漫画家・花村えい子の大ヒット作『霧のなかの少女』再販開始!フランス語版も発売決定

漫画家・花村えい子の大ヒット作『霧のなかの少女』再販開始!フランス語版も発売決定


1966年「週刊マーガレット」(集英社)に連載され、2007年に小学館クリエイティブより刊行された、漫画家・花村えい子さん作『霧のなかの少女』の復刻版が、7月8日(土)より全国の書店、オンラインブックストアにて再販されている。価格は3,080円(税込)。

時代を先取りした家族ドラマ



『霧のなかの少女』は、1966年「週刊マーガレット」に連載された花村えい子さんの大ヒット作。

――奈津子は幸せな子供だった。大企業で働く父親のもと、不自由なく豊かな生活を送っていた。しかしある日、北海道旅行で霧の中の不思議な少女とすれ違ったとき、彼女はそれまで知らなかった家族の秘密を知ることになる。この出会いは彼女の人生にどんな影響を与えるのだろうか?母親の過去に起きた悲劇とは?月日が経つにつれ、奈津子は想像していた以上に早く成長しなければならなくなる...。

恋愛ストーリーはご法度の時代に、主人公の親の恋愛を描き、時代を先取りした家族ドラマだ。

数々の記録を残す『霧のなかの少女』


当時ライバル2大少女マンガ誌で1人の作家の作品が同時に掲載されることはあり得ないことだった。「週刊少女フレンド」(講談社)で『青い髪の少年』を連載中、人気があったために担当編集者がなかなか連載を終わらせず、最終回が引き伸ばされているうちに、「週刊マーガレット」(集英社)で『霧のなかの少女』が連載スタートした。講談社と集英社の同時掲載は、手塚治虫さん以来のことだった。

そして『霧のなかの少女』は、1975年「家庭の秘密」(TBS)というタイトルでドラマ化される。少女マンガ初の夜9時のゴールデンタイムでのドラマ化となった。この頃は“マンガは子供のもの”と捉えられていた時代。少女マンガ原作の実写ドラマはスポーツ根性ものやコメディーばかりで、大人向けのドラマ化には業界内でも批判の声が上がったという。しかし秋吉久美子さん・池上季実子さん主演、そして「あの日にかえりたい」(松任谷由実さん 当時・荒井由実さん)が主題歌という話題性も加わり大ヒット。昨今の少女マンガ実写化の先駆けになった。

さらに、ドラマと同時進行で、花村えい子さんによる小説版「家庭の秘密」や、ドラマ版をヒントに主人公の年齢を引き上げたセルフリメイクコミック『白い慕情』(小学館)も出版された。

フランスの出版社より翻訳版も発売決定



また、フランスの出版社AKATAより、『霧のなかの少女』翻訳版が2023年秋に発売予定。フランス語版のタイトルは「Autant en emporte la brume」。

出版を記念して、複製原画展もパリにて開催。パリ、ルーブル美術館地下 カルーセル・ド・ルーブルにて10月20日(金)~22日(日)に行われるアートフェアに出展し、原画の鮮やかな彩りや生命力溢れる筆遣いを限りなく再現した高品質ジクレー版画を展示・販売する。『霧のなかの少女』の漫画原画もジクレーとして蘇る。

花村えい子さんの代表作『霧のなかの少女』を、この機会に読んでみては。

完全復刻版 霧のなかの少女 詳細:https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784778030391
花村えい子 公式サイト:http://www.eiko-hanamura.com

(鈴木 京)
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