小児がんなど重い病気と闘う子どもへ向けた「アート介在療法」国内26施設が導入
小児がんや重い病気の子どもたちを支援するシャイン・オン！キッズは、1月1日(日)より大阪市北区の医学研究所北野病院に「アート介在療法」である「ビーズ・オブ・カレッジ プログラム」を導入した。2009年に茨城県立こども病院にて日本で初めて開始されて以来、国内26施設で実施されている。小児がんや重い病気の子どもたちを支援ビーズ・オブ・カレッジは、入院中の患児とその家族に対して治療ごとに意味のあるビーズをつないでいく「アート介在療法」のひとつ。アメリカで開発され、海外では多くの病院で標準治療となっている。シャイン・オン！キッズは、ビーズ・オブ・カレッジを展開できる組織として認証を受けた、日本で唯一の団体だ。同プログラムにおいて、子どもたちは治療の過程を色とりどりのガラスビーズで記録していく。例えば、輸血したときは赤いビーズ、髪が抜け始めたときは顔のビーズなど、処置や治療ごとに決められたビーズを、ビーズ大使である医療スタッフと会話しながら子どもが自ら繋いでいく。ビーズを繋ぐことを通して、自分が乗り越えてきた治療を振り返り、勇気や希望を実感し、自分の人生に自信を持ち、自己肯定感を高める。自分に起きていることを可視化することで、客観的にとらえ周囲の人にも説明ができるようになるという。「医学研究所北野病院」が導入今回、近畿ブロックの小児がん連携病院の指定を受ける医学研究所北野病院で、「ビーズ・オブ・カレッジ プログラム」が導入された。これにより、プログラム導入施設は国内で26カ所、大阪市では3病院目となる。同院の小児科主任部長・塩田光隆先生は、“これまでも当院でたくさんの小児の血液腫瘍疾患のこども達、そしてそのご家族と出会ってきました。その様な状況にあるこども達に、ビーズ・オブ・カレッジ プログラムを通じて、医療スタッフと関係をつくりながら、こども達も医療チームの一員として治療に取り組み、一緒に頑張っている自分を認め、それを誇りに感じてもらい、そして治療へのモチベーションとなってくれることを期待していますし、また、こども達が頑張っている自分、頑張ってきた軌跡を誇る姿に、ご家族も勇気づけられることでしょう。”とコメントしている。3名のビーズ大使が誕生2月8日(水)、オンラインでビーズ大使研修が実施され、臨床心理士・保育士・医療ソーシャルワーカーの3名のビーズ大使が誕生した。ビーズ大使研修では、プログラムの意義や患児への効果、また医療者側にとっての有効性などについて学ぶ。後半には、ビーズ大使のためのビーズを使用し、ビーズつなぎの楽しさを実際に体感。2009年の国内初導入以来、これまでに1,000人以上のビーズ大使が誕生している。国内で26施設が導入する「ビーズ・オブ・カレッジ プログラム」を、この機会にチェックしてみて。シャイン・オン！キッズ：https://ja.sokids.org/医学研究所北野病院：https://www.kitano-hp.or.jp/(江崎貴子)
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