
英国版『生きる』予告編&特報解禁 主演のビル・ナイはゴールデングローブ賞候補に
黒澤明の不朽の名作『生きる』(1952年)を英国でリメイクした『生きる LIVING』(2023年3月31日公開)で主演を務めたビル・ナイが、「第80回ゴールデングローブ賞」主演男優賞にノミネートされた。米現地時間12日に発表された。あわせて、予告編(60秒)と特報(30秒)が解禁となった。【動画】英国版『生きる』予告編&特報 脚本は、小説『日の名残り』、『わたしを離さないで』などで知られるノーベル賞作家カズオ・イシグロ。1953年、第二次世界大戦後、いまだ復興途上のロンドンを舞台に、余命宣告された男が人生を見つめ直し、新しい一歩を踏み出す物語。監督は2011年に『Beauty(原題)』でカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナスが務めた。 『ラブ・アクチュアリー』、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどに出演している英国の名優ビル・ナイが演じるのは、役所の市民課に勤める公務員のウィリアムズ。 ピン・ストライプ背広に身を包み、山高帽を目深に被ったいわゆる“お堅い”英国紳士。同じ列車の同じ車両で通勤し、部下に煙たがられながらも事務処理に追われる日々を過ごしていた。家では孤独を感じ、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていた。そんなある日、彼は医者からがんであることを宣告され、余命半年であることを知る。 彼は歯車でしかなかった日々に別れを告げ、自分の人生を見つめ直し始める。手遅れになる前に充実した人生を手に入れようと、仕事を放棄し、海辺のリゾートで酒を飲みバカ騒ぎをしてみるが、なんだかしっくりこない。病魔は彼の身体を蝕んでいく…。 ロンドンに戻った彼は、かつて彼の下で働いていたマーガレット(エイミー・ルー・ウッド)に再会する。今の彼女は社会で自分の力を試そうとバイタリティにあふれていた。そんな彼女にひかれ、ささやかな時間を過ごすうちに、彼はまるで啓示を受けたかのように新しい一歩を踏み出すことを決意。その一歩は、やがて無関心だったまわりの人々をも変えることになる。 解禁された予告編、特報には、余命幾ばくも無いことを宣告されたことにより、それまでの自分の人生を振り返り、「生きることなく、人生を終えたくない」と静かに、しかし心の中は懸命に、熱く生きることを選んだウィリアムズの姿が描かれる。そして、黒澤明監督作『生きる』での名シーンを彷彿とさせる誰もいない公園での“ブランコ”シーンも。 今年1月のサンダンス映画祭でプレミア上映され、べネチア国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭、トロント国際映画祭、東京国際映画祭といった世界の映画祭で上映され、オスカーへの期待も高まっている。「第80回ゴールデングローブ賞」の授賞式は、現地時間2023年1月10日午後8時から開催される。
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