
熱血アニメ列伝その2 過激にFire!『 マクロス7 』の主人公バサラの歌声が熱い!
皆さん、前回の「熱血アニメ列伝」の第一回目はいかがでしたか?今回も熱いアニメを一つ紹介していきますよー。今回ご紹介するのは、マクロスシリーズの、とある作品です。熱血アニメ列伝その1 オイルが沸騰する!『 疾風!アイアンリーガー 』の魅力 | あにぶ以前、今の時代だからこそ「熱血系のアニメを見て欲しい」というコラムを書きました、あすかつぐよしです。この記事を書いてから友人・知人に、「あすかさんのお勧めの熱血系アニメって?」と何回も聞かれました。以前の記事を読んで、同じように思った読者の方も多いかもしれません。 http://anibu.jp/09feb2 あにぶ「え?マクロスって三角関係とか歌姫が歌ってるとかってイメージしかないけど……?」なんて人も多いかもしれませんね。特に、00年代の大ヒット作になった『マクロスF』でマクロスを知った方には、そういう印象が強いかもしれませんね。しかし、今回お勧めするのは、実に熱い!マクロスの中でも、かなり異色な作風が有名な『マクロス7』です!■「とにかく俺の歌を聴け!!」 マクロス7 の熱気バサラが熱いのだ!『 マクロス7 』は、数あるマクロスシリーズの中でも、テレビシリーズとしては2つ目の、1994年に放送が開始された作品です。さきほども少し触れた 『マクロスF』 のイメージが強い人にとっては、この作品を見たら、恐らく「かなり面食らう」のではないかと思います。物語のあらすじとしては、2009年のゼントラーディ人との星間戦争終結後、地球は「種の拡散」を目的とした、長距離移民船団が、新天地を求めて宇宙を旅していました。そんな移民船団の中の一つ、「マクロス7船団」がこの作品の舞台になります。ある日、マクロス7船団に、謎の敵が攻めてきます。船団の護衛隊が応戦するものの、敵は謎の技術でパイロットを「生きる屍」状態にしてしまい、船団は劣勢を強いられます。激しい戦闘が繰り広げられる戦場の中、一つの赤いバルキリーが飛び出していきます。その「ファイアーバルキリー」を駆るのは、ロックバンド「FireBomber」のボーカル、「熱気バサラ」!彼は、敵味方が生死を賭けた戦いをしている中、「自分の歌」を聞かせる為だけに戦場でバルキリーを駆けさせます。味方のエリート部隊の「ダイアモンド・フォース」のエースパイロット「ガムリン木崎」にも、最初は散々になじられ、バサラはその行動を否定されます。しかし、ただ、戦場で歌い、愛機ファイアーバルキリーを駆るバサラの行動に、次第に周りが理解をしめすようになっていき……。と、いうのが基本的なストーリーです。凄いのが、本当に、このアニメの主人公「熱気バサラ」はバルキリーに乗りながら戦闘をしません。バルキリーのガンポッドから発射されるのは「スピーカーポッド」と呼ばれる相手に音楽を聞かせる装置だけ。マクロスと言えば、バルキリーによるアクロバッティングな戦闘シーンを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、この『マクロス7』の中では、主人公がしているのは、ただ敵の弾丸を避けるだけ。後はただ機体を動かして、歌います。とにかくひたすら歌います。そんな彼を「お前のやっている事は何の意味もない!」とか「戦闘中に邪魔だ!」とかなじる人達もたくさんいます。軍人だけではなく、マクロス7船団の中に住んでいる一般人の人達も、最初は彼の行動を非難してばかり。ほとんどバサラの行動を支持する人なんていません。でも、彼は歌うのです。「戦闘なんてくだらねえぜ!俺の歌を聴け!」と叫びながら、敵が彼の歌を聴いて何かが起こる訳でもないのに、ただひたすらに歌うのです!熱い魂を込めて!この姿に胸を打たれるのです!この男の行動が熱くないとしたら、何が熱い行動なのか?と思えるぐらい、彼はただ己れの歌を聴いて欲しくて、戦場でバルキリーを駆って歌います。一度、彼が誤ってバルキリーに搭載されているミサイルを敵に撃ってしまうエピソードの時に、しばらくバサラは悩んでいるような描写があります。戦争を描くロボットアニメで、主人公がミサイル一発撃って悩むって!でも、そこがバサラの良さなのです!当時は今ほどではないものの、男性が中性的になっていってる世の中にあって、バサラは己の信念をとにかく貫きます。この作品の魅力は、イコールこの「熱気バサラ」の魅力と言っても過言ではないでしょう。■熱気バサラのカリスマ性も マクロス7 の魅力を引き出している!『 マクロス7 』は、劇中歌も魅力の一つです。バサラ達のバンド「FireBomber」のファーストアルバムは、当時のオリコン初登場4位を記録するなど、セールス的にも高評価を得ていますが、ファンの間でも未だにその劇中歌は根強い人気があります。『マクロスF』をご存知の方なら、アルトの上司であり、ランカの兄であるオズマが作戦名に「PLANET DANCE」なんて名づけていたのを覚えている人もいるかもしれません。実は、この「PLANET DANCE」は、バサラ達の「FireBomber」の楽曲の一つ。オズマは、熱気バサラをリスペクトしている設定なのでした。マクロス世界でも、その影響力の高い「熱気バサラ」ですが、現実世界でも、彼の評価は唯一無二の存在、と言っても良い状態です。よく、「マクロスシリーズ1の歌姫は誰か?」なんて、ネット等で話題になる事がありますよね。まとめサイトなんかでも、この話題は鉄板のネタの一つです。ランカ、シェリルなどの名だたる歌姫の中に、平然と彼の名前が出てきます。「バサラでしょ」と。歌姫って言ってるのに!一定数の人が、このくくりでも、「熱気バサラ」の名前をあげてしまうほど、彼のシンガーとしてのカリスマ性の高さが伺えます。ちなみに、熱気バサラの劇中での台詞は、声優の神奈延年さん(当時は「林延年」名義)が当てていましたが、バサラの楽曲のボーカルは全て歌手の「福山芳樹」さんが担当されています。彼の名前は知らなくても、『武装錬金』の主題歌「真っ赤な誓い」や、『オーバーマン キングゲイナー』の主題歌「キングゲイナー・オーバー!!」を聞いた事がある人は多いかもしれません。この福山さんの歌声もバサラのシンガーとしての魅力を後押ししたのは間違いありません。バサラソングの何曲かに、聞くだけで目から汗を流す事があるほどの思いいれを持っている人も多数います。個人的には、青春のほろ苦さを思い出す「REMEMBER 16」や、旅に思いを馳せる内容のOVAのOP「DYNAMITE EXPLOSION」なんかは、目から熱い汗がほとばしるぐらいの感動を聞く人に与えます(個人の感想です)。この『 マクロス7 』のバサラの魅力と熱い歌の数々、是非実際に目にしてみて欲しいです。アニメ配信サイトなら、気軽に見ることが出来ますし、DVDレンタルもされているので、探し易いアニメの一つだと思います。今回の記事で気になった方は、是非見てみてください。もうすぐ始まる、マクロス新シリーズ『マクロスΔ』の前に見ると、もしかしたら「ニヤッ」とする場面もあるかもしれませんしね。 筆者:あすかつぐよし (あにぶ編集部/あにぶ編集部)
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