10月から放送決定!年一発刊ペースの「 ドリフターズ 」ってどんな作品?

10月から放送決定!年一発刊ペースの「 ドリフターズ 」ってどんな作品?

先日、待望の ドリフターズ 5巻が発売され、ツイッターをはじめとして「やっときたー!!」の声が溢れていたこの作品。まだ読んだことがない!という人もいらっしゃるのではないでしょうか!


英国の吸血鬼討伐機関「ヘルシング機関」と吸血鬼による軍隊「ミレニアム」、さらにカソリック聖職者による「イスカリオテ機関」による三つ巴の戦闘を描いた「HELLSING」を描いた平野耕太先生の作品。


あれは戦闘描写の迫力が圧巻でしたが、今回注目すべきはその兵法や戦術!!


なにせ歴史上の策士が大量投入されている作品なので、歴史好き、軍記好き、ミリタリー好きの人もガッツリ楽しめる作品です!!


■「 ドリフターズ 」は歴史上の人物が魅力的なキャラ付けで登場!


とはいっても、史実の年齢や老若男女に関係なく全員美形の若者になっていたり、全員が美少女になっていたりはしません。

老齢のキャラクターは老齢のまま、青年のキャラクターは青年のまま、少女のキャラクターは少女のままです。

しかしそのキャラ付けが、非常に魅力的!!

まず島津豊久、織田信長、那須与一をメインに据えるあたりが面白いです。戦国系のゲームをプレイしたことがない人は、この作品で見るまで島津氏は斉彬くらいしか知らなかったという人もいるんじゃないでしょうか。


関ヶ原で伯父、義弘の身代わり(捨てかまり)となって果てたはずの豊久。


「妖怪・首おいてけ」と称されるような功名餓鬼として描かれ、徹底して空気を読まず、薩摩でのちょっと過激な教えを体現したキャラクターとなっています。





だからこそ、戦闘時の羅刹のごとき姿と、日常時のどこかぼんやりとあどけなさすら感じるギャップが魅力的。

織田信長に関してはもうほとんどいうことがないほど有名ですね!!

刀の鞘に車輪つけたり、柄に縄を巻いたり、口にしづらいアレな模様の湯帷子を着たりしたあの人です。

周囲の人間からは奇抜と思われるような発想を以て第六天魔王の名を欲しいままにしていただけあって、作中で披露される戦術やある種のえげつなさはさすがです。


それでも、身分にこだわらず民衆とも仲が良かったとされるその人柄のとおり、50歳過ぎてなお厨二全開の趣味でキャッキャしたり、どこか人好きのするキャラクターです。


那須与一に関しては軍記しか資料がないという存在が疑問視されている人物ですが、その恩恵かかなり好きなように描かれている感じで非常に楽しい!


源氏に対する忠誠心は持ちつつも、源義経公に対しては「あの人ホント頭おかしい」と愚痴り、頼朝公に関しても「出来る家臣は次々と殺すのがいいんですかねー、あーやだやだ」と愚痴り、あの時代のやり方に不満は持ちまくっているキャラの様子。


しかし源平合戦の際に扇を射ち落としたとされるその技術は作中ではさらにものすごい技量となり、読者を戦慄させてくれます。


■時代を超えて集う様々な戦術が「 ドリフターズ 」を盛り上げる

この作品、様々な時代で死亡したはずの人物、または行方不明になった人物が一堂に会して人類VS非人類の陣営に分かれての戦闘を繰り広げるので、各時代の戦術を駆使した戦闘シーンは非常に盛り上がります!


特に第二次ポエニ戦争の英雄であるハンニバルとスキピオ、戦国時代の寵児織田信長、太平洋戦争の名提督山口多聞がじわじわと集結の兆しがある今後には注目せざるを得ません!!


しかも敵側にはロシア革命時の怪僧ラスプーチン、源平合戦の悲劇役である源義経、織田信長の仇敵明智光秀、新撰組副長土方歳三などクセのある策士キャラクターが揃っているので、戦いが熾烈になるにつれ否が応にもワクワクしてきます。


さらに敵軍大将である黒王がおそらく「あの人物」であることを考えると、ここから先なにが起こるのかと期待ばかりが高まります。

火薬のなかった時代のキャラクターが銃を見、馬や牛で移動していたキャラクターが飛行機を見、そしてそのさらに逆、機械での索敵に頼っているキャラクターがそれに頼らぬ技術を見ることになっていく物語。


文化と技術の錯綜によって織りなされるこの作品、残念ながら年に一回の発行なので非常にギリギリしますが、その面白さは折紙つき!!

まだ読んだことないなーという人、是非この機会にどうぞ!!


(あにぶ編集部/井之上)
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