特訓!特訓!!魔球を編み出す天才土佐っぽ 番場蛮 の生き様

特訓!特訓!!魔球を編み出す天才土佐っぽ 番場蛮 の生き様

野球とは命がけ!?(そんなわけないが)を熱く熱く語りかけてくる、一生に一度は見ておくべき痛快野球アニメ、それが『侍ジャイアンツ』であり、番場蛮(ばんば ばん)であり、そのライバル達である。


ここでは、『 侍ジャイアンツ 』の番場蛮を中心に、あらすじ追ってみたいと思う。


このページの目次

1 川上監督の苦悩2 視察3  番場蛮 巨人軍入団4 二軍生活5 ハイジャンプ魔球で一軍へ6 エビ投げハイジャンプ魔球7 大回転魔球8 分身魔球9 縦分身魔球10 決着11 「侍ジャイアンツ」と「巨人の星」の比較
■川上監督の苦悩

日本シリーズ8連覇をほぼ手中にしながらも、次の1点を取るため送りバントで確実にランナーを進める、そんな手堅いジャイアンツ野球を観客たちから面白くない野球だと非難の罵声が飛ぶ。


それは名将川上哲治監督自身が自覚していることだった。野球理論を逸脱した豪傑を切望する川上監督に「バンババーン!!」と紹介したのが蛮の高校の先輩の八幡太郎平(はちまん たろへい)である


■視察

八幡に連れられて番場蛮の試合を観戦にやってきた川上監督と長嶋茂雄。そこで蛮は顔面デッドボールを受けながら「当たってねえものは当たってねえ!」と否定。


打ち直しの結果、大ホームランを放つ。


投げては、恐ろしいほどのノーコンではあるがバックネットに食い込むほどの剛球に、ふたりは驚嘆するのだった。さっそくスカウトを送り込むが、蛮は大のジャイアンツ嫌い。その理由を聞くと


「強いからよ、クジラのようにでけえからよ、球界という大海原で威張ってるからよ」


クジラ捕りの名人といわれた蛮の父は、クジラに飲み込まれて死んだのだった。


それ以来、大きくて威張ってるものが大嫌いだと言う。


■ 番場蛮 巨人軍入団

そんな蛮にジャイアンツ入団を決意させたのは母ちゃんの言葉であった。蛮の父はクジラに飲み込まれたあと、クジラの腹を突き破って死んだのだった。


「おまえも父ちゃんの子なら、一度はクジラに飲み込まれてみい」


かくして、蛮は「ジャイアンツの腹破り」を宣言し巨人軍へ入団するのだった。


■二軍生活

当初、『腹破り』と聞いた川上監督はチーム内をガタガタにする事かと心配するが、ジャイアンツの中で突き抜けた存在になる事と知りこれを受ける。


眉月光や大砲万作、ウルフ・チーフといったライバルたちも名乗りを上げ、さらに闘志を燃やす蛮であった。


氷の上での投球練習や、トランポリンの真ん中に開けた穴にボールを通すなどの猛特訓の末にノーコンを克服する。しかしオープン戦で金田正一監督によって投球のクセを見破られオリオンズ打線に打ち込まれてしまう。


速球だけでは通用しないと悟った蛮は変化球を模索し始める。


既存の変化球に頼るより、独自の球を編み出すことを考え、いよいよ魔球の開発に取り組むこととなる


■ハイジャンプ魔球で一軍へ

工場で落下したスパナが車のボンネットに突き刺さるのを見て、落下速度を加えれば・・・と発想で考えたハイジャンプ魔球。高く飛び上がり、上空から投げ下ろす魔球である。


蛮が想いを寄せる美波理香のオートバイから逃げ回りながら、人間離れした跳躍力を会得して完成させた。


これにまず立ち向かったのがアトムズ(スワローズの前身)の天才ルーキー眉月光(まゆづき ひかる)である。完全試合を予告した蛮に対し、それを阻止しようと特訓を始める。


「和尚、次の矢を!」


お寺の長い石段の上から弓矢名人の和尚に矢を射てもらい、片ひざを着いた上空を見上げる打法でバットの芯で捉えるという特訓を行う。しかし試合では、普段使わない筋肉を酷使してしまったため、満足にバットが振れなくなり、とっさに取った作戦がピッチャー前へのバント。


ハイジャンプ魔球の弱点を突く見事な作戦と思われたが全身筋肉痛のため走れず、その場に突っ伏して動けなくなってしまう。


結果、予告ノーヒットノーランは達成されてしまったのであった。


蛮対眉月の試合を観戦して実際にハイジャンプ魔球を攻略したのが、ドラゴンズの超大型ルーキー大砲万作(たいほう まんさく)である。山の上から切り出されてくる丸太を斧で真っ二つにする特訓で、眉月が模索した打法を完成させ、見事にハイジャンプ魔球を攻略。大砲の打球を足に受けた蛮は骨折し病院へ搬送される


■エビ投げハイジャンプ魔球

しかし、ただでは転ばない蛮は入院先のベッドで、エビのように上体を反らして投げるエビ投げハイジャンプ魔球を考え出し、大砲と再戦、今度は大砲の腕を折ってしまうのだった。


蛮の活躍を知って「オレの体に流れる荒野の血が騒ぐのだ!」とウルフ・チーフはスクリュー打法を引っさげて来日する

当初ボールの出所が見えずタイミングを取ることに苦戦するものの、もともと野人のごとく身体能力の高いウルフは蛮と同じ高さまで飛び上がることでそれを克服。


打たれた蛮は自らマウンドを降り、そのまま姿を消してしまう。


■大回転魔球

蛮を心配する八幡先輩のもとに一本の電話がかかってくる。それは蛮の居所を知らせるものだった。


駆けつけた八幡先輩が見たものは、樽の中に入って転がるという特訓で新魔球の開発に取り組む蛮の姿であった。かくして八幡先輩の協力の下、体をコマのように回転させて投げ込む大回転魔球は完成される。


これは投げ出される手元が見えずタイミングがとれない上に、遠心力を利用して投げ込んでくるため、球速も球質も凄まじく、バントしようとしても体ごと吹っ飛ばされてしまうほどであった。


一番手にウルフ、続いて大砲が挑戦するが、ことごとくこれを退ける。そこで立ちはだかったのが眉月である。


眉月の華奢な体では攻略は無理と思われていたが、逆にこれを利用した特訓を始める。バスターのように始めからホームベース上にバットを構えた状態で、ボールを捉えた後、あえてバッターボックスの後方へ押し込まれることで勢いを殺し、フルスイングでスタンドへ運ぶというもの。


こうしてハイジャンプ魔球のリベンジを果たすのであった。



■分身魔球

魔球が打たれたことで大荒れの蛮だったが、投げつけた欠けた皿が左右に揺れるのを見て新魔球のヒントを得る。重心をずらせばいい、それにはボールを握りつぶすことだと気付いた蛮であった。


八幡先輩の友人の空手の達人の助力もあって分身魔球を獲得し、自信満々でタイガース戦に臨んだ蛮であったが、超人的動体視力の持ち主ウルフ・チーフに「分身の一点を打つのみ」と打たれてしまう。


■縦分身魔球

ウルフには通用しないのかと失意の蛮に、負傷療養中の長嶋茂雄が電話で助言を送る。長嶋から受けたヒントから、下手投げからの縦分身魔球を繰り出しウルフを退けた。


日本シリーズで対戦するのは「分身魔球の弱点は雨」という知将野村克也監督率いる南海ホークス。悪天候に悩まされながらも、シャワー室で石鹸を使った特訓でこれを破りジャイアンツを9年連続の日本一に導く世界一決定戦。


そして、急遽アメリカチャンピオンのアスレテックス(モデルはアスレチックス)との日米ワールドシリーズが開催されることとなる。


空港での出迎えで最強のライバルになるロジー・ジャックス(モデルはレジー・ジャクソン)を知る。ジャックスは秘密特訓として、ウルフ・チーフの前で武道の達人が投げたヌンチャクを打ち返してみせる。


縦分身魔球をスコアボード直撃弾された蛮は、グランドから姿を消す


■決着

世界一を賭けたシリーズはどちらも譲らず最終戦へ。一旦は逃げ出した蛮だったが、「まだ、試してない球があるじゃないか」とライバルたちに励まされグランドへ戻ってくる。しかし、蛮が繰り出すそれまでの魔球も、「クラシック魔球」とことごとく打ち返す。


これまでの色々な魔球を一度に投げた結果、体に痛みが走り苦悶する蛮であったが、そんな中で思いついたのは、ボールを握りつぶして、ジャンプして、大回転して・・・全部混ぜ合わせたフォームで投げ込まれた新魔球は、不規則に分身するものであった。


(ジャックス言うところの)「ミラクルボール」に驚いたジャックスは闇雲にバットを振り回して三振、八幡も体でボールを受け止める。


ジャックスを見事に三振に取った蛮はMVPに選ばれ、川上監督も最高の賛辞を贈って物語は終わる。


■「侍ジャイアンツ」と「巨人の星」の比較

原作者は「巨人の星」の梶原一騎である。そのためか「巨人の星」と酷似してる部分が多く、よく対比される作品である。「巨人の星」とは、魔球を使って巨人を勝利に導く、金持ちでイケメン、デブ、外国人とライバル達、彼らとの熱い友情もありという点では同じだが、そんな「巨人の星」と同じフィールドに放り込まれた主人公が、生真面目な星飛雄馬と正反対の明朗な暴れん坊の番場蛮である。


そして、あの宮崎駿も第一話の製作に携わってる。よく見るとそれらしい表現があちらこちらに散見される。そして25話では、「およげ!たいやきくん」の子門真人が主題歌を歌っている。知らずに見入っていると、「あれ、この声は・・・?」と思うかもしれない。


文章:kyouei-百百太郎


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(あにぶ編集部/あにぶ編集部)
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