へヴィーオブジェクト …とある兵器の世界転戦<バトルツアー>
鎌池和馬さんのラノベをJ.C.STAFFがアニメ化するといえば「とある」シリーズがあまりにも有名ですが、それだけじゃありません。この黄金タッグで今期(2015年秋)放送中の「 へヴィーオブジェクト 」も、負けず劣らず面白い作品に仕上がっています。■へヴィーオブジェクト のあらすじざっくり言うと、丸腰同然の兵装で無敵の超大型兵器と戦う青年コンビの話です。 ■へヴィーオブジェクト のみどころ1…近未来兵器「オブジェクト」という、核兵器をも凌駕する超大型兵器が圧巻です。そして、無敵といいつつ、補給とか構造とか、生身の人間に無力化されてしまうレベルの脆弱性を抱えているというツッコミどころを用意するなんて、さすがです、鎌池先生。 ■へヴィーオブジェクト のみどころ2…政治・軍事情勢本作の舞台は、従来の兵器が「オブジェクト」に置き換わって、核兵器による相互確証破壊が機能しなくなり、国家も細分化された結果、常に各地で小規模な紛争が起こっている世界です。紛争の勝敗がオブジェクト同士の戦闘でほぼ決まるため、兵士や民間人の犠牲は最小限に抑えられています。これは、現代の軍用無人機技術に発展の余地があることなどから、想定の範囲内でしょう。一方、現代社会で各国の軍隊または自衛隊に敵対する武装勢力が、いわゆるテロ組織になりつつあることに対し、少なくとも本作8話目までは、影も形も見えません。アルカイダは、ISISはどうなってしまったのか?…舞台が現実世界の近未来ゆえに、現在との相違を見つけて、どうしてこうなったか想像するのも楽しみのひとつです。■まさかの3話打ち切り!?3話目のエンディングは、主人公たちが戦果をあげて受勲するシーンにED曲とスタッフロールが重なるので、一瞬これで終わりか?と思わされてからの…まあ、多分想像通りとは思いますが、番組をご覧になってお確かめください。■あとがき2015年は大東亜戦争の終戦70周年だったためか、アニメでも「艦これ」「GATE」「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ」「ガールズ&パンツァー 劇場版」と、近現代兵器が登場する作品が放送・公開されました。そんな年の締めくくりとして、近未来兵器のカードを切るなんて、もし狙ってたとしたら、さすがです、プロデューサーさん。現実社会でも安保法制、米軍沖縄基地移設から、北方領土・竹島・尖閣、南シナ海の動向まで、日本国内と周辺地域に限っても政治・軍事面で未解決の問題が山積しています。この機会に、アニメを観ながらそれらの課題に目を向けてみてはいかがでしょうか? また、エンタメ作品として「とある」ファンはもちろん「FLAG」とか「タクティカルロア」など、リアル志向の軍事SF作品が好みのかたにオススメです。「とある」の主人公がひとつの手段(イマジンブレイカー)で様々な相手に挑むのに対し、本作は、主人公たちが敵オブジェクトの特性に応じて、手を変え品を変え敵を撃破する様子をお楽しみください。 (あにぶ編集部/anIORIent asst.)
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