「 この素晴らしいアニメに祝福を! 」はギャップ萌え全開の冒険ファンタジー風コメディアニメ!
最近「小説家になろう」と言うサイトから、書籍化を経て発刊に到る小説が数多く排出されています。この「 この素晴らしいアニメに祝福を! 」略して「このすば」もそのメインストリームに乗った作品でありますが、今までの書籍化作品とは段違いの面白さを誇っており、2016年1月に、とうとうアニメが放送されました。製作会社のスタジオディーンは、余り聞いた事が無いかもしれませんが、古くは「ドラえもん」や「うる星やつら」の製作協力など、業界で名を馳せており、近年ではメインの製作を数多く引き受けている事もあって、実績も信頼できる製作会社と言えるでしょう。■「 この素晴らしいアニメに祝福を! 」のお話の流れは・・・たまの外出で不慮(?)の事故に遭ってしまった、引きこもりでゲームオタクのカズマ。目覚めたそこは、死後の世界だった。アクアという口の悪い女神に情けない死に方を散々バカにされた挙句、天国行きか、魔王軍に蹂躙され、過疎化の進む異世界に転生するかの選択を迫られる。ゲーマーの勘に従い、選んだのはもちろん異世界転生。その際に、何か一つだけ好きな物を持って行けるという異世界行きの特権として、武器でも特殊能力でも好きな物を選んで良いと言われて出した答えが、「じゃあ、あんた」。こうして引きこもりゲームオタクと駄女神の異世界冒険(?)が始まるのだった。 ■自堕落な女神「アクア」の仕草が可愛くてしかたがない!フツーの人間が、異世界では特殊な能力を得て大活躍!と言うのはよくあるフォーマットなのですが、「このすば」では、一味違った異世界譚を築き上げています。主人公の「カズマ」からして一筋縄では行かない。あちこち旅して大冒険の末に美少女と知り合いラブロマンス…と言う訳には行きません。現実(?)は厳しいのです。特に取り柄も無いのでつける職業は制限され、大して強い訳でも無いので一番最初の街を拠点とせざるを得ない状況、おまけに特典として選んだ女神は全方向に迷惑かけます。そう、今の所この作品に冒険譚の要素はほとんど皆無です。剣と魔法の異世界を舞台にしたコメディなのです。剣と魔法のファンタジーを逆手にとったコメディ、と言うのはかの「スレイヤーズ」を彷彿とさせます。最もスレイヤーズにはメインストーリーと言える話の筋がありましたが、「このすば」は、まず生活するだけでも大変な状況なので、カズマ達がそれに悪戦苦闘する日々がメインとなります。しかし、それが大いにウケたのです。強力なモンスターを倒す力も無いので日雇いの仕事で収入を確保したり、女神アクアは能力や職業こそ強力ですが、決定的に「知力」が足りないとお墨付きを受けています。冒険者らしい仕事がしたい!とモンスター退治の依頼を受けた2話で、対処をミスってザコモンスターのカエルに呑まれる姿は必見です。だがそれが良い。女神などと言ういかにも神聖な雰囲気が感じられるキャラクターが、実は口が悪く自堕落で迷惑を振りまいて困った事があるとすぐに泣くおバカなキャラとは誰が想像するでしょうか。しかしその姿がはっきり言って滅茶苦茶可愛いのです。ギャップ萌えと言う奴でしょうか。皮算用で借金の果てにカズマに泣き付くなど、ろくでもない事は確かなのですが、これは実際に見てもらってその可愛さを判断してもらうしかありません。後に仲間になる二人、めぐみんやダクネスの可愛さも必見です。めぐみんはちょっと厨2病の入った、融通の利かないウィザード、ダクネスは被虐嗜好のあるパラディン、とこれもロクな仲間では無いように見えるのですが、マイナスにマイナスをかけたらプラスになるのです。実はこのパーティーって相性良いんじゃない?と言える程度には仲良しです。カズマが割と遠慮無く辛辣な事を言うので、ストレスが溜まる事もありません。酒場のアルバイトで賄い貰ってきたよー♪と喜ぶアクアに「いい加減にしろ!お前の存在価値は回復魔法なんだからそれを教えろ!」と言い出すカズマ、やはりアクアはその厳しい言葉を聞いて「私がいるんだから別に良いじゃない!」と泣き崩れてしまいます(後半はウソ泣き)。でも少し時間が経つとコロッと忘れて元気に過ごしているので実に後腐れが無い。芝居も素晴らしいです。声優の雨宮天さんは出演作品数が多い割に評価されているキャラは少ないのですが、「モンスター娘の憂鬱」に登場するミーアや、このすばのアクアなど、おバカなキャラでは一定の評価を受けており、この系統のキャラが一番上手、合っている、とまで言われています。ストーリー展開や伏線などを予想したりする楽しみ方は向いていませんが、単純に面白ファンタジーを楽しみたいと言う方は是非視聴して欲しい作品です。■アニメ「 この素晴らしいアニメに祝福を! 」前評判はいまひとつ。しかし、放送が始まってみると・・・ ちなみにこの作品、想像以上の人気が出たのか、一期終了と同時に二期の製作が発表されました。あらかじめスケジュールに決められていないのに二期が発表されると言うのは余り無い事なので、やはりそれも面白かった事、人気が出た事の証左と言えるでしょう。2016年1月~3月のアニメではダークホースと言われる程でした。ただ原作が既に面白いので、評価されるのは当たり前とも思えます。「異世界転生」と言うジャンルに忌避感を持っていた人が多かったと言う事が放送前の評価に繋がり、期待せずに見たら面白かったと言う扱いなんですね。ダークホースと言うのはそこから来ているのだと思います。剣と魔法の世界が好きで、コメディに苦手意識が無いなら問答無用で面白いと思うので、是非食わず嫌いせずに見て欲しい作品です。 アニメの題名:この素晴らしい世界に祝福を!作者/監督: 原作・暁なつめ、監督・金崎貴臣主な声優:福島潤(役:佐藤和真)、雨宮天(役:アクア)、高橋李依(役:めぐみん)、茅野愛衣(役:ダクネス)シリーズ構成:上江洲誠キャラクターデザイン:菊田幸一音楽:甲田雅人アニメーション制作:スタジオディーン製作:このすば製作委員会公開日: 第1期:2016年1月14日 – 3月17日上映時間 第1期:全10話(300分)公式サイト:http://konosuba.com/(あにぶ編集部/あにぶ編集部)
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