
『犬王』LAで琵琶演奏付き上映が大盛況 アカデミー賞へ風を起こせるか
アカデミー賞の前哨戦としても注目される「第80回ゴールデングローブ賞」(ハリウッド外国人記者協会主催)のアニメ映画賞にノミネートされ、現地時間10日にロサンゼルスで行われた授賞式に出席した監督の湯浅政明、琵琶監修の後藤幸浩の現地での写真が到着した。惜しくも受賞は逃したが、翌11日に実施したQ&A・琵琶演奏付きのイベント上映は満席となり、関心は一層高まっている。【写真】チケット完売のQ&A・琵琶演奏付きのイベント上映の模様 『犬王』は、「平家物語 犬王の巻」(著:古川日出男)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚との強烈な友情と《能楽》の世界を鮮烈な視点で描いた作品。湯浅監督×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)らクリエイター陣に加え、犬王役でアヴちゃん(女王蜂)、友魚役で森山未來が参加。昨年5月28日に全国121館で封切られてから7か月をこえる今もロングラン上映を続けている(累計観客動員数24万人、累計興行収入3.5億円※1月12日現在)。 上映イベントでは、本作において琵琶監修のみならず、劇中曲の演奏、作譜、さらには友魚の師匠・谷一の声優まで多岐にわたる活躍を見せる後藤が薩摩琵琶で、谷一と友魚が壇ノ浦で出会うシーンから千人琵琶に連なる楽曲を新しいアレンジで奏で、会場の観客・メディアを熱狂させた。 Q&Aで湯浅監督は、「歴史から消えてしまったものをやることに意味があると思ったんです」と話し、歴史的な時代背景と現代のロックオペラの融合については「琵琶の後ろ弾きに関しては、1600年前の中国の壁画にも琵琶の後ろ弾きが描かれていたと知って、“ギターや琵琶を持つと必ず後ろ弾きする人が現れるんだ”と思いました(笑)」と明かし、会場の笑いを誘った。 音楽だけでなく世界中のさまざまなスタイルのダンスについても称賛を受け、「世界中で、犬王たちのようにいろんなことにチャレンジしてきた人がいることを表現したかった」と全米に向けて熱い想いを語り、大きな歓声と拍手の中、イベントは幕を閉じた。 現地時間今月24日に予定されている「第95回アカデミー賞」ノミネーション発表にも大いに期待したいところだ。
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