アニメを好きになったばかりのあなたに知ってほしい、宮崎駿の出世作『 ルパン三世 カリオストロの城 』の魅力
現代においてはモンキーパンチと宮崎駿の W ネームなど奇跡のようなコラボレーションだと思います。しかし、期間も資金もない状態でたったの 4 ヶ月間で製作されたアニメーションだということは知る人ぞ知るお話しです。
しかも宮崎駿にとっては『ルパン三世 カリオストロの城』がアニメーション映画の処女作です。
過酷な製作現場だったことは容易に想像できます。原作がしっかりしていたというのも成功の要因かもしれません。当時の宮崎駿は日本アニメーションで高畑勲らと『赤毛のアン』のレイアウトや場面設定を担当していましたが、これを降板して『カリオストロの城』を選んだのも、やはりモンキーパンチの原作が魅力的だったことが影響していると思います。
ストーリーはルパン三世と王女クラリスのロマンス&アクションで構成されています。
『ルパン三世 カリオストロの城』では峰不二子の存在感がやや弱い印象があります。そして、クラリスというヒロインの方が際立って存在感を示しています。原作がどこまで具体的だったのかはわかりませんが、宮崎駿ならではのアクションシーンが爽快な作品が『ルパン三世 カリオストロの城』なのです。
このページの目次
1 『 ルパン三世 カリオストロの城 』のストーリー2 ルパンの「ロマンチストさ」と「優しさ」でいっぱいの『 ルパン三世 カリオストロの城 』3 クラリスの切ない運命と、彼女の窮地に奔走するルパンの姿に胸熱!
■『 ルパン三世 カリオストロの城 』のストーリー
画像引用元:原作:モンキー・パンチ©TMS
今回のルパン三世はカジノから盗み取った大金が「ゴート札」と呼ばれる偽札だったことをきっかけに、その製造元だと噂されるカリオストロ公国への侵入を目論みます。
その道中、何者かに追われカーチェイス状態にあるウェディングドレスを着た少女を助けます。カリオストロ伯爵に少女は結婚を強要されていたのです。ルパンと次元は少女を車から救いあげたにも関わらず、間一髪、船で連れ去られてしまいます。その少女が落としていった指輪を見てルパンは少女がカリオストロ公国の王女だということに気づきます。
カリオストロの大公の館を訪れたルパンと次元は 7 年前の火事で大公夫妻が亡くなっていたことを知ります。ということは、王家の後継者は王女クラリスになるはずなのですが、現実は摂政であるカリオストロ伯爵が国を治めていたのです。
ルパンはゴート札とクラリスという二つの縁をもってカリオストロ城に潜り込みます。ルパンが伯爵に「花嫁は頂きます」と予告状を送った頃に、五右衛門が合流し、カリオストロ城には銭形警部が現れます。
更に峰不二子は城内で、ゴート札の謎に迫っていた。
ルパンがカリオストロ城に侵入し、軟禁されていたクラリスにゴート文字が刻まれた指輪を返します。その後ルパンはゴート札の製造所を発見し、銭形警部に偽札であることを説明します。銭形警部はすぐさまインターポールに援軍を要請します。ルパンは過去にもカリオストロ城に侵入したことがあり、その時命を救ってくれたのが幼き日のクラリスだったことを明かします。
カリオストロ伯爵に指輪も奪われたルパンはクラリスと伯爵の結婚式に潜入し、反撃を開始します。
■ルパンの「ロマンチストさ」と「優しさ」でいっぱいの『 ルパン三世 カリオストロの城 』
原作者のモンキーパンチが、自分では描けない世界観と絶賛したこの作品は、ルパンの優しさとロマンティスト気質がコミカルに描かれています。宮崎駿監督は処女作にして自分の作品の世界観をしっかりと表現していたのです。作中、支配欲とエゴにまみれたカリオストロ伯爵と大泥棒でありながらロマンと愛情に富んだルパンの対照的なキャラクターに心をがっしりと掴まれます。
大人の男性の戯れた心を描くのがモンキーパンチの『ルパン三世』の真骨頂でしたが、『カリオストロの城』では、どちらかというと純朴な王女・クラリスの女心を掴む騎士的な存在としてルパンが描かれています。
物語中盤の、軟禁されているクラリスを安心させるためにルパンが手品をして見せるシーンは見所です。
ラストシーンでのルパンの
「俺のために薄汚れちゃいけないよ」
というセリフと銭形警部の
「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
というセリフはアニメーション映画史に残る名言です。
■クラリスの切ない運命と、彼女の窮地に奔走するルパンの姿に胸熱!
画像引用元:原作:モンキー・パンチ©TMS
今作のルパン三世は、お宝そっちのけでクラリスを守ることに命をかけます。その理由は遡ること 10 年前にルパンがカリオストロ城に潜入した際、瀕死の状態でカリオストロ大公の館にたどり着き、その時親身になって看病してくれたのがカリオストロ・ド・クラリス王女だったからです。
クラリスの切ない運命にルパンの方が感傷的になるラストシーンは、とても美しく、ルパン史上類を見ない貴重なワンシーンになっています。二つの指輪が時計台にはめられた時、ドラマティックなクライマックスが待っています。
『 ルパン三世 カリオストロの城 』は歴史に残るアニメーション映画としておすすめできる作品です。
タイトル
ルパン三世 カリオストロの城
監督
宮崎駿
放送期間
1979年12月15日
主な声優
ルパン三世:山田康雄
峰不二子: 増山江威子
次元大介:小林清志
石川五右エ門:井上真樹夫
クラリス・ド・カリオストロ:島本須美です。
製作会社東宝
東宝
公式サイト
https://www.lupin-3rd.net/mx4d/cagliostro/
文章:Sinichiro.S
次元大介 。ニヒルでダンディで、そしてヒップにはリボルバー
(あにぶ編集部/あにぶ編集部)
しかも宮崎駿にとっては『ルパン三世 カリオストロの城』がアニメーション映画の処女作です。
過酷な製作現場だったことは容易に想像できます。原作がしっかりしていたというのも成功の要因かもしれません。当時の宮崎駿は日本アニメーションで高畑勲らと『赤毛のアン』のレイアウトや場面設定を担当していましたが、これを降板して『カリオストロの城』を選んだのも、やはりモンキーパンチの原作が魅力的だったことが影響していると思います。
ストーリーはルパン三世と王女クラリスのロマンス&アクションで構成されています。
『ルパン三世 カリオストロの城』では峰不二子の存在感がやや弱い印象があります。そして、クラリスというヒロインの方が際立って存在感を示しています。原作がどこまで具体的だったのかはわかりませんが、宮崎駿ならではのアクションシーンが爽快な作品が『ルパン三世 カリオストロの城』なのです。
このページの目次
1 『 ルパン三世 カリオストロの城 』のストーリー2 ルパンの「ロマンチストさ」と「優しさ」でいっぱいの『 ルパン三世 カリオストロの城 』3 クラリスの切ない運命と、彼女の窮地に奔走するルパンの姿に胸熱!
■『 ルパン三世 カリオストロの城 』のストーリー
画像引用元:原作:モンキー・パンチ©TMS
今回のルパン三世はカジノから盗み取った大金が「ゴート札」と呼ばれる偽札だったことをきっかけに、その製造元だと噂されるカリオストロ公国への侵入を目論みます。
その道中、何者かに追われカーチェイス状態にあるウェディングドレスを着た少女を助けます。カリオストロ伯爵に少女は結婚を強要されていたのです。ルパンと次元は少女を車から救いあげたにも関わらず、間一髪、船で連れ去られてしまいます。その少女が落としていった指輪を見てルパンは少女がカリオストロ公国の王女だということに気づきます。
カリオストロの大公の館を訪れたルパンと次元は 7 年前の火事で大公夫妻が亡くなっていたことを知ります。ということは、王家の後継者は王女クラリスになるはずなのですが、現実は摂政であるカリオストロ伯爵が国を治めていたのです。
ルパンはゴート札とクラリスという二つの縁をもってカリオストロ城に潜り込みます。ルパンが伯爵に「花嫁は頂きます」と予告状を送った頃に、五右衛門が合流し、カリオストロ城には銭形警部が現れます。
更に峰不二子は城内で、ゴート札の謎に迫っていた。
ルパンがカリオストロ城に侵入し、軟禁されていたクラリスにゴート文字が刻まれた指輪を返します。その後ルパンはゴート札の製造所を発見し、銭形警部に偽札であることを説明します。銭形警部はすぐさまインターポールに援軍を要請します。ルパンは過去にもカリオストロ城に侵入したことがあり、その時命を救ってくれたのが幼き日のクラリスだったことを明かします。
カリオストロ伯爵に指輪も奪われたルパンはクラリスと伯爵の結婚式に潜入し、反撃を開始します。
■ルパンの「ロマンチストさ」と「優しさ」でいっぱいの『 ルパン三世 カリオストロの城 』
原作者のモンキーパンチが、自分では描けない世界観と絶賛したこの作品は、ルパンの優しさとロマンティスト気質がコミカルに描かれています。宮崎駿監督は処女作にして自分の作品の世界観をしっかりと表現していたのです。作中、支配欲とエゴにまみれたカリオストロ伯爵と大泥棒でありながらロマンと愛情に富んだルパンの対照的なキャラクターに心をがっしりと掴まれます。
大人の男性の戯れた心を描くのがモンキーパンチの『ルパン三世』の真骨頂でしたが、『カリオストロの城』では、どちらかというと純朴な王女・クラリスの女心を掴む騎士的な存在としてルパンが描かれています。
物語中盤の、軟禁されているクラリスを安心させるためにルパンが手品をして見せるシーンは見所です。
ラストシーンでのルパンの
「俺のために薄汚れちゃいけないよ」
というセリフと銭形警部の
「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
というセリフはアニメーション映画史に残る名言です。
■クラリスの切ない運命と、彼女の窮地に奔走するルパンの姿に胸熱!
画像引用元:原作:モンキー・パンチ©TMS
今作のルパン三世は、お宝そっちのけでクラリスを守ることに命をかけます。その理由は遡ること 10 年前にルパンがカリオストロ城に潜入した際、瀕死の状態でカリオストロ大公の館にたどり着き、その時親身になって看病してくれたのがカリオストロ・ド・クラリス王女だったからです。
クラリスの切ない運命にルパンの方が感傷的になるラストシーンは、とても美しく、ルパン史上類を見ない貴重なワンシーンになっています。二つの指輪が時計台にはめられた時、ドラマティックなクライマックスが待っています。
『 ルパン三世 カリオストロの城 』は歴史に残るアニメーション映画としておすすめできる作品です。
タイトル
ルパン三世 カリオストロの城
監督
宮崎駿
放送期間
1979年12月15日
主な声優
ルパン三世:山田康雄
峰不二子: 増山江威子
次元大介:小林清志
石川五右エ門:井上真樹夫
クラリス・ド・カリオストロ:島本須美です。
製作会社東宝
東宝
公式サイト
https://www.lupin-3rd.net/mx4d/cagliostro/
文章:Sinichiro.S
次元大介 。ニヒルでダンディで、そしてヒップにはリボルバー
(あにぶ編集部/あにぶ編集部)