コード進行がエモすぎる!「 田中秀和 」【Creator’s File of Anime Song:File5】

ずいぶんとお久しぶりになったような気もしますね。どうですか? アニソン楽しんでいますか?


筆者は『Creator’s File of Anime Song』の記事を書けずにいる間もアニソンを満喫していましたよ!


さて、『Creator’s File of Anime Song』第5回目で取りあげるクリエイターは「田中秀和」さんです。


クリエイター・田中秀和にフォーカスします。


このページの目次

1 「 田中秀和 」ってどんな人?2 創る楽曲の特徴3 発表している楽曲3.1 「灼熱スイッチ」3.2 「カレンダーガール」3.3 「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」3.4 「花ハ踊レヤいろはにほ」3.5 「神SUMMER!!」3.6 「Star!!」3.7 「オリジナルスター☆彡」4 「田中秀和」をもっと知りたい方は…5 『Creator’s File of Anime Song』について
■「 田中秀和 」ってどんな人?

田中秀和氏はアニメ・ゲーム・声優などにさまざまな楽曲を提供している作曲・編曲家です。現在は音楽制作を主とするクリエイター集団「MONACA」の一員として幅広く活躍されていますね。


楽曲提供先は実に多様ですが、女性ボーカルの楽曲を多く手掛けられているような印象があります。「アイドルマスター」シリーズや『アイカツ!』、声優ユニット「Wake Up, Girls!」などへの楽曲提供がその最たる例でしょうか?


それら以外にも、アニメのOP・EDやキャラクターソング、劇伴もたくさん創られていますよ。筆者は田中秀和氏のことを認識する前から氏が作曲・編曲された楽曲を聴きまくっていましたね。知らず知らずのうちに聴いていた田中秀和氏の楽曲がいくつあったことか…


そんな田中氏ですが、年齢は31歳(2018年11月現在)とかなりお若いんです。活動開始時期からまだ10年経っていないとのことですが、10年足らずであれだけの名作を生み出されるとは、恐れ入りますよ。


若いながらもさまざまな楽曲を創られている彼ですが、どのような楽曲を手掛けられているのでしょうか?


■創る楽曲の特徴

田中氏が創る楽曲は女性ボーカルが映える楽曲が多いですね。女性ボーカルの楽曲を手掛けることが多いというのもありますが、彼が創る楽曲ではボーカルが活き活きしているような、そんな感じがしますね。特に複数人の女性が歌っている楽曲は素晴らしいです。


あとは、楽曲のコード進行に特徴があります。田中氏の楽曲はよく「コード進行がすごい」「コードが難しい」と言われるらしいですね。筆者自身、コードに詳しくないのであまりきちんとしたことは言えないのですが、どうやら田中氏が創る楽曲には「Blackadder Chord」と呼ばれるコードが頻出するそうです。


この「Blackadder Chord」は、楽曲のなかに出てくるつなぎと言いますか、メロディー同士の接続を滑らかにするために使われるコードらしいんですよ。そのコードを巧みに使っているのが田中氏の楽曲なんです。


ちなみに、筆者も田中氏の楽曲をいろいろと聴いて確認しましたが、「Blackadder Chord」については「なんとなくわかるような、わからないような… でも、まあわかるような気もする」くらいにしか理解できていません。


筆者はこのような体たらくですが、田中氏が創る楽曲たちが素晴らしいのは確かです。以下では田中氏が創った楽曲のなかからおすすめのものを紹介してゆきますよ!


■発表している楽曲

「灼熱スイッチ」



「灼熱スイッチ」は2016年に放送されたアニメ『灼熱の卓球娘』のOPテーマとして発表された楽曲です。歌っているのは、アニメに登場するメインキャラクターで結成されたユニット「雀が原中学卓球部」です。


こちらの楽曲では作曲・編曲を担当されています。アニメ放送時から2018年11月現在に至るまで、幾度となく聴いてきた楽曲ですね。いわゆる、「中毒」ですよ(笑)


この「灼熱スイッチ」の何がイイかって、もう全部です!


イントロからヤバいですよね。ギターリフがめちゃくちゃ筆者好みなんですよ。あと、これはイヤホンで聴くとわかりやすいのですが、A・Bメロでピンポン玉が跳ねるような音が鳴っているんです。その音が左右交互に鳴るんです。交互に鳴る音は、さながら卓球のラリーです。おそらく、「灼熱の卓球娘」という作品に合わせて卓球っぽさを演出しているのだと思いますが、左右交互に鳴り響く軽快な音が気持ちいいんですよ!


それともう一つ。ベースが色っぽいんですよ。筆者が低音好きというのもあるとは思いますが、ホントにたまらないですね~。


田中秀和楽曲を誰かにオススメするときは、「灼熱スイッチ」を一番に挙げる。このくらいには好きな楽曲となっています。みなさんもとりあえずこの曲は聴いてください!


「カレンダーガール」



「カレンダーガール」は2012年から2016年にかけて放送されていたアニメ『アイカツ!』の初代EDテーマとして発表された楽曲です。正確には、2012年に放送されていた『アイカツ!』1stシーズンの前期EDテーマですね。歌っているのは、本作のために結成されたユニット「わか・ふうり・すなお from STAR☆ANIS」です。


この曲では作曲・編曲を担当されています。この「カレンダーガール」ですが、どうやら『アイカツ!』ファンのなかでは名曲と名高い楽曲らしいですよ。筆者自身は『アイカツ!』について詳しくなく、この楽曲を通じてはじめて『アイカツ!』、ひいては「アイカツ!」シリーズに触れたような状況です。いやはやお恥ずかしい…


まあ、それは置いておいたとして、実際に楽曲を聴かせていただいたのですが、名曲と言われる理由がわかりますね。


まず、女児向けアニメとは思えない曲調に驚きました。「えっ? ホントにこれ女児向けの曲?」と思ったのが第一印象でしたね。


そんな第一印象を抱きながらじっくりと聴いていった結果、ドハマりしました。


この曲はぜひともイヤホンで聴いていただきたいですね。イントロの左右に振られた音で一気に引き込まれ、その後はエモさ爆発なメロディーに身を任せてください。程よく響く低音、アップテンポで楽しげな曲調…


はぁ~、最高…!


ちなみに、歌詞では女の子の日常を描いています。『アイカツ!』的には登場するキャラクターたちの日常とリンクするのでしょうが、それを抜きにしてもイイ歌詞だなと思います。


「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」
「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」は2016年に放送されたアニメ『あんハピ♪』のOPテーマとして発表された楽曲です。歌っているのは、アニメに登場するメインキャラクターで結成されたユニット「Happy Clover」です。


この曲でも作曲・編曲を担当されています。聴いたことがある人には理解してもらえると思いますが、「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」は電子ドラッグです。一度聴いたが最後、「もう一度聴きたい」「ずっと聴いていたい」「早く聴かせろ」「もうこれが無いとダメだ」といった感じでこの曲の虜になってしまいます。


何が言いたいのかと言いますと、この楽曲は異常な中毒性を有しているんですよ。実際、この曲を聴いた筆者の友人は、「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」中毒になりました(笑)


まあ、かく言う筆者も一時期は重度の「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」中毒を患い、日夜この曲を聴きまくる生活を送っていたことがあるんですけどね…


激しい中毒性をもつ「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」ですが、この曲はメロディーとテンションがとんでもないことになっています。特にイントロ部分、「PAN-PAN PUNCH☆MIND PAN-PAN-PAN-PAN パンチ☆マインド」からはじまるハイテンションな歌詞に脳みそを揺さぶられますが、その後ろで流れているメロディーをよく聴いてみてください。


おわかりですか?


イントロのメロディー、完全に不協和音なんですよ!


インストバージョンを聴けばすぐにわかりますが、めちゃくちゃな音なんですよね。それを不協和音と感じさせずに楽曲にしているところがすごいんですよ。


イントロ以降はハイテンションな歌詞とアップテンポなメロディーが襲ってきます。Aメロで元気な感じを出し、Bメロで少し落とす。そしてサビで爆発するという楽曲構成も聴いていて楽しいですよ。


あと、この楽曲にはソロバージョンがあるんです。そのなかでも花守ゆみりさんが演じる花小泉杏が歌うソロはヤバいですよ。通常バージョン以上に中毒性が高くなっています。もしそちらのバージョンを聴かれるのであれば、用法容量を守って正しくお聴きくださいね…


「花ハ踊レヤいろはにほ」



「花ハ踊レヤいろはにほ」は2014年に放送されたアニメ『ハナヤマタ』のOPテーマとして発表された楽曲です。歌っているのは、アニメに登場するメインキャラクターで結成されたユニット「チーム”ハナヤマタ”」です。


この曲でも当然のように作曲・編曲を担当されています。この曲の発表って2014年なんですね。というか『ハナヤマタ』ってそんなに前なんですね…


この曲もイイですよね。アニメのOPらしいキャッチーさを残しつつ、どこか儚げな雰囲気を醸し出している不思議な曲です。OPに多いキャッチー、ポップ、アップテンポに傾倒しているわけでもないように思える。でも、耳に残るし、明るさも感じさせるし、サビのテンポは良いし、と何だかよくわからない曲ですね。


わからないながらも聴いているうちに、気づけば中毒に… 、という楽曲ではないかと思います。現に筆者がそういった経緯で中毒になりましたからね(笑)


あと、この楽曲ですが、コード進行が相当複雑なことになっているそうです。不勉強な筆者ではその複雑さがイマイチわからないのですけど…


もし、コードのこととかがわかる人はそういった視点からこの楽曲を聴いてみるのも面白いかもしれませんよ。


とりあえず、筆者はちょっと音楽の勉強をしたいと思います。


「神SUMMER!!」
「神SUMMER!!」は2011年に放送されたアニメ『THE IDOLM@STER』第5話の挿入歌として発表された楽曲です。歌っているのは、765プロダクションに所属するアイドル7人(天海春香・高槻やよい・双海亜美・双海真美・萩原雪歩・水瀬伊織・四条貴音)です。


この楽曲の作曲・編曲ももちろん田中氏です。2011年に発表された『神SUMMER!!』はアイマスの新しい夏ソングとして今では定番の楽曲になりましたよね。


明るくてキャッチー、聴くだけで気分は夏真っ盛り。夏に聴くのがピッタリなのはもちろんですが、それ以外の季節に聴いても楽しい楽曲になっています。


ブラスっぽい音も聴いていてテンションが上がりますよ。Bメロで少し落として、サビでグンと上げるという楽曲構成もイイですよね。アニソンやアイドルソングの王道をしっかりと押さえている素晴らしい楽曲だと思います。


ちなみに、この楽曲は田中氏のアイマス初参戦楽曲ですね。今では「シンデレラガールズ」への楽曲提供を多数行なっていますが、田中氏とアイマスの関係はここからはじまったんですよ。


「Star!!」



「Star!!」は2015年に放送されたアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』1st SeasonのOPテーマとして発表された楽曲です。歌っているのは、アニメに登場するアイドル企画「CINDERELLA PROJECT」です。


この楽曲の作曲・編曲も田中氏ですよ。この曲は死ぬほど聴きましたね。というか、現在進行形で聴いています。スマホ向けゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」にも実装されていますので、主にはゲームプレイ中に聴いています。


ゲーム中で幾度となく聴いていますが、この曲は飽きませんね。毎日聴きたい曲というよりも、ふとした瞬間に聴きたくなる、戻ってきたくなるような楽曲だと思います。


メロディーは非情にノリやすく、はじめて聴いたとしてもコールをすることができそうなほどわかりやすい楽曲になっています。楽曲構成や盛り上がりのポイントなどもはっきりしているので、ライブで映えるでしょうね。


あと、この曲はアニメを視聴しているとより感情移入してしまいますね。輝くために努力しているシンデレラたちのことを思うと、涙が出てしまいます。「アイドルマスターシンデレラガールズ」で担当しているアイドルがいるとなおさら感情移入してしまいますよ。


まあ、アニメとか担当アイドルとかを抜きにしてもイイ曲なので、一度聴いてみることをオススメします。


「オリジナルスター☆彡」



「オリジナルスター☆彡」は2012年から2016年にかけて放送されていたアニメ『アイカツ!』のEDテーマ、具体的には2013年に放送された『アイカツ!』2ndシーズンの前期EDテーマとして発表された楽曲です。歌っているのは、本作のために結成されたユニット「わか・ふうり・すなお・れみ・もえ・えり・ゆな・りすこ from STAR☆ANIS」です。


もうわざわざ書く必要もないかもしれませんが、田中氏はこの楽曲でも作曲・編曲を担当されています。この曲は先に紹介した「カレンダーガール」を通じて知ったのですが、これまた良曲ですね。「カレンダーガール」のアンサーソング的な楽曲になっており、「カレンダーガール」よりもディスコ感マシマシになった楽曲です。


「オリジナルスター☆彡」はとにかく筆者の琴線に触れまくっています。しっかりと存在感があるベースの低音、聴いているうちに自然と体が動いてしまうノリの良さ、止めるところでパシッと止めるキレの良さ、それらすべてをまとった楽曲に漂うエモさ。


 


最高すぎますよね?


 


ギターもイイですよね。若干スラップ気味なギターの音が楽曲のエモさを引き立てています。2番の途中に入るギターソロも意味わからないくらいカッコいいですよ。今さらではありますが、どう考えても女児向けアニメの楽曲ではないですね。


あと、Cメロに入るところも素晴らしいです。あのよくわからないことになっているメロディー、そしてその後の「キラキラもっと瞬いて ひとりずつのスターライト」のところ。ここがすごく好きです!


作詞がこだまさおり氏なので、『アイカツ!』のストーリーともバチっとマッチしていることでしょう。


兎にも角にも、とりあえず聴いてください。絶対に後悔はしませんから!


■「田中秀和」をもっと知りたい方は…

ここまでで、田中秀和氏についてあれやこれやと紹介してきました。


この記事で田中秀和氏に興味をもち、「もっと知りたい!」「ほかにはどんな楽曲を創っているの?」と思われた方もいるのではないでしょうか。


そういった方々のために、以下では田中秀和氏について知ることができるサイト等を紹介しておきます。


田中秀和Twitterアカウント:https://twitter.com/monaca_tanaka


MONACA公式サイト:http://www.monaca.jp/
みなさんもクリエイター・田中秀和に注目して、アニソン・ゲーソンを聴いてみてくださいね。


■『Creator’s File of Anime Song』について

アニソンを創るクリエイターを紹介する企画『Creator’s File of Anime Song』では、ライター・タングステンが毎回一人のクリエイターにフォーカスした記事をお届けしております。


クリエイター本人のことや創る楽曲の特徴、実際に発表されている楽曲など幅広く紹介することで、みなさんにアニソンを創る人を知ってもらいたいと思っています。


企画『Creator’s File of Anime Song』への感想は、ハッシュタグ #CFAS を添えたツイートで教えていただけると嬉しいです。


次回の『Creator’s File of Anime Song』も乞うご期待!


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女性ボーカルがキラリと光る!「 橋本由香利 」【Creator’s File of Anime Song:File4】





(あにぶ編集部/タングステン)
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