Wakana、ソロデビュー5周年ワンマンに成長実感「正解はライブがくれると確信」
歌手のWakanaが12日、東京・I’M A SHOW(アイマショウ)にて、ソロデビュー5周年を記念したワンマンライブ『Wakana 5th Anniversary Live 〜THE“VOICE”Stories〜』を開催した。【写真】熱唱するWakana ライブの模様 音楽監督を務める武部聡志(Key)を筆頭に、植田浩二(Gt)、浜崎賢太(Ba)、鶴谷智生(Ds)という顔ぶれのバンドメンバーに続き、ステージに現れたWakana。まずは1stアルバム『Wakana』収録の「約束の夜明け」でオープニングを飾り、一青窈×マシコタツロウ提供の「Rap Nui」を歌い上げた。 最初のMCでは「今日の日のことを毎日毎日考えていて。あっという間に今日が来てしまったのだけれども、皆さんのことを毎日思ってきたので、やっと会えたなという思いでいっぱいです。この5年間で得た思い出、たくさんの音楽を目いっぱい、ぎゅぎゅっと詰め込んでお届けしたいと思っております」とあいさつ。そして、「自分の言葉をみんなに伝えることがすごく難しくて、悩みながらも、自分の思いをみんなに届けたいという決意を込めて書いた」という「翼」、その続編として制作された「殻」へと、他者との関わりから生まれる孤独感を描いた2曲を続けてパフォーマンスした。 ソロデビューした2019年9月のワンマンライブを振り返る一幕もあり「ソロデビューしてまだ日が浅く、まだまだ自分自身も気づけていない“自分の声”があったり、皆さんがまだ知らない声があったり、届けたい声があったり。私の中でのいろんなVOICEがたくさんあふれていました」と語った。そして、ライブのサブタイトル「THE“VOICE”Stories」について、「時を経て、この5年間で、たくさんの物語が積み重なっていきました。思いがどんどん増えていきました。そんな、この5年間の思いを物語として、みんなにお届けしたいと、このサブタイトルをつけました」と説明した。 ライブで歌うのは久しぶりだという、“時間”をテーマにした「僕の心の時計」では、Wakanaの歌と武部によるピアノがデュエットのようにぴったり並走。一音たりとも外さない正確なピッチを披露した。続けて超絶技巧の高速ナンバー「KEMONO feat.清塚信也」を言葉の輪郭も明確に発しながら堂々と歌いこなす姿からは、改めてシンガーとしてのスキルとポテンシャル、表現力の高さが伝わってきた。 Kalafina「I have a dream」のカバーからはアコースティックコーナーへ突入。ピアノ伴奏のみで声楽的なヴォイスを響かせ、その歌声ひとつで観客を楽曲の世界観に惹き込む。2020年に他界したWakanaの父親への思いを半崎美子(※崎=たつさき)が曲にしたためたバラード「標」から、涙と笑いが交錯する別れを歌った「アキノサクラ」へ。<今年も心に>に続く<また枯葉舞い散る>というフレーズで言葉に詰まり、歌えなくなるシーンもあった。 クライマックスを前にWakanaは、この日のライブに集まってくれた観客にゆっくりと語りかけた。「みんなを目の前にすると、自分が知らなかった声が現れてくるし、もっと伝えたい思いがあふれてきます。こうしてみんなから頂いた思いを音楽にして返していく。それが私の人生なんだなと改めて感じています」という言葉に会場からは大きな拍手が送られた。「コロナ禍でライブができなかったときに書いた歌詞で、どんな時も声の限り、みんなに伝えていこうと思うし、音楽がみんなに届くことが、やっぱり私にとって大切な瞬間だと思う」という言葉から、「明日を夢見て歌う」へ。最新アルバムの収録曲でWakanaが作詞し、武部が作曲と編曲を手がけたピアノバラードで<進めこの声の限り/明日を夢見て歌うよ>という前向きなメッセージを届けて本編を締めくくった。 アンコールの拍手に応え、白いノースリーヴのマキシワンピに着替えて再登場したWakanaは、「私の中にある音楽、歌の全てをこの曲に込めました。皆さんと一緒に、ずっと、その先を見つめて行けたらうれしいです」と語り、最新アルバムのリード曲「そのさきへ」を披露。「皆さん、またお会いしましょう」と再会を約束し、ライブはエンディングを迎えた。終演後のWakanaは「いろいろと考えてモヤモヤしてたけど、正解はライブがくれるんだなと確信した」と語り、この5年間の集大成とともに、これからの道のりへの期待が高まる意義深いライブとなった。 なお、Wakanaは7月13日に横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホールで、RYTHEMとのツーマンライブ『エアトリpresents 毎日が夏祭り2024』に出演する。また、12月18日には、東京・浜離宮朝日ホール(音楽ホール)で5年連続5回目となる恒例のクラシックライブ『Wakana Classics 2024 (仮)』の開催が決定したことも発表した。
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