実写と思ったらアニメで、アニメと思ったら実写で、やっぱりアニメ!? 『 コングレス未来学会議 』
『コングレス未来学会議』とは、2013年にイスラエル&フランスによって創られたSF映画です。同年5月16日には、第66回カンヌ国際映画祭の監督週間部門でプレミア上映もされています。この映画、レンタルショップに行っても、アニメのコーナーには置かれていません。では何故紹介するのかというと、この映画、実写なのですがアニメなんです。いやいや何いってんの? と思った方。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、事実なのです。■俳優がCG化される時代主人公は、かつて大手映画会社を魅了した美人女優ロビン・ライト。実在する人物です。とはいえ、物語の開始時点では40代後半に差し掛かっていて、いつまでも美人女優としてはいられない――という状況です。そんな彼女の前に転がり込んできたのは、「俳優のCG契約」のお話。俳優を完全にCG化し、契約を交わした会社が独占するというシステムです。契約を交わした俳優は、大金と引き換えに、小さな劇場も含め今後一切役者を行うことができなくなります。契約相手は、どんな映画にも自由に出演させられるCG俳優を独占したいのです。もちろん、契約の際にポルノはダメ!とか、会社側とCGを使っていい作品の条件を決めることは可能です。加齢によっていつまでも美人ではいられなくなっている主人公にとって、これは美味しい話――と思えるかもしれませんが、彼女は仕事を自分で選べなくなること、もう舞台に上がれなくなることを嫌がり拒否します。まあその後いろいろあって、結局を果たしてしまうのですが――ここまでは物語の序章です。凄いのはここからです。■突然実写がアニメに切り替わる唐突に、舞台は20年後の世界に移ります。予備知識ゼロでこの映画を見ると、20年後の表記にまず驚きます。(;゚∀゚)!?←こんな風に。そしてさらに驚くのが、主人公が車で移動中に言われる「ここから先はアニメ専用地域です」というセリフ。えっ、アニメ専用?どういうこと? と疑問に思った刹那、すべてが実写からアニメへと切り替わります。!?!? 何が起こったんだ(^p^)←予備知識ゼロで見ていると、こうなります。■実はアニメパートのほうが圧倒的に長い実はこの映画、物語の大部分はアニメパートなのです。ここから先の舞台は、薬の力によって人々が自在に好きなアニメキャラクターの姿になれる世界です。アニメファンにとっては最高のシチュエーションであるような気もしますが、薬による現実逃避なんですよね。理想の世界へ逃げるか、苦しいこともある現実(実写)の世界で生きるか。なかなか考えさせられる二択です。この映画におけるアニメパートは、昔のアメリカのアニメを思わせるタッチで描かれています。もしも日本でこの技術が実現したら、今風の作画になるのでしょうね。日本版、見てみたいなあ。 今アニメと実写の融合といえば、『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』ですよね。でもそれ以外に、アニメ×実写の融合作品ってあったんですね。EDが急に実写化! とかならわりとありますが。けれど、アニメと実写はそれぞれ良さが違いますからね。なかなか意見の分かれる手法です。筆者的には二次元は二次元だけでやってほしいところです。とはいえ、インパクトのある作品なので、ぜひ見てみてください。人工知能を搭載した近未来の熱い自動車レース!アニメ「 新世紀GPXサイバーフォーミュラ シリーズ」レビュー(あにぶ編集部/星崎梓)
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