
Ave Mujica、謎に包まれたヘヴィサウンドの真実 才気あふれる5人が生み出すアンサンブルの実像【インタビュー前編】
次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』から生まれたリアルバンド・Ave Mujica(アヴェムジカ)が13日、初のCD作品となるミニアルバム『Alea jacta est』をリリースした。【写真】アニメ最終回でキャスト発表!シーンに“賽を投げる”Ave Mujica初のCD作品 同バンドは、ミュージックビデオやデジタルシングル、映像、SNSを通じて提示される謎をユーザーが紐解くという、“現実”と“仮想”を交差させる形でコンテンツを展開。6月4日に『Ave Mujica 0th LIVE「Primo die in scaena」』で初めてファンの前に姿を見せた。 キャラクター/キャストともに謎に包まれたまま初ライブを終え、14日に放送されたアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』13話でついに“結成”。佐々木李子(Gt&Vo、ドロリス/三角初華役)、渡瀬結月(Gt、モーティス/若葉睦役)、岡田夢以(Ba、ティモリス/八幡海鈴役)、米澤茜(Dr、アモーリス/祐天寺にゃむ役)、高尾奏音(Key、オブリビオニス/豊川祥子役)の5人からなるバンドであることが明かされた。 前編となる本インタビューでは、5人の楽器歴や音楽観などパーソナルな側面に迫る。『0th LIVE』で多くのファンに衝撃も与えたアンサンブルは、はたしてどのように作り上げられているのだろうか。■五者五様の音楽&楽器遍歴を告白――まずはみなさんの楽器歴を教えていただけますか?【佐々木】ギターは中学生くらいのときに一度独学で挑戦したことがあったんですが、途中で挫折してしまって…。でも、歌手活動をスタートさせるにあたって、作詞や作曲といったクリエイティブな面にも力を入れようと思って再開したんです。歌は小学校2年生くらいからずっと続けていて、ポップス、ロック、ジャズなど、さまざまなジャンルの曲を歌っていました。Ave Mujicaのようなジャンルは歌ったことがなかったんですが、こういったダークな世界観の曲が大好きなので、歌っていてすごく楽しいですね。【渡瀬】私はAve Mujicaに入ってからギターを始めました。よく「いきなり7弦ギターから始めるのは大変だったでしょう?」と聞かれるのですが、7弦からスタートすることの特殊さもわからないくらい無知でした(笑)。なので、Ave Mujicaのお話をいただいたときも「とにかく挑戦してみよう」という気持ちでした。【佐々木】私は6弦のエレキとアコギしか弾いたことがなかったので、ネックの太さなど押弦の感覚が全然違っていて…。そういう点では、ゆずむん(渡瀬)と同じく新しい楽器に挑戦しているような感覚でした。【岡田】私は小学校のときにピアノを習っていたんですが、楽器経験として言えるのはそれくらいでした。でも、Ave Mujicaのお話をいただく3ヶ月くらい前に、ふと「声優としてお仕事をしていく上で、自分の強みや特技を作りたい」と思ってベースを習い始めていたんです。そうしたらこのお話をいただけて…すごく運命を感じました。【米澤】私は小学4年生の頃にドラムを始めて、そこから中学、高校、大学…と趣味でバンドをやり続けていました。ずっとドラム一筋で、上京したキッカケもドラムだったんです。【高尾】私は3歳の頃からクラシックピアノをやっていました。ミラノのピアノコンクールで1位をいただけたりもして、当時は本気でピアニストを目指していたんです。バンドで演奏したのはAve Mujicaが初めてで、ほかの楽器と音を合わせる感覚がすごく新鮮でした。――『0th LIVE』も拝見しました。なので、ウソはやめましょう。…本当の経歴は?(笑)【全員】ウソじゃないです!(笑)――そう言いたくなるほどの演奏クオリティーでした(笑)。9月14日放送のテレビアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の最終回では、あのライブの最後をそのまま再現したようなライブシーンが流れました。【佐々木】本当にみなさんに感謝です。誰にも言えないままずっと練習して来られたのは、この5人だったからだと思いますし、サポートしてくださったスタッフさんや、何も明かされていない状態にもかかわらず『0th LIVE』に足を運んでくださったファンの方など…もう感謝しかないんですよ。【渡瀬】だからこそ、ずっと顔を隠しながらライブを重ねてきたMyGO!!!!!のすごさが身にしみます。初めてMyGO!!!!!が顔出しをした『MyGO!!!!! 4th LIVE「前へ進む音の中で」』も現地で観ていたのですが、涙が止まりませんでした。私たちはまだ1度しかライブをやっていませんが、個人練習やリハーサルは1年以上続けてきたので。【米澤】すごく長く感じた1年間でした。私はキャラクターのモーションキャプチャーでも参加させていただいたので、実際にキャラクターが演奏しているシーンを観て、「あの撮影がこうなるんだ!」という感動もありました。【渡瀬】『0th LIVE』は謎に包まれた状態でのライブでしたが、次のライブからはキャラクター、そして私たち自身の演奏として観ていただけるんですよね。【岡田】もうドキドキしてきちゃった(笑)。キャラクターとリンクするパフォーマンスができるのも楽しみです。――謎だらけの『0th LIVE』だったからこそ、その後アニメのストーリーが進むにつれて「SCHECTERの7弦ギターを使っている子がいるぞ?」といった予想も白熱していきました。【高尾】そういったファンのみなさんの考察を見るのが、私たちも楽しみだったんです。「この時点でもうわかるの!?」っていつもビックリしていました(笑)。■楽器プレイヤーとして分析するAve Mujicaの魅力――みなさんの視点から、Ave Mujicaの音楽的な魅力はどんなところだと捉えていますか?【渡瀬】ギターだと、リードリフやソロのカッコよさかなと思います。私は基本的にバッキングがメインなのですが、「ふたつの月 ~Deep Into The Forest~」などでは単音弾きにも挑戦していて…。カッコいいなと思いつつ、すごく緊張もしています(笑)。【佐々木】私もソロや単音弾きは初挑戦だったので、いまだに緊張します(笑)。でも、練習を重ねていくうちに「もっと感情を込めてみよう」「重めのニュアンスをつけてみよう」といった気持ちも出てきて、難しいけど楽しませてもらっています。【岡田】それを歌いながら弾くんですよ? 本当にすごい。【渡瀬】私も楽しみながら弾けるようにがんばります! 単音フレーズになると緊張するし、手もとに集中してしまうので…。【佐々木】『0th LIVE』で「ふたつの月 ~Deep Into The Forest~」を披露したとき、ゆずむんと背中合わせで弾いたんですけど、単音のときにグッと力が入ったのが伝わってきました(笑)。【渡瀬】なんか恥ずかしい!(笑)――曲中には単音でのユニゾンフレーズも登場しますが、練習はどのように?【渡瀬】個人練習に加えて、りこち(佐々木)との合同練習もするようにしています。フレーズの練習というよりも、音の伸ばし方や切り方をしっかり合わせるための練習ですね。【佐々木】音源に合わせて個人で練習するときも、例えば右側で私のギター、左側でゆずむんのギターがなるように調整して弾いたりもしています。――ベースはいかがですか?【岡田】手強い曲だと思うのは「Choir ‘S’ Choir」。みんながオモテ拍でリズムを取っている中で、ベースだけウラなんですね。あと、テンポの速さやフレーズの細かさもあり、実は曲中でダウンピッキングとオルタネイトピッキングを使い分けているんです。そんな風に挑戦しがいのある曲が多いんですけど、「Ave Mujica」はとにかく弾いていて楽しいです(笑)。特に三拍子に変わるセクションのフレーズはお気に入りですね。【米澤】あのベースフレーズ、私もすごく好き。いつも口ずさんじゃう。――米澤さんが思うAve Mujicaのドラム的ポイントは?【米澤】セッティングでしょうか。私自身、ずっと1タム1バスのシンプルなセットで叩いてきたので、ツーバス仕様でたくさんのシンバルに囲まれたセットというのは初めてだったんです。あと、バラードやポップス系の曲を中心に叩いてきたので、曲調面でも全曲で新鮮さを感じます。――Ave Mujicaの楽曲では、ツーバス特有の足運びやフィルインの組み入れ方なども多く見受けられます。【米澤】最初に音源を聴いたとき、「おっ!」って思いました(笑)。フィルの入れ方など、アプローチの仕方も初めて経験するものばかりなので楽しいです。――キーボードはいかがでしょう?【高尾】キーボードとしては、ライブ演奏…特にキーボードの配置に注目していただきたいです。2台をハの字型に置いて、オルガンとピアノの音色を両手で同時に鳴らしているんですよ。――バンドリ!の中にはキーボーディストがいるバンドも多いですが、ハの字の配置にしている方は初めてですね。【高尾】最初は私も慣れなかったんですが、徐々にステップを踏みながら弾くこともできるようになってきました。音色の使い分け方やフレーズはもちろん、パフォーマンスに重点を置いたセッティングも特徴かなと思います。――1月27日には『Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」』が予定されています。【岡田】アニメでもAve Mujicaが始動したことで、キャラクターが生きている状態になると言いますか…。なので私たち自身の演奏テクニックはもちろん、キャラクターとしての佇まいや仕草もしっかり採り入れたパフォーマンスを突き詰めていきたいです。【米澤】『0th LIVE』よりもパワーアップしていると思いますし、していなきゃいけないと思うんです。なので、期待大で来ていただければと思います。あと、キャラクターのAve Mujicaたちが動き始めたことで、ステージの上のみんなと素の私たちが全然違うことにも気づいていただけると思うので、そこも楽しんでもらいたいですね(笑)。【高尾】キャラクターたちはああいった関係性ですが、リアルバンドの私たちはこの前もみんなで遊園地に行ったり、りこちゃんの家に遊びに行ったりしていて(笑)。【佐々木】本当に仲良くバンドをやらせていただいています(笑)。
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