースから遠のきがちなので(笑)、事務所総出で喜んでいる」と誇り、塙は「新聞の見出しみたいなことを言うと、“ハンジロウの春”だなと」と、『菊次郎の春』になぞらえたボケを繰り出した。 ハンジロウのしゅうごパークは、「芸歴20年目にして、『しゃもじ』という芸名から『ハンジロウ』に変えた。その直後にこうやって賞をいただけて、改名効果かなと思っています」と胸を張る。たーにーは、「ほかのコンビがよかったので、半ば諦めていた。とにかくうれしいです」と率直な思いを伝えつつ、賞金の使い道について「子どもの公文の月謝を1年間払い忘れていたので、賞金はそちらに」といい、笑いを誘った。 たけしは、「前はモニターであまりに下手くそな奴らばっかりだったんで、大丈夫かなと思ってたけど」と毒を吐きつつ、「今年の奴らは腕がいい」と笑顔を見せた。その一方で、「だけど、若いのに舞台慣れしちゃってるなっていう怖さもある」とし、「好きなことが言えない時代にお笑いを目指している人はつらいだろうなと思う。そういう一番つらい時代を乗り越えて、いろんなネタをためて頑張ってほしい」と、ハンジロウに伝えていた。 さらに、「我々の頃は、お笑いがお年寄りの娯楽みたいなところもあって」と切り出し、「演芸場に行ってもそういう漫才ばかりでつまんねぇなと思っていた」「その後どんどん若手が出てきて、テレビが便乗して過激な発言をしても許された」と回顧していった。 そして、現在のお笑い界については「今はすっからかんな不毛地帯みたい」ときっぱり。コンプライアンスなどによる発言の不自由さにも触れ、「今の若手が、化学薬品で育った植物に見えてきて。有機農業のすごさを感じられない時代が来ている」と持論を展開し、現状を嘆いた。 しかし最後には、「でも、もうそろそろ第4の時代じゃないけど、有機の時代でいいっていうきらいが出てきたんで、ブームになれば新しいネタと笑いのスタイルが生まれてくる。やっと不毛の時代が終わる」と希望を口にした。■『第5回「江戸まち たいとう芸楽祭」たけしが認めた若手芸人 ビートたけし杯「お笑い日本一」』出場者(五十音順)・オッパショ石(広田ハヤト、蒲谷ユウキ)・センチネル(大誠、トミサット)・TCクラクション(古家曇天、坂本NO.1)・ハンジロウ(たーにー、しゅうごパーク)・ポンループ(鈴木駿佑、アミ)・まんじゅう大帝国(竹内一希、田中永真)・や団(ロングサイズ伊藤、本間キッド、中嶋享)・ヤーレンズ(楢原真樹、出井隼之介)
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