
映像クリエイター発掘&育成プロジェクト:現役高校生監督がコロナ禍を描く
オンライン動画配信サービス「Hulu」を運営するHJホールディングスが主催する35歳以下を対象とした新世代の映像クリエイター発掘&育成プロジェクト「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ(通称:HU(エイチユー)35)」の第2回ファイナリスト5組の中から、最年少の16歳、現役高校生、カワイ・ヒバリ監督の作品『そこに光があるなら』を紹介する。【画像】撮影現場のカワイ・ヒバリ監督 「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ」は誰もがスマートフォン1つで簡単に映像作品を作り、発表できるようになった現代ならではの創造力に富んだ若きクリエイターたちとともに新しいエンターテインメント作品を発信することを目指して、Huluが立ち上げたクリエイター発掘&育成プロジェクト。応募資格はプロ・アマを問わず、「35歳以下であること」。 第2回の応募者の中から昨年9月27日に実施された「ファイナリスト選考会」で選ばれた5組は、自らが監督・脚本を務め、Huluで配信する「映像作品」を完成させるため、映像制作のプロのサポートを受け、約3ヶ月にわたり、脚本づくりと制作準備を進めてきた。制作費は各1500万円。 ファイナリスト5組の作品は、制作過程に密着したドキュメンタリーとあわせて、4月からHuluで配信予定。その後、グランプリの副賞として賞金100万円と、Huluオリジナル新作の監督権の獲得がかかった最終審査会と授賞式も4月に予定されている。授賞式では、Hulu会員からの投票により決定するオーディエンス・アワード(賞金50万円)の受賞作品も発表する。■16歳の現役高校生監督がコロナ禍を描く カワイ・ヒバリ監督は、コロナ禍によって中学最後の夏休みを奪われた自身の経験を基にした企画で、ファイナリスト選考会をトップ通過。以前から日常で感じたことを「物語」として書き続けてきた蓄積によって、年齢を感じさせない豊かな想像力と確かな執筆力で『そこに光があるなら』を書き上げた。 中学3年生の主人公が自分たちの手でコロナによって奪われた大切な時間を取り戻そうとする物語。京都に住む中学3年生の紗苗。コロナ禍で学校行事も部活動も停止になった中学最後の冬、同居していた祖母がコロナで亡くなってしまう。祖母との最期が喧嘩別れとなってしまった紗苗は悲しみや自責の念を晴らすために、同級生の桃子、麻弓、剛と共に、コロナのために中止となったあるイベントを自分たちの力で決行しようと計画を立てる。 本作のストーリーには、カワイ・ヒバリ監督自身が感じた、やり場のない後悔が落とし込まれており、プロのサポートを受け、リアルな青春ドラマへと昇華させた。 主人公の紗苗役を演じるのは中島瑠菜(16)。同級生の桃子役を南琴奈(16)、麻弓役を田畑志真(17)、剛役を田中奏生(17)ら、今後の活躍が期待されるフレッシュなキャスト陣が等身大の役柄を演じる。物語のキーとなる紗苗の祖母・美奈子役として美保純が参加している。 「撮影終わりにそのまま学校に向かった」というキャストからの目撃エピソードもある現役女子高校生のカワイ・ヒバリ監督は「とにかく無我夢中でした。撮影期間は今まで感じたことないくらいあっという間に過ぎていって、でも毎日初めての経験が待っていて、楽しさやワクワクとともに駆け抜けられたと思います。友情!とか愛情!とか青春!とかを、ポップでキュートに描けたのではと思っています。中学生のたくましさを観てみてください!」と力強いコメントを残している。 紗苗役の中島は「35歳以下という企画だから出会うことができた、同い年のカワイ・ヒバリ監督とご一緒できたことが本当にうれしかったです。カワイ監督は自分の中に強く思い描いているものがあって、撮影していく中でいろんな意見やアドバイスなどを取り入れながら、芯を強く持って自分の作品にしている姿がかっこよかったです。監督の曲げない強さを見て、自分もそうなりたいと思いましたし、尊敬しています」と、カワイ監督をリスペクトしてやまない。 美保は「私が出演したシーン自体は長くはありませんでしたが、パンデミックの3年分を振り返ったようでした。監督のような若い世代はコロナ禍をどのように感じていたのかと気になっていたのですが、大人よりもつらいことを我慢していたのかなと感じました」と感想を述べた。また、カワイ監督について「ニュートラルな表現を何パターンもできる方だと思っています。若い方には新しい作品の作り方にどんどんチャレンジしてほしいです」と、エールを送っている。
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