冥王計画ゼオライマーは、全4話で描かれる濃厚な物語。


1988年から、ちみもりをさんの漫画を原作としたロボットアニメのOVAが発売されました。


その名も「冥王計画ゼオライマー(プロジェクトゼオライマー)」！


元となった漫画はアダルト要素が含まれていましたが、このOVAではそのような要素はほとんどなく、ロボットの戦いを楽しめるアニメになっています。


1話約３０分、全4話なので計２時間…映画を１本観るのと同じぐらいの時間で視聴することができ、取っ付きやすいかも？と思います。


ただ、内容はかなりシリアスで、主人公やその他のキャラクターの設定がとても濃いのです…！


■普通の少年、それが実は…？

主人公である「秋津マサト」は15歳の少年。両親と共に暮らしていましたが、ある日謎の組織「ラスト・ガーディアン」に攫われてしまいます。


両親が実の両親ではなかったこと、自分が試験管ベビーであること、そして「天のゼオライマー」というロボットに乗るために生まれてきたこと、などの事実をそこで知ることとなります。


困惑するマサトでしたが、敵対組織「鉄甲龍(ハウドラゴン)」が所有する八卦ロボのうちの１体「風のランスター」が出現したことによりゼオライマーがマサトに感応し、彼を機体の中に取り込みます。


何もわからない状況の中で戦えるはずもなく…しかし、戦いの中でマサトは突如豹変します。


「勝てる…」と邪悪な笑みを浮かべ、ゼオライマーによる圧倒的な力でランスターを殲滅。ですがその後正気に戻り、ゼオライマーとは何なのか…という疑問を抱えることになります。


その後の戦いの中でもピンチに陥りますが、その度に人格が変わり、高圧的で残忍な一面を見せつつ敵を圧倒します。


普段はただの大人しい少年、秋津マサト。ですがゼオライマーに乗ると一変して冷酷で無慈悲な人格へと変わってしまう…全ては彼の「正体」がカギを握っています。


画像引用元：(C)ちみもりを・AIC
■鉄甲龍と八卦ロボ

「鉄甲龍」は表向きは多国籍企業ですが、裏では世界征服を企んでいる秘密結社です。「幽羅帝(ゆうらてい)」という少女がトップに君臨しています。


「八卦ロボ」という強大な力を持つロボットを所有しており、ゼオライマーも本来ならば鉄甲龍のものであり、幽羅帝が搭乗する予定の機体でした。


先述の「風のランスター」に乗るのは幽羅帝の恋人「耐爬(たいは)」であり、彼を戦いへと送り込んだのも彼だけを特別扱いしてはいけない、という組織の長としての立場からの決断でした。


「火のブライスト」「水のガロウィン」「月のローズセラヴィー」「地のディノディロス」「山のバーストン」「雷のオムザック」、そして「天のゼオライマー」。それら８体が八卦ロボと呼ばれています。


機体によって姿や攻撃形態に違いがありますが、やはりゼオライマーの圧倒的な力の前では他の機体は霞んでしまう印象があります。


それぞれの機体に乗るパイロットたちもコンプレックスを抱いていたり、パイロット間で三角関係が展開されていたりとどこか人間臭さを感じる部分がありますね。


幽羅帝と耐爬の悲恋、パイロットたちの抱える悩み。敵対組織にもドラマ性が含まれており、この物語を語る上で重要な点と言えます。


■重要な役割を果たすヒロイン

ゼオライマーに搭乗するのはマサトだけではなく、「氷室美久」という少女も一緒に搭乗しています。


ですがコックピットには毎回マサトのみ。美久の姿はなく、いつも彼女の声だけが聞こえてきます。


その謎は物語が進む中で判明し、ゼオライマーを動かすため、敵を倒すためにはいなくてはならない存在となっています。


見た目はとても可憐な少女ですが、彼女の正体を知ると……驚くこと間違いなし、です！(視覚的にも少しショックを受けるかもしれません)


■ゲームでも大活躍

筆者は、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズでこの作品を知り、ゼオライマーの圧倒的な力強さに惹かれアニメを視聴しました。


筆者と同様にゲームで名前を知った、という方にもゼオライマーの力強さを再確認出来るこのOVAはお勧めです♪


とにかくゼオライマーが強すぎるんです…！自分も乗ってその力を思う存分使ってみたい！とワクワクしてしまう、そんなアニメです。


内容はシリアスですが、全４話でサクッと観れますし、ロボットだけでなくBGMもすごく恰好良い仕上がりとなっているので、いろんな点で楽しめますよ！


そして、「彼」が最後に下した決断を……見守ってほしいです。


 


熱血アニメ列伝その２６ メイオウ！『 冥王計画ゼオライマー 』





『冥王計画ゼオライマー』ダークでハードな退廃的ロボットアニメ





(あにぶ編集部/のいせ)