アニメーターたちへ捧げる作品『 ロボット カーニバル (ROBOT CARNIVAL) 』レビュー
ロボットを題材にしたショートアニメは結構珍しく、しかもオムニバス形式というのがなお希少となっているOVA。実に贅沢な作品で ロボット カーニバル というタイトルなだけに各話ロボットがテーマ。今では知らない人はいないのではないかと思うほどの有名なアニメーターたちのアンソロジーです。1987年7月21日に発売されたOVAで、北久保弘之と森本晃司が中心となって、大友克洋、福島敦子、森本晃司、大森英敏、梅津泰臣、北爪宏幸、マオラムド、北久保弘之、なかむらたかし、という9人のアニメーターが集結し、「ロボット」をテーマに作成した7本の短編をオムニバス形式で構成した作品。「ロボット」をテーマにしていれば、他は何をやってもよいという条件で、それぞれが1本ずつ短編を担当。実にバラエティ豊かとなっており、全編で90分と、ボリュームもたっぷりの内容になっています。■アニメ「 ロボット カーニバル 」のOPアニメーションとEDアニメーション大友克洋・福島敦子が制作。言わずとも知れた『AKIRA』で国内外ともに高い評価を得ている大友克洋と、『ポポロクロイス物語』キャラクターデザインを担当している福島敦子のタッグで、大友作風とも思わせるようなOP&EDとなっています。フランケンの歯車映像制作集団『STUDIO4℃』創設メンバーである森本晃司が制作。マッドサイエンティストがロボットへと生命を吹き込む瞬間を描く作品。細々としたメカや機械の破片が浮遊していく描写が非常に細かく、所々サイレントにしたりと演出が細かいのが特徴的でした。DEPRIVE『ファイナルファンタジーVII』でアニメーションディレクターと務めた大森英敏が制作。セリフは一切無しで、BGMと效果音のみとなっている作品。ヒロインを助けに行く青年とヒロインの物語で、親愛の絆を深める展開。少しロック調なBGMが印象的です。プレゼンス『機動戦士Ζガンダム』オープニングアニメーションを手掛ける梅津泰臣が制作。シリアスな大人の雰囲気で女の子とおじいさんが相対している作品。人物のしぐさ、自我に目覚める少女ロボットの髮のレースのリボンやフリルスカートのひろがり具合一つとってもこれほど美しい動きを魅せるアニメーションは存在するのか?と思わされるほど。STAR LIGHT ANGEL『重戦機エルガイム』でキャラクターデザインを担当し、現在は漫画家として活動中の北爪宏幸が制作。浮遊感が味わえたような気がして、セリフがなく映像とBGMで作品を見せています。ファンタジー色がより一層深みを感じさせた作品です。CLOUD『ガンバの冒険』の画面構成を手がけた大橋学(マオラムド)が制作。一人の少年型ロボットが、只々ひたすら彷徨い歩いている樣が延々と描かれる作品で、静かに過ごしていく事の美しさと切なさを表しているのではないかと思います。明治からくり文明奇譚 ~紅毛人襲来之巻~『くりいむレモンシリーズ』を手掛ける北久保弘之が制作。異人マッドサイエンティストが江戸へ襲来し、大型からくりロボが活躍。戦闘シーンは迫力満載でした。ニワトリ男と赤い首線密な描写をし、岩石アニメーターと呼ばれたなかむらたかしが制作。日本都市を舞台に赤マントを羽織りしロボットたちが飛び回る作品。実にシュールに仕上がっています。■アニメ「 ロボット カーニバル 」の奇抜さと意味不明さは紙一重素晴らしいアニメーターばかり勢揃いしています。様々なアニメーター達が表現方法について試行錯誤していくこの作品は、これからアニメーターを目指したい、すでに携わっているなど多くの人に影響を与えたものだと思っています。是非一度日本の実力あるアニメーター達を観てください。「 スチームボーイ 」はワクワクする冒険と、無限の可能性を秘めている蒸気科学の世界を描く | あにぶ今回レビューするのは、世界で絶大な人気を誇るAKIRAを生み出した大友克洋 が原作の「 スチームボーイ 」。正統派冒険活劇で少年がヒロインを守って悪い大人と対決する非常にオーソドックスな物語ではあるが、大友ならではの究極のマンガと究極のアニメが混ざったようなこだわりが感じられる作品ですが、少し子供向けなのかな あにぶ (あにぶ編集部/さっちん)
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